空座決戦 開始
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弐撃決殺
大前田がニルゲとの戦闘の勝利を納めた頃、砕蜂とジオの戦いは未だ攻防続きとなっていた。
ジオが攻め、砕蜂が軽やかに躱していく。先程まで続いていたやり取りだった。
砕「(またこの手か…)」
その時、ジオがニヤリと口角を上げ思い切り右腕の刃を振り下ろしてきた。砕蜂はハッと雀蜂の装甲部分を左腕で支えるように腕をクロスして受け止める。その隙にがら空きとなってしまった胴体を狙われ、ジオの蹴りが砕蜂の左脇腹にきまり、蹴り飛ばされた砕蜂は建物に激突してしまった。
ジ「さて…そろそろ攻撃が決まってきたようだなぁ」
砕蜂は起き上がってジオを睨めつける。
ジ「あんたがずっと攻撃せずにこっちの出方を伺っているのは、充分わかっていたさ。それはあんたの中でまだ俺の攻撃を受け止めるだけの余裕があるからってのもなァ」
砕「……」
ジ「でも、残念ながらこっちはまだこれだけじゃない。その余裕を早めに捨て去っちまった方が、そっちのためだと思うけどねぇ?」
砕「…面白い」
ニルゲと決着をつけた大前田は鉄球を手元に戻し、右肩へと担ぐ。それはそのまま形を無くしていき、大前田の左腰に携えていた鞘へ刀の形に戻った五形頭を収めた。
その後、勝利した事で調子に乗り、ニルゲに暴言のような事を吐きまくっていた大前田に気絶しきっていなかったニルゲに鼻を掴まれたのだが、そのニルゲの頭部に何かが当たり、その衝撃でニルゲは倒れ、大前田は放り出される。大前田は戸惑った様子で飛んできた何かを見た。
大「な…!
た…隊長……!?」
砕「…く……」
飛んできた何かは砕蜂。苦しげに表情を歪めた砕蜂をジオは見下ろして嘲笑う。砕蜂はジオを強く睨みつけた。
再び戦闘に入った砕蜂とジオを大前田は呆然と見つめる。
大「う…うおおおお〜〜〜…
な…何て野郎だ…。隊長の動きについてってやがる……。隊長と対等にやりあってやがる……!
…………。…いや…。本当に…〝対等〟か………!?」
大前田は砕蜂とジオの攻防に戸惑っていた。
ジ「武器が似ていて良かったな!馴れた戦法で戦うことができる!力の全てを出し切れる!つまり…
あんたは全力を出し切ってもこの程度だって事なんだよ!!」
ジオに蹴り飛ばされた砕蜂は再び建物に激突してしまった。
大「…やっぱりだ…。隊長が押されてやがる…!芝居か……?
いや…あのプライドの高けえ隊長が…芝居とは言え負けるフリなんかするワケねえ……」
大前田は思わず息を飲んだ。
外壁に衝突した砕蜂はすぐにジオが鋭い牙を飛ばし砕蜂の死覇装の袖を縫い止めた事で動けなくなってしまう。
砕「ちッ!」
ジ「さっきとは逆だな、二番隊隊長
そういえば、俺の名前は教えたけど、あんたの名前は訊くヒマなかったな。
…まあ、どっちでもいいか」
ジオは縫い止めた砕蜂に向かっていく。右腕の刃を突き出した先には大前田が始解した五形頭の鉄球を盾に砕蜂を庇っていた。ジオの刃で鉄球にはヒビが入る。
砕「!!」
ジ「何だお前?ジャマだ。急に出てくんなよ」
大前田はジオを抱き竦めて捕まえる。
大「よし!!!
やりましたよ、隊長!つかまえた!!
げへへへ!動けねーだろ、このチビ!!ホラ隊長!今のうちに!!」
ジ「…つかまえた ?誰に向かって言ってんだ?」
ジオは大前田に抱き竦められたまま左手にエネルギーを収束し、虚閃を放とうとする。
大「!!!」
ジ「消し飛べ」
ジオが虚閃を放とうとしたその時、ジオの顔を砕蜂が蹴り飛ばした。
砕蜂は大前田の斜め前に着地する。
砕「…ちっ
…誰が助けに来いと言った。私は一度、破面の帰刃の力というものを見ておきたかったのだ。続く十刃との戦いに備えて な。
…まあ良い。もう充分底が知れた」
大「そんな言い方なくねえっスか!?
オレぁ隊長がやられてんじゃねえかって心配して助けに行ったんスよ!?それを何スか〝誰が助けに来いと言った〟って!!余計なことしやがってみてーな言い方して!!」
砕「…耳をかせ、大前田」
大「?何スか?」
砕蜂の言葉に素直に耳を向ける大前田。近づいた大前田の顔面に砕蜂は容赦なく裏拳を入れた。
砕蜂に顔面を殴られ、大前田は後方へ転がる。
砕「…馬鹿が。大方私が負けたら次は自分が危ないと思って助けに来たのだろう。どうだ、図星か。
大体、仮に私がやられていたとして、助けに来いなどと私が教えたか?
教えた筈だ。仲間がやられたら好機と思え。間に入るな。後ろから刺せ。
それすらできぬ程、敵との力量が隔っているならその場で仲間は見殺しにしろ。
それが、隠密機動だ」
砂煙の中からジオが姿を現す。
砕「待たせたな、破面。見せてやるぞ。貴様が〝この程度〟と言っていた〝隠密機動の戦い〟を。本物の暗殺を」
ジオは顔に付着した血を拭う。
砕「…いや、貴様程度では〝見る〟ことはできんかも知れんな」
ジ「なめるな!!!」
砕蜂の言葉に怒り叫んだジオの姿が徐々に巨体へと変化していく。
ジ「お前こそ俺の力を見縊んなよ!!本当の力を見せてやるのは俺の方だ!!
見ろ!!!これが虎牙迅風 の実戦形態!!『虎牙迅風・大剣 』だ!!!」
そう言い切ったジオだったが、いつの間にか砕蜂がジオの背後に背中を向けて立っており、ジオの背中からは血が出ていた。
砕「済まんな」
ジオの右胸と右背には雀蜂による蜂紋華。
砕「〝弐撃決殺〟と言ったが、一撃にしか感じなかっただろう」
ジオは背中越しに砕蜂を見る。
ジ「…ち…くしょう……」
ジオは蜂紋華によって消滅した。
大前田は砕蜂に駆け寄った。
大「いよッしゃあ────!!!
イヤイヤ、やったじゃないスか、隊長!
つーか、アレ?「雀蜂」って同じトコに二撃じゃなくても効果あるんスね!」
砕「同じだ」
大「え!?」
砕「胸側と背側から奴の右肺の同じ箇所に二撃を与えた。狙ったのは最初から傷口ではなく臓腑だ。
そんな事より、余り余計な事を喋るな、大前田」
砕蜂と大前田の前には老人の姿をした十刃。
砕「真打ちだ。手の内を悟らせる言葉は吐くな」
大前田がニルゲとの戦闘の勝利を納めた頃、砕蜂とジオの戦いは未だ攻防続きとなっていた。
ジオが攻め、砕蜂が軽やかに躱していく。先程まで続いていたやり取りだった。
砕「(またこの手か…)」
その時、ジオがニヤリと口角を上げ思い切り右腕の刃を振り下ろしてきた。砕蜂はハッと雀蜂の装甲部分を左腕で支えるように腕をクロスして受け止める。その隙にがら空きとなってしまった胴体を狙われ、ジオの蹴りが砕蜂の左脇腹にきまり、蹴り飛ばされた砕蜂は建物に激突してしまった。
ジ「さて…そろそろ攻撃が決まってきたようだなぁ」
砕蜂は起き上がってジオを睨めつける。
ジ「あんたがずっと攻撃せずにこっちの出方を伺っているのは、充分わかっていたさ。それはあんたの中でまだ俺の攻撃を受け止めるだけの余裕があるからってのもなァ」
砕「……」
ジ「でも、残念ながらこっちはまだこれだけじゃない。その余裕を早めに捨て去っちまった方が、そっちのためだと思うけどねぇ?」
砕「…面白い」
ニルゲと決着をつけた大前田は鉄球を手元に戻し、右肩へと担ぐ。それはそのまま形を無くしていき、大前田の左腰に携えていた鞘へ刀の形に戻った五形頭を収めた。
その後、勝利した事で調子に乗り、ニルゲに暴言のような事を吐きまくっていた大前田に気絶しきっていなかったニルゲに鼻を掴まれたのだが、そのニルゲの頭部に何かが当たり、その衝撃でニルゲは倒れ、大前田は放り出される。大前田は戸惑った様子で飛んできた何かを見た。
大「な…!
た…隊長……!?」
砕「…く……」
飛んできた何かは砕蜂。苦しげに表情を歪めた砕蜂をジオは見下ろして嘲笑う。砕蜂はジオを強く睨みつけた。
再び戦闘に入った砕蜂とジオを大前田は呆然と見つめる。
大「う…うおおおお〜〜〜…
な…何て野郎だ…。隊長の動きについてってやがる……。隊長と対等にやりあってやがる……!
…………。…いや…。本当に…〝対等〟か………!?」
大前田は砕蜂とジオの攻防に戸惑っていた。
ジ「武器が似ていて良かったな!馴れた戦法で戦うことができる!力の全てを出し切れる!つまり…
あんたは全力を出し切ってもこの程度だって事なんだよ!!」
ジオに蹴り飛ばされた砕蜂は再び建物に激突してしまった。
大「…やっぱりだ…。隊長が押されてやがる…!芝居か……?
いや…あのプライドの高けえ隊長が…芝居とは言え負けるフリなんかするワケねえ……」
大前田は思わず息を飲んだ。
外壁に衝突した砕蜂はすぐにジオが鋭い牙を飛ばし砕蜂の死覇装の袖を縫い止めた事で動けなくなってしまう。
砕「ちッ!」
ジ「さっきとは逆だな、二番隊隊長
そういえば、俺の名前は教えたけど、あんたの名前は訊くヒマなかったな。
…まあ、どっちでもいいか」
ジオは縫い止めた砕蜂に向かっていく。右腕の刃を突き出した先には大前田が始解した五形頭の鉄球を盾に砕蜂を庇っていた。ジオの刃で鉄球にはヒビが入る。
砕「!!」
ジ「何だお前?ジャマだ。急に出てくんなよ」
大前田はジオを抱き竦めて捕まえる。
大「よし!!!
やりましたよ、隊長!つかまえた!!
げへへへ!動けねーだろ、このチビ!!ホラ隊長!今のうちに!!」
ジ「…
ジオは大前田に抱き竦められたまま左手にエネルギーを収束し、虚閃を放とうとする。
大「!!!」
ジ「消し飛べ」
ジオが虚閃を放とうとしたその時、ジオの顔を砕蜂が蹴り飛ばした。
砕蜂は大前田の斜め前に着地する。
砕「…ちっ
…誰が助けに来いと言った。私は一度、破面の帰刃の力というものを見ておきたかったのだ。続く
…まあ良い。もう充分底が知れた」
大「そんな言い方なくねえっスか!?
オレぁ隊長がやられてんじゃねえかって心配して助けに行ったんスよ!?それを何スか〝誰が助けに来いと言った〟って!!余計なことしやがってみてーな言い方して!!」
砕「…耳をかせ、大前田」
大「?何スか?」
砕蜂の言葉に素直に耳を向ける大前田。近づいた大前田の顔面に砕蜂は容赦なく裏拳を入れた。
砕蜂に顔面を殴られ、大前田は後方へ転がる。
砕「…馬鹿が。大方私が負けたら次は自分が危ないと思って助けに来たのだろう。どうだ、図星か。
大体、仮に私がやられていたとして、助けに来いなどと私が教えたか?
教えた筈だ。仲間がやられたら好機と思え。間に入るな。後ろから刺せ。
それすらできぬ程、敵との力量が隔っているならその場で仲間は見殺しにしろ。
それが、隠密機動だ」
砂煙の中からジオが姿を現す。
砕「待たせたな、破面。見せてやるぞ。貴様が〝この程度〟と言っていた〝隠密機動の戦い〟を。本物の暗殺を」
ジオは顔に付着した血を拭う。
砕「…いや、貴様程度では〝見る〟ことはできんかも知れんな」
ジ「なめるな!!!」
砕蜂の言葉に怒り叫んだジオの姿が徐々に巨体へと変化していく。
ジ「お前こそ俺の力を見縊んなよ!!本当の力を見せてやるのは俺の方だ!!
見ろ!!!これが
そう言い切ったジオだったが、いつの間にか砕蜂がジオの背後に背中を向けて立っており、ジオの背中からは血が出ていた。
砕「済まんな」
ジオの右胸と右背には雀蜂による蜂紋華。
砕「〝弐撃決殺〟と言ったが、一撃にしか感じなかっただろう」
ジオは背中越しに砕蜂を見る。
ジ「…ち…くしょう……」
ジオは蜂紋華によって消滅した。
大前田は砕蜂に駆け寄った。
大「いよッしゃあ────!!!
イヤイヤ、やったじゃないスか、隊長!
つーか、アレ?「雀蜂」って同じトコに二撃じゃなくても効果あるんスね!」
砕「同じだ」
大「え!?」
砕「胸側と背側から奴の右肺の同じ箇所に二撃を与えた。狙ったのは最初から傷口ではなく臓腑だ。
そんな事より、余り余計な事を喋るな、大前田」
砕蜂と大前田の前には老人の姿をした十刃。
砕「真打ちだ。手の内を悟らせる言葉は吐くな」