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兄の行方
虚が着地した衝撃に巻き込まれた少年達は倒れてしまっている。夏梨はそんな少年達に手を伸ばす。
夏「皆!」
冬「『待て!行くな!』」
夏「え?冬獅郎、冬華、お前らアレが見えるのか?」
冬「説明は後だ」
『とにかく逃げろ!』
夏「ダメだ!友達があんな目に遭って、黙ってられっか!」
冬「『あ、おい!』」
夏梨は近くに転がっていたサッカーボールの方に駆け出し、そのサッカーボールを虚に向かって蹴る。しかし、当然ながら虚には効かない。
夏「効いてないのか?!」
虚は夏梨に向かって拳を振り下ろし、地面が凹み砂埃が舞う。しかし夏梨にはダメージがなく、反射で閉じてしまっていた目を開けるとそこには死神の姿の冬獅郎と冬華がそれぞれ氷輪丸と水華の切先で振り下ろされた虚の拳を受け止めていた。
夏「(一兄と同じ、黒い着物……死神…)」
冬「──霜天に坐せ『氷輪丸』!」
『漂え『水華』!』
冬獅郎が始解をすると空が曇っていき、そして冬獅郎と冬華の霊圧が上がり、溢れる。それに虚が怯み身を離した所を冬獅郎が柄尻の鎖を虚の左腕に巻き付けると虚の左腕が凍り付き、冬獅郎が鎖を引っ張ると虚の凍り付いた左腕は鈍い音を立てて血切れ、虚は痛みに悶える。
『陰蝶氷結』
冬華が刀身が水と化した斬魄刀を横にひと振りするとその水平線上に無数の水の蝶が現れ、虚に向かって舞っていき触れた虚の右腕全体が凍り付く。そして、右腕の付け根の辺りまで水を操り、冬華が柄をひと振りすると冬華の操った水によりそこが斬れ、虚の右腕も斬り落とされた。
冬「残念だったな。現世に隊長の俺と冬華が居たばかりにてめえらは何もできねえ」
すると虚は屈めていた上体を起こし口を大きく開け、そこに霊力を圧縮していく。
『虚閃 か』
冬獅郎は跳躍する。
冬「遅せぇ!!」
虚は虚閃を放つ前に冬獅郎に斬られ、凍り付き砕け散った。
夏「すっげぇ…」
冬獅郎と冬華は始解を解き、それぞれの斬魄刀を鞘に収める。空を覆っていた黒い雲が晴れると空はすでに橙色になっていた。
冬獅郎と冬華は座ったままの夏梨に歩み寄る。
冬「『大丈夫か?』」
2人はそう問い、冬獅郎は夏梨に右手を差し出す。
夏「ああ…」
夏梨は冬獅郎の差し出された右手を取る。
夏「あ!皆は?」
夏梨と冬獅郎、冬華は倒れている少年達の方を見るがすでに少年達は上体を起こし始めていた。
冬「『大丈夫だ』」
夏「良かった…」
冬獅郎は夏梨を引っ張りあげ、夏梨は冬獅郎の力も借りながら立ち上がる。
夏「冬獅郎…冬華…あんた達、その格好…」
冬「強い霊力を持っているようだが…」
『まさか私達の姿まで見えるとはな』
すると夏梨が冬獅郎と冬華に詰め寄る。
夏「なあ!あんた達、一兄の居場所知らないか?!その格好、死神だろ!?」
冬「『!?』
…なぜ死神の事を知っている」
夏「あたしの兄貴も死神なんだ…。名前は、黒崎一護」
冬「『!黒崎!?』…そうか。お前、黒崎一護の妹か。道理で……」
『(そりゃあ強い霊力を持ってるはずだな)』
冬「…いや、悪いが居場所までは知らねえ」
冬獅郎の応えに夏梨は落胆した様子で「そうか…」と零す。
冬「ただ…黒崎は強くなろうとしている。お前と同じだ」
『どんな事になっても最後まで諦めない。そういう奴だ、あいつは』
冬「心配するな。お前の兄貴だろ?」
夏「…そうだな」
3人がそう話していると、冬獅郎と冬華を呼ぶ声が聞こえる。
乱「たーいちょー!冬華ー!ご無事でー!」
声がした方を見れば、死神姿の乱菊が駆け寄ってきていた。
夏「あの人も死神?」
冬「ああ。俺の部下だ」
『ついでに一応私の上司だ』
夏「へー、部下が居るんだ」
冬「まあな。遅せぇぞ、松本!」
乱「申し訳ありません!」
乱菊は姿勢を正して謝るが傍に居た夏梨に気が付く。
乱「あれ?隊長、この子…」
冬「黒崎一護の妹だ」
乱「一護の?!」
夏「どうも…」
乱「あたしは松本乱菊。日番谷隊長の下 で副隊長をしているの。それと、三席である冬華の上司でもあるのよ」
夏「へー!本当に偉いんだ!カッコイイな、冬獅郎!小学生なのにな、おい!」
夏梨はそう言いながら冬獅郎の頭に手をやる。冬獅郎は「小学生」という単語にカチンとする。
冬「小学生って…」
そんな冬獅郎に夏梨は不思議そうな顔をする。そして乱菊は吹き出し、笑い出す。
『おい、乱菊…』
冬獅郎は頭に乗せられた夏梨の手を払う。
冬「いつまで勘違いしてりゃあ気が済むんだ!俺は小学生じゃねぇ──!!」
夕暮れ時の空座町に怒りが爆発した冬獅郎の声が響いた。
虚が着地した衝撃に巻き込まれた少年達は倒れてしまっている。夏梨はそんな少年達に手を伸ばす。
夏「皆!」
冬「『待て!行くな!』」
夏「え?冬獅郎、冬華、お前らアレが見えるのか?」
冬「説明は後だ」
『とにかく逃げろ!』
夏「ダメだ!友達があんな目に遭って、黙ってられっか!」
冬「『あ、おい!』」
夏梨は近くに転がっていたサッカーボールの方に駆け出し、そのサッカーボールを虚に向かって蹴る。しかし、当然ながら虚には効かない。
夏「効いてないのか?!」
虚は夏梨に向かって拳を振り下ろし、地面が凹み砂埃が舞う。しかし夏梨にはダメージがなく、反射で閉じてしまっていた目を開けるとそこには死神の姿の冬獅郎と冬華がそれぞれ氷輪丸と水華の切先で振り下ろされた虚の拳を受け止めていた。
夏「(一兄と同じ、黒い着物……死神…)」
冬「──霜天に坐せ『氷輪丸』!」
『漂え『水華』!』
冬獅郎が始解をすると空が曇っていき、そして冬獅郎と冬華の霊圧が上がり、溢れる。それに虚が怯み身を離した所を冬獅郎が柄尻の鎖を虚の左腕に巻き付けると虚の左腕が凍り付き、冬獅郎が鎖を引っ張ると虚の凍り付いた左腕は鈍い音を立てて血切れ、虚は痛みに悶える。
『陰蝶氷結』
冬華が刀身が水と化した斬魄刀を横にひと振りするとその水平線上に無数の水の蝶が現れ、虚に向かって舞っていき触れた虚の右腕全体が凍り付く。そして、右腕の付け根の辺りまで水を操り、冬華が柄をひと振りすると冬華の操った水によりそこが斬れ、虚の右腕も斬り落とされた。
冬「残念だったな。現世に隊長の俺と冬華が居たばかりにてめえらは何もできねえ」
すると虚は屈めていた上体を起こし口を大きく開け、そこに霊力を圧縮していく。
『
冬獅郎は跳躍する。
冬「遅せぇ!!」
虚は虚閃を放つ前に冬獅郎に斬られ、凍り付き砕け散った。
夏「すっげぇ…」
冬獅郎と冬華は始解を解き、それぞれの斬魄刀を鞘に収める。空を覆っていた黒い雲が晴れると空はすでに橙色になっていた。
冬獅郎と冬華は座ったままの夏梨に歩み寄る。
冬「『大丈夫か?』」
2人はそう問い、冬獅郎は夏梨に右手を差し出す。
夏「ああ…」
夏梨は冬獅郎の差し出された右手を取る。
夏「あ!皆は?」
夏梨と冬獅郎、冬華は倒れている少年達の方を見るがすでに少年達は上体を起こし始めていた。
冬「『大丈夫だ』」
夏「良かった…」
冬獅郎は夏梨を引っ張りあげ、夏梨は冬獅郎の力も借りながら立ち上がる。
夏「冬獅郎…冬華…あんた達、その格好…」
冬「強い霊力を持っているようだが…」
『まさか私達の姿まで見えるとはな』
すると夏梨が冬獅郎と冬華に詰め寄る。
夏「なあ!あんた達、一兄の居場所知らないか?!その格好、死神だろ!?」
冬「『!?』
…なぜ死神の事を知っている」
夏「あたしの兄貴も死神なんだ…。名前は、黒崎一護」
冬「『!黒崎!?』…そうか。お前、黒崎一護の妹か。道理で……」
『(そりゃあ強い霊力を持ってるはずだな)』
冬「…いや、悪いが居場所までは知らねえ」
冬獅郎の応えに夏梨は落胆した様子で「そうか…」と零す。
冬「ただ…黒崎は強くなろうとしている。お前と同じだ」
『どんな事になっても最後まで諦めない。そういう奴だ、あいつは』
冬「心配するな。お前の兄貴だろ?」
夏「…そうだな」
3人がそう話していると、冬獅郎と冬華を呼ぶ声が聞こえる。
乱「たーいちょー!冬華ー!ご無事でー!」
声がした方を見れば、死神姿の乱菊が駆け寄ってきていた。
夏「あの人も死神?」
冬「ああ。俺の部下だ」
『ついでに一応私の上司だ』
夏「へー、部下が居るんだ」
冬「まあな。遅せぇぞ、松本!」
乱「申し訳ありません!」
乱菊は姿勢を正して謝るが傍に居た夏梨に気が付く。
乱「あれ?隊長、この子…」
冬「黒崎一護の妹だ」
乱「一護の?!」
夏「どうも…」
乱「あたしは松本乱菊。日番谷隊長の
夏「へー!本当に偉いんだ!カッコイイな、冬獅郎!小学生なのにな、おい!」
夏梨はそう言いながら冬獅郎の頭に手をやる。冬獅郎は「小学生」という単語にカチンとする。
冬「小学生って…」
そんな冬獅郎に夏梨は不思議そうな顔をする。そして乱菊は吹き出し、笑い出す。
『おい、乱菊…』
冬獅郎は頭に乗せられた夏梨の手を払う。
冬「いつまで勘違いしてりゃあ気が済むんだ!俺は小学生じゃねぇ──!!」
夕暮れ時の空座町に怒りが爆発した冬獅郎の声が響いた。