うちはの真実

カカシ達一行が里に着いたのはその日の夕方だった。そこで、アカネがカカシに声をかける。

『カカシ先輩、綱手様への報告完了後にお話したいことがあるんですが…』
カ「わかった」

それから綱手への任務報告を終え、アカネ、カカシ、そしてヤマトの3人は紅葉一族の敷地内にあるアカネの生家に来た。

『お母様、ただいま戻りました』

アカネの母・アキナがアカネ達を迎える。

ｱｷ「おかえり、アカネ。ヤマト君も」
ヤ「あ、はい。ただいま戻りました」
カ「お邪魔します」
ｱｷ「あら、カカシ君。いらっしゃい、さあ上がって」

アカネの母・アキナは今は結婚を機に忍を引退したが元々、上忍にまで上り詰め少なからずカカシとも任務を共にした事があった。ちなみに、アカネの父・マサトは現役の上忍である。

『お母様、あの人は居ますか？』
ｱｷ「ええ、居るわよ。今呼んでくるわね」

そう言ったアキナは廊下へと姿を消す。アカネ達は居間へと移動し、そして丁度いいタイミングでアキナが1人の女性を連れて戻ってきた。その女性は茶髪を腰より上まで伸ばし、黒い瞳を持ち、右目の右下の黒子が特徴的だった。
それからアキナはその女性だけを残し、お茶を汲みに台所へ消える。

カ「それで、話ってのは？それにその人は…」
『まずは、彼女の事から…。彼女はうちはイズミ。うちは一族の1人であり、私が密かに保護しているうちはの生き残りで、この事はダンゾウは知らずに綱手様だけが知っています。あとうちの一族も。そして、彼女はイタチさんの恋人でもあります』
カ「な…！？…うちは一族の生き残りはサスケだけじゃなかったのか…？」
『それについては……幻術で見てもらった方が早いですね…。カカシ先輩、呉々も幻術返しはしないで下さいね？』
カ「…ああ」
『では、私の目を見ていてください』

アカネが1度目を閉じ、もう1度開けるとその瞳は紅色に染まっていた。

『(───写輪眼！！)』

アカネは当時の事を全て幻術にしてカカシに見せた。
うちは一族がクーデターを企んでいた事。
イタチがうちは一族を抹殺したのは木の葉から命ぜられた任務であり、木の葉の里の平和、世界の平和のための苦渋の選択の末だった事。
それを知るのは当時木の葉上層部の三代目火影、ダンゾウ、相談役のホムラとコハル、そしてアカネから伝えられた綱手である事。
イズミの事をイタチ自身から頼まれた事など、全てをカカシに見せた。
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そして、カカシが幻術から覚める。その時間は1分にも満たなかったが、カカシにとっては1分よりも遥かに長く感じていた。

カ「───…そういう事だったか…。見せてくれてありがとうな、アカネ。…だが、なんで今その事を？」
『イタチさんから彼の口寄せの鴉が飛ばされてきたんです。〝近いうちにサスケと交戦することになるだろう〟…と』
ヤ「………」
『この事はダンゾウの耳に入らないように綱手様には伝えてあり、既にイタチさんへ木ノ葉への帰還命令が下されています。
サスケに関しても事情が事情な為、念の為サスケにもイタチさん同様、帰還命令が出されています。
それからの事は全て、私に一任されています。それらの事をサスケの担当上忍であるカカシ先輩にも伝えておけと綱手様が…』
カ「……そうか、わかった。その時になったらオレもできる限りの事は協力するよ」
『ありがとうございます』

アカネがそこまで話終えると、カカシはヤマトへと視線を流す。