白き竜、影なる竜

ナツの腹に白い光が浮かび上がる。

グ「ナツ！！！」
エ「今の一撃、これまでの攻撃と様子が違うな」
グ「は？それはどういう…」

スティングから攻撃を受けたナツの腹に白い魔法陣のようなのが現れる。

グ「…て、なんだありゃ？！魔法陣みてえだが…」

ナ「！！！」

ナツの体が動かなくなる。

ス「白き竜（りゅう）の爪は聖なる一撃。聖痕を刻まれた体は自由を奪われる」

スティングは両手に白い光を纏う。

ス「これでオレは…アンタを超える！！！！」

そしてガジルの方もローグに何度も攻撃しようとするが、影となったローグに1度も攻撃が当たらない。

ロ「影なる竜（りゅう）はその姿を見せず」

ガジルは背後に現れたローグを即座に攻撃しようとするがローグは影となり攻撃を避け、再びガジルの背後を摂る。

ロ「確実にエモノを狩る」

しかし、攻撃しようとしていた右手をガジルに掴まれる。

ロ「！！」
ガ「確実にエモノを…何だって？」

ｼﾞｪｯﾄ「よっしゃー！」
ﾄﾞﾛ「いいぞ、ガジル！」
レ「掴んだ！さっきまで全然当たらなかったのに！」

レビィは何故かリリーを抱えている。

リ「当然だ。ガジルならしばらく戦えば目が慣れる」
ハ「ナツだってそれくらい余裕だよ。がんばれー！！ナツー！！」

右手に白い光を纏ったスティングがナツに向かっていく。
ナツは口角を上げる。

ス「！！」

すると動けないハズのナツが右手に炎を纏わせ、スティングを殴る。

ス「な…なぜ動ける！！？」

ナツの腹から煙が上がっており、腹にあった聖痕が消えていた。

ス「聖痕が焼き消されて…」
ナ「なかなかやるじゃねーか。だけどまだまだだ」

グ「焼き消すとか…さすがっつか無茶苦茶だな」
エ「火竜（サラマンダー）ならでは、といったところか」

ガ「あまり調子にのんなョ、コゾーども。妖精の尻尾をなめんなっ！！！！」

ガジルはローグの右手を掴んでいる右の肘でローグの顎に打撃をいれる。
ナツはスティングを殴り飛ばし、ガジルはローグを蹴り飛ばす。

ハ「いいぞー！！いけいけー！！」

ハッピーは翼（エーラ）を出し飛び上がる。

レ「すごいよ、ガジルー！！」
リ「く…苦しい…。落ち着け、レビィ…」

レビィは興奮のあまり力が入り過ぎて、レビィに抱えられていたリリーは顔が青くなっている。

チ〈おーっと！
ここでまた戦闘が大きく変わった──っ！！！〉

ス「やっぱり最高だぜ、アンタら」

スティングは構えると再び全身に白い光を纏う。

ス「こっちも全力の全力でやらなきゃな。白き竜（りゅう）の拳は、炎さえも灰塵へ還す」

ﾛﾒ「何だよ、この魔力？すごいプレッシャーだ！」
ハ「まずいよ。これってもしかして……」
『ええ、確かにまずい…。でもきっとナツたちなら大丈夫よ』

チ〈ま…眩しいっ！ヤジマさん、これは一体…〉
ヤ〈スティングくんが魔力を一点に集中（スうちゅう）させてるみたいだねぇ〉

ス「行くぜぇ、ナツさん！！！
滅竜奥義 ホーリーノヴァ！！！！」

会場に凄まじい光と爆風が巻き起こる。その影響で砂埃が巻き起こる。
それが晴れて見えたのは、スティングの滅竜奥義を放った右手を右手で掴んでいるナツの姿だった。それにスティングは目を見開く。