妖精女王─ティターニア─

遂に残るはSクラスのモンスターのみとなり、その外見はあまりに小さかったが、エルザはそんな見た目のモンスターにも警戒を怠ることはなく、妖刀・紅桜から二刀流へと持ち替える。
そしてエルザが警戒していた通り、SクラスのモンスターにはSクラスのモンスターが最後の1体となった時、パワーが3倍になるという仕掛けがあった。

チ〈さあ！伏魔殿（パンデモニウム）ラストの1体！！
しかし、なんと気づけばバトルは決戦場に移動しており、巨大化したSクラスのモンスターがエルザに襲いかかる！！！！〉
ヤ〈こんな仕（ス）掛けまで設定されているとはね〉
ﾗﾊ〈思わぬ伏兵…
なるほど、〝伏魔殿（パンデモニウム）〟という名にふさわしいですね〉

エルザはSクラスのモンスターの巨体にはもろともせず、攻撃していく。

──大魔闘演武・3日目 伏魔殿（パンデモニウム）
キズだらけになりながら、地に堕ちたハズの妖精が舞う
妖精女王（ティターニア）、ここにあり──

エルザは、Sクラスのモンスターを撃破した。
妖精の尻尾A エルザ・スカーレット
挑戦権100体を全て撃破。

──それはまるで……
凜と咲き誇る、緋色の花──

チ〈し…信じられません！！！
なんと、たった1人で100体のモンスターを全滅させてしまった───────っ！！！！
妖精の尻尾A エルザ・スカーレット圧勝！！文句なしの大勝利──っ！！！！
これが7年前、最強と言われていたギルドの真の力なのかっ！！！？〉

会場が大歓声に包まれている。

チ〈未だ鳴りやまないこの大歓声！！！〉
ヤ〈こりゃ参ったね〉
ﾗﾊ〈言葉もありませんよ〉

エルザの周りにはAチームのみんなが集まる。

『ホント適わないねえ、エルザには。
(それでもエルザならやれるって信じてたけどね♪)』
ﾐﾘ「エルちゃん、やっぱり最強だねー。
元気最強！！」
ヒ「さすが一夜さんの彼女さん…。
僕には眩しすぎる…！」
ノ「あれを見せられた後に命知らずなボケかますね」
ｼﾞｭ「見事」
オ「気に入らねえな」
ｵｰ「………」

会場中がエルザへのコールに包まれている。

チ〈1日目、ブーイングから始まった妖精の尻尾！それが嘘のようなこの大歓声！！〉
ヤ〈あの姿を見れば誰でもね〉
ﾗﾊ〈私も正直、胸をうたれましたよ〉
チ〈伏魔殿（パンデモニウム）、完全制圧！！！！
妖精の尻尾A、10P獲得！！！！〉