COME ON

チ〈あーっと！さすがにピクリともしない！凄まじい一進一退の攻防の果て、力尽きたのは妖精の尻尾なのか──っ！！！〉

ハ「ナツ……」
レ「ガジル……」
リ「どうした、立て！！おまえはそんなもんじゃないだろ！！」
ワ「ナツたちでも勝てねえのかよ……」
ﾏｶ「悔しいぜ、チクショウ」
ﾛﾒ「ナツ兄～！！立ってくれよ～～！！！」

スティングはドラゴンフォースを解く。

ス「でも……やっぱり強かったよ。ナツさん、ガジルさん」

チ〈両者ダウンか──！！？〉

グ「立てよ！！ナツ！ガジル！」
エ「私たちの声が届いているだろう！！ギルドの想いは1つ！おまえたちと共にある！」

ﾐﾈ「妾の見立て違いだったか？」

『(2人ならまだいけるハズ……)』

ローグもドラゴンフォースを解き、地下へと降りてくる。

ロ「スティング」
ス「ああ。悪ぃな、ガジルさんもとっちまって。でもよ、果たせたよ。約束を」

すると───

ナ「ちょーっと待てって」
ｽ･ﾛ「！！」

今までピクリともせずに倒れていたナツとガジルが起き上がる。その姿に会場が再び盛り上がる。

ﾄﾞﾛ「すげぇな！さすがだぜ！！」
ｼﾞｪｯﾄ「見ろよレビィ！みんなの声が届いたんだよ！！」
ハ「立ったー！！」
リ「そうでなくては困るというものだ」
ｶﾘ「さすがって感じだよね！」
『フッ
(やっぱりね)』

ナ「いってぇー」
ガ「思ったよりやるな」

チ〈なんか意外とピンピンしてる！！〉
ナ「けど、おまえのクセは全部見えた」
ス「何！！？」

ﾚｸ「ウソだ…ありえない…。タチの悪い夢ですよ、こんなの…」
ﾌﾛ「フローも…そーもう…」

ナ「攻撃のタイミング、防御の時の体勢、呼吸のリズムもな」
ス「何！！？バカな？！こっちはドラゴンフォースを使ってんだぞ！！！」
ナ「おう！！たいした力だ。体中痛えよ、チクショウ」
ロ「揺れるなスティング。ハッタリだ」
ガ「ギヒッ ハッタリだ？火竜（サラマンダー）にそんな頭使った芸当できっかよ」
ナ「うるせーっての！！
例えば攻撃の時、軸足が11時の方を向く」
ガ「いーや、10時だな」
ナ「11時だよ」
ガ「半歩譲って10時30分！！11時じゃねえ」
ナ「11時だ！！！23時でもいいっ！！」
ガ「それ一回転してんじゃねーか！！」

ナツとガジルは試合中だというのにケンカをしている。

マ「何をやっとるんじゃ、バカタレ共が」

マカロフは眉間に手を当て呆れている。

メ「元気がありあまってますね！まだまだこれからということでしょう！」

グ「こんな所で喧嘩たァ…随分恥ずかしいことしてくれるぜ。ったく」
エ「まあ、そう言うな。おまえとナツも似たようなものだろう」
グ「客観的に見るとああなのか…？」

『……ハァ
まったく、あの2人は何をやってるんだか…』
ｶﾘ「ま、妖精の尻尾らしくていいんじゃない？」

ナ「ごちゃごちゃうるさい」
ガ「おわっ」

ナツはガジルを押し、ガジルはトロッコに入ってしまう。ナツはレバーを動かす。ガジルの乗ったトロッコが動き出し、ガジルはさらに下へと落ちていった。

ナ「ギヒッ」

ナツ1人となった光景に双竜は呆気に取られる。

ス「な…なんのマネだ」
ロ「ガジル…」
ナ「なめられた分はキッチリ返さねえとな」

ナツは左手の指から炎で｢COME ON｣と出す。

ナ「オレ1人で十分だ！！！！
まとめてかかって来い！！！！」

チ〈おーっと！今度は妖精の尻尾のナツ・ドラグニルが1対2のバトルを宣言だ───っ！！！！〉

ナ「燃えてきただろ？」