ペイン襲来

それからカカシ達がうちはのアジトを訪れたが、そこには既にカカシ達以外の姿はなかった。トビとゼツに関しては、イタチとサスケの姿がないことを不審に思っていたが木ノ葉の者達が来ることを察知した為、取り敢えずはその場を去っていた。
そこに突如としてアカネがカカシの傍に現れる。

カ「アカネ…」
『任務完了です。今はイズミさんと共に木ノ葉に…』
カ「そうか…良かったよ…」
『では、私は先に戻ります』

アカネは最後にカカシに頭を下げると避雷針の術を使ってこの場を去り、木ノ葉に戻った。
それからその数日後にやっとカカシ達も木ノ葉に戻ってきた。しかしカカシやナルト達が戻るまでの間に新たに〝六尾〟が捕らわれてしまったのだが、悲報ばかりではない。
アカネは綱手から自来也が目を覚ました事を報され生家にて受け取り、安堵した。そして、自来也は木ノ葉病院での療養が続くが、フカサクの提案でナルトは妙木山へと仙人修業の為に向かっていった。
だが、それは突然に訪れる。里がペイン達による襲撃を受けたのだ。アカネは生家を出て、火影室へと駆ける。

『綱手様！！』

アカネはバンッ！と大きな音を立てながら火影室の扉を開け放つ。

『綱手様、2人の戦闘許可を！！彼等2人の目は既に互いに馴染んでいます！』
綱「……うちはイタチ、うちはサスケ両名の戦闘を許可する！」
『はっ！』

アカネは綱手からの戦闘許可を口寄せした鴉にイタチとサスケに伝えるよう指示し、鴉は飛び去っていく。鴉が2人に伝えに行った間にもアカネは破壊され、瓦礫だらけの里を駆け回る。

イ「アカネ！」
『イタチさん！サスケ！』

アカネの元にイタチとサスケが現れる。アカネはそのまま2人と共に駆け続ける。

イ「アカネ、イズミは…？」
『イズミさんなら紅葉一族の敷地の方に居るとは思いますけど…』
イ「そうか…」
サ「それより…何だこの状況は。何があった？」
『〝暁〟よ。狙いはもしかしなくても、ナルト……というよりその中の〝九尾〟でしょうね…』
サ「………」

それから怪我人を見つければできる限り治療し、口寄せした人が乗れるくらいのサイズがある鳥に乗せ、木ノ葉病院へと運ぶという作業を2人と共に繰り返していたのだが、アカネは何か異変を感じた。

『…？』
イ「アカネ、どうかしたのか？」
『…何かが来る…！』
サ「……？」

アカネがそう言ったのが先か否か、次にアカネ達が目にした時には木ノ葉は原型を留めることなく破壊し尽くされていた。

『これは…』
ｲ･ｻ「………」

アカネ達はこの惨状に言葉をなくす。

サ「どうなっている…?!」
イ「アカネ、白眼で里をある程度見てくれないか？」
『…はい。
──白眼！！』

アカネは白眼を開眼させ、里を見ることのできる範囲内で見回す。

『───……っ！』
イ「アカネ…？」
『里のほとんどの者は無事です。私達のようにカツユ様が皆を包み込み助けてくださったみたいです……』

アカネは暗い顔でそうイタチに伝える。イタチはそんな様子を見せるアカネに問いかける。

イ「他に何かあったのか…？」
サ「……」
『か…カカシ…先輩が……戦死…しました……』
ｲ･ｻ「！！？」
イ「カカシさんが…？！」

アカネは小さく頷く。

『……里を見回した時にチョウジとチョウザさんを見つけて…2人のチャクラは感じられました…。でも…そのそばに横たわっていたカカシ先輩のチャクラだけは…感じ取れなくて……』
イ「そうか……」
サ「………」
『…今はナルトが妙木山から戻り、ペインと交戦中みたいです。誰も手は出すな、と…』

そして、アカネ達は暫く進みサクラと日向一族の男を見つける。傍にはガマ吉と普段の姿からはかけ離れた姿となってしまっている綱手と暗部も居た。