想い

そして、その頃の城の牢では──

？「ルーシィ」

ベットで目を閉じていたルーシィは1度目を覚ますがまた目を閉じる。

？「ルーシィ」
ル「！
ナツ！！！ウェンディにミラさん、レイナも！！！」

ルーシィは驚きの声をあげ、そんなルーシィの口をナツが塞ぐ。

ハ「オイラたちもいるよ」
ル「みんな…」
シ「大変な事になったわね」
ユ「どうやってここに……」
ナ「いいから下がってろ」

そして、ナツは自身の炎で牢の鉄格子を溶かす。

ミ「はいっ、着替え持ってきたわよ」
ル「みんなありがとう」
ハ「お腹すいてない？」
ウ「ユキノさんのもありますよ」
ユ「私（わたくし）は結構です」
シ「あとはどうやって脱出するかね」
リ「できる事なら誰にも見つからずに城を出たいな」
『あら、それなら私の魔法で充分じゃない？』
ル「ちょっと待って、鍵を取られたままなの！！探さなきゃ」

しかし突然床が開き、その場にいる者たちは落ちていく。

ル「痛ーい」
ナ「何だここは」
リ「む……」

皆が不思議に思っていると、突如女性の声が聞こえる。

？〈ようこそ、奈落宮へ〉
ナ「ア？」
ル「誰？」
？〈見事に罠にかかりましたね〉
ハ「え？」
シ「罠ですって！？」
？〈辺りを見なさい〉

言われた通りに辺りを見回すとそこには人の骸がたくさんあった。

？〈ここは死の都、奈落宮。罪人の行き着く最後の自由。
しかし、ここから出られた者は1人もいない〉

空間に映像が現れる。そこに映っていたのはヒスイ・E・フィオーレだった。

ヒ〈そこで朽ちてゆくがよい、賊よ〉
ナ「誰だよテメーは！！」
ヒ〈私はフィオーレ王国王女 ヒスイ・E・フィオーレ〉
ミ「じゃあ、この城のお姫様！？」
ル「怖……」
ナ「くっそーっ！！
出口どこだ、出口──！！！」

いつの間にか空間の映像は消えていた。

リ「出口どころか入口も見えんぞ」
ウ「ど……どうしよう」
ｶﾘ「そんな…
レイナの幻竜の力は見破れないはずなのに何で？」
『おそらく姫様が予測していたのかもね、この状況を…』

そしてその頃、城内ではヒスイを讃えている兵士たちを他所にヒスイの顔は暗かった。
一方、大魔闘演武の会場では──

チ〈息詰まる攻防戦の続く大魔闘演武。ここからはさらなる熱戦が予想されます〉

グレイはとある場所を歩いていた。

グ「ここに来ればアンタに会えるって聞いてたが、さすが初代」
ﾙｰ「これはこれは、記憶は君を忘れかけていた。思い出させてくれるかな？」
グ「無理して思い出す事はねえや。おまえはここで終わりだから」

チ〈図書館エリアで妖精の尻尾のグレイと剣咬の虎のルーファスが激突だ──！！！〉

レ「造形魔法対造形魔法か…」
ｴﾙ「グレイの奴、前に痛え目見てっからな。大丈夫かよ…」
ﾛﾒ「これも計算通りなのか？初代」
メ「はい」
ｳｫ「じゃあグレイが勝つんだな！！この勝負」
ﾏｯ「どんな作戦与えたんだ？」
メ「勝つかどうか、それはわかりません」

そんなメイビスの言葉に皆は愕然とする。

レ「わからないって…」
ｴﾙ「じゃあどこに勝算があるってんだ？」
メ「わかりませんが、しかし勝たねばなりません。
ルーファスという者は剣咬の虎攻略のキーなのです」

ジ「ちょっと待ってください、初代。
それではルーファスはジュビアたちの位置を特定しているというのですか？」
メ「その通りです。まずルーファスを倒すべきだと考えます」

椅子に座っていたグレイが立ち上がる。

グ「そいつァオレにやらせてくれ」
ジ「グレイ様」
グ「初代、いいだろ」
メ「私の計算ではあなたとルーファスの相性はあまりよくありません。勝てる可能性はとても……」
グ「そんなのどうでもいいんだよ！！
ルーシィを助ける。そしてやられたカリを返してえ。妖精の尻尾の魔導士として戦わせてくれ」

メ「時に想いは計算を超える。見せてください、あなたの想いを」