アレグリア

皆それぞれに冥府の門と戦っていた。そこに突然メンバーの頭の中に声が響く。

〈ｳｫ「みんな、聞こえるか」〉
『！…ウォーレン！？』

頭の中に響いてきた声の正体はウォーレンの念話だった。エルザは悪魔と化したミネルバと戦っている最中でミネルバに悟られぬよう｢聞こえてる。何かあったのか？｣と返答する。

〈ｳｫ「ミラは無事だ。合流した」〉
〈ミ「心配かけて、ごめんね」〉
『ﾎｯ…よかった……』
〈ｳｫ「エルフマンとリサーナもいる」〉

ウォーレンの言葉の次にルーシィの声もウォーレンの念話を通じて聞こえてくる。

〈ル「ウェンディとシャルルがフェイスを止めたっ！！！！敵の計画を打ち破ったのよ！！！！」〉
『ウェンディが……フェイスを…』

ルーシィからの報せを聞いたレイナはその顔に笑みを浮かべた。

〈ル「それで、この後の事なんだけど…………」〉

ルーシィが続きを話そうとするとウォーレンが繋げたらしいハッピーの声が響く。

〈ハ「マスターハデスの魂に会ったんだ。
フェイスを止められたのに、あいつら…まだ終わりじゃないって……。
｢光を解き放て｣
そうマスターに伝えろって、ハデスが」〉
『(光って確か…大魔闘演武の時にマスターたちが言ってた〝ルーメン・イストワール〟ってやつの事かしら…？)』

しかしその時、急にウォーレンからの念話に雑音が入る。

『ウォーレン！？何があったの！』

そして、ウォーレンの念話からギルドメンバー以外の声が響いてきた。

〈「魔道士ギルド妖精の尻尾、だったかな？」〉
『！』
〈ｼﾞｪｯﾄ「ウォーレンの念話に誰か入って来た！！？」〉
〈ｴﾙ「誰だてめえ！！！」〉
〈「冥王マルド・ギール
だが覚える必要はない。貴様等に明日はないのだからね」〉

──アレグリア──
そう聞こえたかと思うと急に地面の重力場が消え去り、下の面にいた者達が落ちていきそうになる。

『マズイ！！
重力操作！！！』

レイナは重力魔法を発動し、落下していきそうになるラクサス、フリード、エバーグリーン、ビックスロー、ヤジマを自身と共に浮遊させる。

『！！！何コレ！？何かに体が…吸い込まれて……
(フリード………)』

抵抗虚しく、レイナもアレグリアというものに囚われてしまった。