妻の死体を運んだ男
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聴き込み
3人は寺川を尋ねた後、八田の指導する「用賀ウルブズ」というバスケチームが練習する体育館を訪れた。
浅「このチームって、都大会で優勝したんですよね?凄いっすね!」
八「えぇ。才能ある子供達ですからね」
浅「里美さんは、よく見に来てたんですか?」
八「里美とは、大学時代のバイト仲間だったんです…。それが卒業後に偶然再開して…。
里美は、フリーの記者になってました。タウン誌のキッズスポーツの取材でここに来たんです。
それから付き合い初めて、1年後に結婚しました。あの頃の里美の夢は、一流のジャーナリストになる事でした。
自分の記事で犯罪や不正を暴いて苦しむ人々の助けになりたい。…そう言ってました。
俺にも夢がありました。未来の日本代表選手を育成する。だからお互いに夢を実現する為に一緒に頑張ろうって。
だけど、生活の為に書いたスクープが大当たりして、あいつはどんどん変わっていった…」
それらの事がきっかけで、喧嘩などもするようになってしまった。
八「そんな時です。チームのミーティングで遅くなったので、駅まで近道を通ったら…」
そこで八田は柴山と寺川が親しげに歩いている所を目撃し、浮気だと思った八田は寺川を殴ったそうだった。
八「それが離婚のきっかけです。浮気したあいつが別れたいって言い出して…。悪ぃのはあいつなんですよ?」
新「里見さんは、あなたの暴力に悩んでいたという証言もあります。それが原因なんじゃ?」
八「バカな…嘘ですよ、そんなの。あいつ離婚したくてそんな嘘まで…!」
新「今でも里美さんとは友達みたいな関係って言ってましたよね?それって物凄く───…!」
八「知りませんよ、そんなの!」
『ちょっと新藤…(ボソッ』
八田は新藤の言葉を遮るように声を荒らげる。朱璃は新藤に小声で咎める。
浅「八田さん、里美さんからあれこれ頼まれてたって言ってましたよね?どうして断らなかったんですか?」
八「………」
浅「…何か、言えない事情でもありますか?」
八田はそれ以上は何も話すことは無かった。
体育館を出た浅輪、新藤、朱璃の3人は警視庁に戻るまでの道のりを歩く。
新「やっぱり怪しいですよ。もう少し張り付きましょうか?」
浅「ちょっとさぁ、先行っててくれる?寄りたいとこあるから」
そう言って浅輪は新藤と朱璃から離れる。
新「え…」
『…?』
そんな浅輪に戸惑う新藤と首を傾げる朱璃。
『とにかく主任が言った通り先に戻ってよう?』
新「あぁ」
2人は浅輪に言われた通りに先に警視庁へと戻った。
そして先に戻った2人に浅輪も合流し、青柳と矢沢が取り調べしている柴山が勤めていた週刊ブームの編集長・門倉哲夫の証言を取調室の隣にある部屋でマジックミラー越しに見ていた。
門倉の証言によれば週刊ブームに載っていた淫行疑惑の記事は柴山が席を立った隙に彼女のタブレットからコピーして門倉が書いたものだった。
門倉は柴山を殺してはいないが、記事を書く様に海藤の秘書である牧村から頼まれたからと供述した。
浅輪、新藤、朱璃は訝しげな顔でお互いの顔を見合せた。そして3人は再び捜査のために警視庁を出て外を歩いていた。
新「週刊新時代って週刊ブームのライバル誌ですよね?」
浅「あぁ。まぁ、他社に記事を持ち込むんだったら、おそらくそこだろう」
『はい』
3人は早速週刊新時代の社を訪れる。
「えぇ。たしかに、柴山さんから連絡がありましたよ。ブームの記者がウチに記事を載せたいなんて、驚きました」
新「それで、その記事は受け取ったんですか?」
「あぁ、いや…それが、10日中に入稿する約束だったのに、結局送られてこなくて…。まさか、殺されてたとは……」
浅「その記事について柴山さん、何か言ってませんでしたか?内容についてとか、誰がどうしたかとか」
「いえいえ、何も。ただ…政界絡みの大きなネタだと」
『政界絡み……』
朱璃は小さく呟き、浅輪は何か納得したように何度か頷いていた。
3人は寺川を尋ねた後、八田の指導する「用賀ウルブズ」というバスケチームが練習する体育館を訪れた。
浅「このチームって、都大会で優勝したんですよね?凄いっすね!」
八「えぇ。才能ある子供達ですからね」
浅「里美さんは、よく見に来てたんですか?」
八「里美とは、大学時代のバイト仲間だったんです…。それが卒業後に偶然再開して…。
里美は、フリーの記者になってました。タウン誌のキッズスポーツの取材でここに来たんです。
それから付き合い初めて、1年後に結婚しました。あの頃の里美の夢は、一流のジャーナリストになる事でした。
自分の記事で犯罪や不正を暴いて苦しむ人々の助けになりたい。…そう言ってました。
俺にも夢がありました。未来の日本代表選手を育成する。だからお互いに夢を実現する為に一緒に頑張ろうって。
だけど、生活の為に書いたスクープが大当たりして、あいつはどんどん変わっていった…」
それらの事がきっかけで、喧嘩などもするようになってしまった。
八「そんな時です。チームのミーティングで遅くなったので、駅まで近道を通ったら…」
そこで八田は柴山と寺川が親しげに歩いている所を目撃し、浮気だと思った八田は寺川を殴ったそうだった。
八「それが離婚のきっかけです。浮気したあいつが別れたいって言い出して…。悪ぃのはあいつなんですよ?」
新「里見さんは、あなたの暴力に悩んでいたという証言もあります。それが原因なんじゃ?」
八「バカな…嘘ですよ、そんなの。あいつ離婚したくてそんな嘘まで…!」
新「今でも里美さんとは友達みたいな関係って言ってましたよね?それって物凄く───…!」
八「知りませんよ、そんなの!」
『ちょっと新藤…(ボソッ』
八田は新藤の言葉を遮るように声を荒らげる。朱璃は新藤に小声で咎める。
浅「八田さん、里美さんからあれこれ頼まれてたって言ってましたよね?どうして断らなかったんですか?」
八「………」
浅「…何か、言えない事情でもありますか?」
八田はそれ以上は何も話すことは無かった。
体育館を出た浅輪、新藤、朱璃の3人は警視庁に戻るまでの道のりを歩く。
新「やっぱり怪しいですよ。もう少し張り付きましょうか?」
浅「ちょっとさぁ、先行っててくれる?寄りたいとこあるから」
そう言って浅輪は新藤と朱璃から離れる。
新「え…」
『…?』
そんな浅輪に戸惑う新藤と首を傾げる朱璃。
『とにかく主任が言った通り先に戻ってよう?』
新「あぁ」
2人は浅輪に言われた通りに先に警視庁へと戻った。
そして先に戻った2人に浅輪も合流し、青柳と矢沢が取り調べしている柴山が勤めていた週刊ブームの編集長・門倉哲夫の証言を取調室の隣にある部屋でマジックミラー越しに見ていた。
門倉の証言によれば週刊ブームに載っていた淫行疑惑の記事は柴山が席を立った隙に彼女のタブレットからコピーして門倉が書いたものだった。
門倉は柴山を殺してはいないが、記事を書く様に海藤の秘書である牧村から頼まれたからと供述した。
浅輪、新藤、朱璃は訝しげな顔でお互いの顔を見合せた。そして3人は再び捜査のために警視庁を出て外を歩いていた。
新「週刊新時代って週刊ブームのライバル誌ですよね?」
浅「あぁ。まぁ、他社に記事を持ち込むんだったら、おそらくそこだろう」
『はい』
3人は早速週刊新時代の社を訪れる。
「えぇ。たしかに、柴山さんから連絡がありましたよ。ブームの記者がウチに記事を載せたいなんて、驚きました」
新「それで、その記事は受け取ったんですか?」
「あぁ、いや…それが、10日中に入稿する約束だったのに、結局送られてこなくて…。まさか、殺されてたとは……」
浅「その記事について柴山さん、何か言ってませんでしたか?内容についてとか、誰がどうしたかとか」
「いえいえ、何も。ただ…政界絡みの大きなネタだと」
『政界絡み……』
朱璃は小さく呟き、浅輪は何か納得したように何度か頷いていた。