再編成、そして帰還

しばらく進んだ時、カカシは何かに気が付くと右手を上げ、停止の合図を出す。ヤマトとアカネを始め、ナルト達もカカシの後方で停止する。

ヤ「カカシ先輩…！」
カ「煙幕か…待ち伏せてるな。ここで時間をくえば、湖で何が起きているのか探れなくなる可能性もある。2手に別れるか…
ナルト、お前は別行動だ」
ナ「えっ？オレってば、戦えないのか？」
カ「湖を探る方が重要だ」
ナ「…そうだった」
カ「オレ達が陽動している間に湖の中心に向かえ。だが、戦闘は禁止だ」
ナ「ああ、わかった！」

ナルトは跳躍し、移動していく。

ヤ「大丈夫ですか？ナルト1人で…」
カ「少しは信用してやろうじゃない
(生き残る事に関して、ナルトより勝負強い奴は居ない。頼むぞ、ナルト。なんだってお前は、木ノ葉の意外性No.1忍者なんだからな)」

そして、煙幕の中に人の影が降り立つ。

ｼﾉ「反応がない。誰も居ないようだ」
カ「…行くぞ！」

カカシの合図で一同は跳躍し、煙幕の中に飛び込む。一同は円陣に降り立ち、最初に降り立った人影は蟲に戻りシノの元に戻った。

キ「くそっ！なんも見えねぇ」
カ「………」
ヤ「逃げたんでしょうか？」
カ「時間稼ぎかもしれん…油断するな！アカネ、確認を頼む」
『了解
(───白眼！！)」

白眼を発動したアカネは暫く辺りを透視で探るがその後すぐに白眼を仕舞う。

『…ダメです。近くには居ないのか姿を捉えられませんでした。どこに潜んでいるのか…油断できませんね』
カ「そうか…」

暫くすると、何か大きな生物の鳴き声みたいなものがカカシ達の元まで響いてくる。

『…！？これは…』
カ「何だ…？」
『(───…〝三尾〟の…鳴き声……)』

それから皆は未だに姿を現さない敵に対して警戒している。その時、聞き覚えのある声が聞こえた。

？「上です！気をつけて！！」

その声に上を見ると、敵の4人が上から降りてきていた。そのまま攻撃してくる敵をサクラとサイが2人ずつ蹴り飛ばす。敵は着地するとそれぞれ別の方向へと散り、サクラとサイもカカシ達の前に着地する。

ｻｸ「カカシ先生！」

サクラはカカシに駆け寄っていく。

カ「サクラ、サイ、助かったぞ」

そして、先程敵の位置を知らせた声の主であるヒナタも班員のキバとシノの元に駆け寄っていた。

キ「ヒナタ！お前、もういいのかよ？」
ヒ「うん」
ｼﾉ「それにしてもよく…」

シノはそこまで言い欠けるが、ヒナタの目を見れば納得する。

ｼﾉ「そうか…白眼か」

それから一同は色々ありはしたがナルトとも合流し、ヤマトが木遁で創り出した二階建ての家で綱手の命で派遣されて来たシズネ、いの、テンテン、リーを加え新たな班編成を組む。

ｼｽﾞ「ではこれより、綱手さまの指令により今後の作戦と班編成の変更を伝えます。大蛇丸のアジト探索及びその援護の任務は、現時点をもって終了とする。サクラ、ヒナタ、いの、あなた達は私の指令下に」
ｻｸ･ﾋ「はい！」
い「はい！」
ｼｽﾞ「あとの人は、改めてカカシさんの指令の下（もと）に入る事になるわ」
カ「うん。綱手様からの新たな任務は尾獣・〝三尾〟の封印。そして、何らかの形で尾獣とか変わっていると思われる子供を敵から保護する事だ」

カカシの言葉にナルトは表情を明るくする。

カ「尾獣を追っているのは〝暁〟だけではない。〝人柱力〟の居ない尾獣が出現したとなれば、各国こぞってその捕獲に乗り出すだろうからな」
ｻｲ「その子、〝人柱力〟にする為に連れてこられたんだね？ナルト」
ナ「？」
ｻｸ「サイ…！」
ｻｲ「ああ…ナルトも〝人柱力〟でしたね」
ナ「おめえってば、相変わらず空気読めねえ奴だな。…だけど、言ってる事はその通りだ。〝三尾〟の封印もあの子を保護すんのも…オレや我愛羅みてえなのを出さない為の作戦。…そうだろ？シズネの姉ちゃん」
ｼｽﾞ「ええ…その通りよ。〝三尾〟の保護が目的じゃない。封印して誰も手の出せない空間へと消えてもらう。それが綱手様、火影の一考よ」

それから、暫くした後に新たな班編成に散らばると翌日に3班はそれぞれの任についた。
そしてその結果は、カカシ達一行が綱手の命により任務中断及び里への帰還を言い渡され、〝三尾〟の封印は失敗してしまったが、里へと戻った。しかし、カカシ達が里へ帰還するためにその地を去った後、〝暁〟のデイダラとトビの2人により、〝三尾〟が捕獲されてしまった事は誰にも知る術（すべ）はなかった。