元の時代へ

ハ「離れて！！！！みんな扉から離れて！！！！」

ハッピーの声に皆は一斉に扉に背を向け走り出す。そして、降ってきた炎の塊はエクリプスの扉に直撃する。その炎の塊の正体はマザーグレアごと未来のローグを炎に包んだナツだった。

ハ「扉が壊れた！！！！」
ル「ナツ！！！！」

エクリプスの扉が破壊された事により、ドラゴン達の身体も小型を含め元の時代に戻ろうと光の粒子となり始める。

ﾌｨ『元の時代へと戻るようですね…』
ｱｼ「フィンレー様…」
ﾌｨ『アシアーアイス…私に力を貸してくれてありがとう。400年前の時代に戻ったら、その時代の私と…この子(レイナ)の事を頼みましたよ』
ｱｼ「はい…。妾がフィンレー様と御息女・レイナ様の成長を見届けましょう…」

アシアーアイスは光の粒子となり、元の時代へと帰っていった。

ﾌｨ『…私もそろそろ元の居るべき場所へと戻ります。私が意識をレイナに戻せば、しばらくの間はこの子(レイナ)は目覚めませんが心配はいりません。それと…この時の記憶はこの子(レイナ)には別の記憶となっているでしょう。しかし、いつか…その時が来れば必ず会うことができます。
星霊魔導士の少女よ、この子の…レイナの仲間となってくれてありがとう。これからもレイナの事をよろしくお願いしますね。
…それでは、またいつかの時まで…』

レイナ(フィンレー)はそう言って瞳を閉じた。そして、スフィアからレイナ自身の意識へと戻った事でレイナはそのまま倒れていく。そこを人型になったカリンが支えた。
大魔闘演武から思わぬ形で竜（ドラゴン）と戦う事になり、クロッカスの街は瓦礫だらけの状態になってしまったが、誰一人死ぬことなく竜（ドラゴン）との戦いを終えたのだった。
しかし、竜（ドラゴン）を倒す為の魔法を使う滅竜魔導士達にとっては何とも言えない結果となった。その理由は、滅竜魔導士の誰一人として竜（ドラゴン）を倒すことなく、ただエクリプスの破壊という方法で竜（ドラゴン）を退ける事しかできなかったのだから…。