柱防衛戦
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金盞花
アビラマの翼のうちの1枚がどんどん沈んでいき、ビルの一角を倒壊させた。
ア「…ぐ…くそ…っ
何だ…翼が急に…」
吉「斬りつけたものの重さを倍にする。二度斬れば更に倍、三度斬ればそのまた倍。
それが僕の斬魄刀『侘助』の能力」
アビラマが吉良に向かって突っ込んできた時──
吉「面を上げろ『侘助』」
吉良は己の斬魄刀を始解させていた。
吉「今の打撃の瞬間に、打撃した翼のほぼ全ての羽根を四度斬りつけた。
君の翼が本当に岩より重い翼なら、とうに飛べる重さじゃあ無い」
ア「小細工しやがって汚ねえ野郎だ…。それが戦士の戦いかよ…!?」
吉「汚い?…ああ、そうか。君は確か戦いの前に互いを鼓舞する叫びというのを上げていたね。それが戦士の振る舞いだと言うなら、全く僕には理解の外だ。
三番隊の隊花は〝金盞花〟。花の持つ意味は〝絶望〟。それは即ち、三番隊の矜恃だ。
戦いは英雄的であってはならない。戦いは爽快なものであってはならない。戦いとは絶望に満ち、暗く、恐ろしく、陰惨なものでなくてはならない。それでこそ人は戦いを恐れ、戦いを避ける道を選択する。
僕の斬魄刀・侘助は、全ての斬魄刀の中で最もその三番隊の考えに即した刀だと僕は思っている。斬りつけたものの重さを増やし続け、斬られた相手は重みに耐えかね地に這いつくばる。そして必ず、詫びるかの様に頭 を差し出す。故に『侘助』」
吉良は話しながら徐々に動けずにいるアビラマへと近づいていた足を、アビラマが笑いだした事で止める。
吉「…?何がおかしい?」
ア「何が絶望だ。戦いを恐れ、戦いを避けるだと?てめえの言葉をそのまま返してやる。それこそ俺には理解の外だ!」
そう叫んだアビラマは霊圧を上げていく。そして、翼の重みで動けずにいるはずのアビラマがその場に立つ。
ア「戦いとは…己を鼓舞して…相手をぶちのめす…爽快なモンなんだよ!!」
アビラマの気迫を受け、吉良は侘助を構え直す。
ア「この程度で、俺は倒せねえ!最後に頭を差し出して詫びるのは、俺じゃねえ。てめえだァ!!
『餓翼連砲 』!!!」
アビラマは再び翼の羽根を吉良に撃ち込む。アビラマは勢いのまま吉良に向けて一点集中の攻撃をしていき、その場に砂煙が舞い、辺りが見えづらくなる。
そして攻撃を止めたアビラマは、吉良が自身の背後に回っている事に気づいた。
吉良は再びアビラマの翼を侘助で斬りつける。すると、アビラマの翼はさらに重さを増し、アビラマは地に這いつくばる。
ア「何故…」
吉「片方の翼を封じられた時点で、君の負けは決まっていた。いくら立ち上がって戦おうとも、這いずる鳥などただの餌だ。
その妙な形の刃で一体何を斬るのか、と訊いたね」
吉良は侘助を逆手に持ち、刃をアビラマの首に通す。
ア「まっ…待ってくれ…!」
吉「戦士が、命乞いをするものじゃあ無いよ」
吉良はそう言うと侘助を持つ手を引いた。アビラマの首は斬り落とされ、吉良は勝利した。正しく、三番隊の矜恃の様に陰惨な勝利であった。
吉良は逆手から持ち替えると同時に血を払い、始解を解く。
吉「さようなら、空の戦士。できれば僕を───許さないでほしい」
その場に斬魄刀を鞘に収める乾いた音だけが鳴り響いた。
─────────────────────────
『………吉良副隊長が破面の1人に勝利した。柱は防衛された。あとは檜佐木副隊長と斑目のみだ。
(吉良副隊長…いざと言う時には流石と言わざるを得ないな、やっぱり)』
ギ「イヅルのやつ、成長したみたいやねぇ。隊長として嬉しいわ」
乱「あんたも大概、副官贔屓よね」
─────────────────────────
一方、フィンドールと戦っていた檜佐木は、自身の仮面を砕いて強さを副隊長クラスまで上げたフィンドールに防戦する一方だった。
フ「どうした、副隊長?随分消耗しているな?副隊長同士 の戦いでこうも一方だけが消耗するものなのか?」
腕を掴まれたままだった檜佐木はフィンドールに投げ飛ばされる。そして、フィンドールの放った虚弾 が直撃する。檜佐木は鉄橋の上で体勢と呼吸を整える。
何かに気づいた檜佐木が顔を向けた方向に、フィンドールが響転で姿を現す。
フ「これは一体どういうことだろうな?副隊長相当の能力となったこの俺と戦って、君1人だけが消耗する。これはどういうことだと思う?」
檜「…うるせえ奴だ。
俺の力が副隊長には足りねえって言いてえのか?」
フ「正解 !流石は副隊長だ。俺が君ら護廷隊の力を測り損ねていないとすれば、まさしくそういうことになる」
檜「…副隊長って呼ぶんじゃねえよ…。檜佐木修兵だ。…最初に名乗っただろうが」
フ「これは失礼。うっかりしていたよ。そもそも君1人に名乗らせるというのが礼儀に反していたね。名乗っておくよ。
バラガン陛下の従属官 、フィンドール・キャリアスだ」
アビラマの翼のうちの1枚がどんどん沈んでいき、ビルの一角を倒壊させた。
ア「…ぐ…くそ…っ
何だ…翼が急に…」
吉「斬りつけたものの重さを倍にする。二度斬れば更に倍、三度斬ればそのまた倍。
それが僕の斬魄刀『侘助』の能力」
アビラマが吉良に向かって突っ込んできた時──
吉「面を上げろ『侘助』」
吉良は己の斬魄刀を始解させていた。
吉「今の打撃の瞬間に、打撃した翼のほぼ全ての羽根を四度斬りつけた。
君の翼が本当に岩より重い翼なら、とうに飛べる重さじゃあ無い」
ア「小細工しやがって汚ねえ野郎だ…。それが戦士の戦いかよ…!?」
吉「汚い?…ああ、そうか。君は確か戦いの前に互いを鼓舞する叫びというのを上げていたね。それが戦士の振る舞いだと言うなら、全く僕には理解の外だ。
三番隊の隊花は〝金盞花〟。花の持つ意味は〝絶望〟。それは即ち、三番隊の矜恃だ。
戦いは英雄的であってはならない。戦いは爽快なものであってはならない。戦いとは絶望に満ち、暗く、恐ろしく、陰惨なものでなくてはならない。それでこそ人は戦いを恐れ、戦いを避ける道を選択する。
僕の斬魄刀・侘助は、全ての斬魄刀の中で最もその三番隊の考えに即した刀だと僕は思っている。斬りつけたものの重さを増やし続け、斬られた相手は重みに耐えかね地に這いつくばる。そして必ず、詫びるかの様に
吉良は話しながら徐々に動けずにいるアビラマへと近づいていた足を、アビラマが笑いだした事で止める。
吉「…?何がおかしい?」
ア「何が絶望だ。戦いを恐れ、戦いを避けるだと?てめえの言葉をそのまま返してやる。それこそ俺には理解の外だ!」
そう叫んだアビラマは霊圧を上げていく。そして、翼の重みで動けずにいるはずのアビラマがその場に立つ。
ア「戦いとは…己を鼓舞して…相手をぶちのめす…爽快なモンなんだよ!!」
アビラマの気迫を受け、吉良は侘助を構え直す。
ア「この程度で、俺は倒せねえ!最後に頭を差し出して詫びるのは、俺じゃねえ。てめえだァ!!
『
アビラマは再び翼の羽根を吉良に撃ち込む。アビラマは勢いのまま吉良に向けて一点集中の攻撃をしていき、その場に砂煙が舞い、辺りが見えづらくなる。
そして攻撃を止めたアビラマは、吉良が自身の背後に回っている事に気づいた。
吉良は再びアビラマの翼を侘助で斬りつける。すると、アビラマの翼はさらに重さを増し、アビラマは地に這いつくばる。
ア「何故…」
吉「片方の翼を封じられた時点で、君の負けは決まっていた。いくら立ち上がって戦おうとも、這いずる鳥などただの餌だ。
その妙な形の刃で一体何を斬るのか、と訊いたね」
吉良は侘助を逆手に持ち、刃をアビラマの首に通す。
ア「まっ…待ってくれ…!」
吉「戦士が、命乞いをするものじゃあ無いよ」
吉良はそう言うと侘助を持つ手を引いた。アビラマの首は斬り落とされ、吉良は勝利した。正しく、三番隊の矜恃の様に陰惨な勝利であった。
吉良は逆手から持ち替えると同時に血を払い、始解を解く。
吉「さようなら、空の戦士。できれば僕を───許さないでほしい」
その場に斬魄刀を鞘に収める乾いた音だけが鳴り響いた。
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『………吉良副隊長が破面の1人に勝利した。柱は防衛された。あとは檜佐木副隊長と斑目のみだ。
(吉良副隊長…いざと言う時には流石と言わざるを得ないな、やっぱり)』
ギ「イヅルのやつ、成長したみたいやねぇ。隊長として嬉しいわ」
乱「あんたも大概、副官贔屓よね」
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一方、フィンドールと戦っていた檜佐木は、自身の仮面を砕いて強さを副隊長クラスまで上げたフィンドールに防戦する一方だった。
フ「どうした、副隊長?随分消耗しているな?
腕を掴まれたままだった檜佐木はフィンドールに投げ飛ばされる。そして、フィンドールの放った
何かに気づいた檜佐木が顔を向けた方向に、フィンドールが響転で姿を現す。
フ「これは一体どういうことだろうな?副隊長相当の能力となったこの俺と戦って、君1人だけが消耗する。これはどういうことだと思う?」
檜「…うるせえ奴だ。
俺の力が副隊長には足りねえって言いてえのか?」
フ「
檜「…副隊長って呼ぶんじゃねえよ…。檜佐木修兵だ。…最初に名乗っただろうが」
フ「これは失礼。うっかりしていたよ。そもそも君1人に名乗らせるというのが礼儀に反していたね。名乗っておくよ。
バラガン陛下の