アジト探索任務

そして時は過ぎ、夜となる。アカネ達は人型の焼跡を囲んでいた。

カ「これが、情報を寄越した暗部の…」

キバがカカシの右肩に手を置く。

カ「どうした？何か感じたのか？」
キ「感じるなんてもんじゃねえよな、赤丸？」
赤「ワン！！」
キ「死臭だ…。この先にかなりの数の死体があるぜ」
カ「オレの鼻も結構効くつもりなんだけどねぇ…。…どっちだ？」

カカシは立ち上がり、キバは赤丸に乗る。

キ「こっちだ！」

キバと赤丸が先行して飛び上がり、カカシとアカネ、シノ、ヒナタも後に続く。
そして、キバの先行で洞窟の前まで来た。シノが飛ばした寄壊蟲がシノの元に戻ってくる。シノは頷く。

カ「慎重に行くぞ」

アカネ達は洞窟の入口の周りを囲むような配置に着く。そして、カカシの合図で皆が中に入る。
アカネ達が降り立った目先に人が立っていた。その人物には体中に特徴的な模様が浮かび上がっていた。

カ「『これは…！』」

特徴的な模様は一点方向に消えていき、特徴的な模様が浮かび上がっていた人物は｢助けて…｣と言いながら倒れる。

キ「呪印だ！こいつ…大蛇丸の呪印を受けたんだ」

キバの言うように倒れた人の体に浮かび上がっていた特徴的な模様は呪印のそれだった。

カ「ここが大蛇丸のアジトである事はまず間違いないだろう。だが…一体何があったんだ…？」
ヒ「消え入りそうなチャクラが…1つ…2つ…大勢いるわ…！」

ヒナタが白眼で洞窟の奥の事を知らせる。

キ「行くぜ、カカシ先生！アカネさん！」
ｼﾉ「時を無駄にすべきではない」

シノが大量の寄壊蟲を放つ。その寄壊蟲は洞窟の奥に進んでいく。

『トラップに警戒してよ』
カ「行くぞ！」

アカネ達も洞窟の奥へと進んでいく。そして、その奥に広がった光景にアカネとカカシ以外は絶句した。
そこには多くの死体と辛うじて息のある者がいた。

ヒ「酷い…！」
キ「何だこりゃ…」
ｼﾉ「状況から見て、お互い殺りあったようだな」
キ「仲間割れか？」
カ「それは連中から聞いてみるとするか」

カカシは足を進める。アカネもそれについて行く。その時、赤丸が上を向いて吠える。その直後、地響きのような音も聞こえ始め、カカシとアカネはハッとしたように上を見る。そこからは大きな岩が複数落ちてきていた。

『！』
カ「しまった…！」

それに伴い洞窟も崩れていく。

『すみません。こういう場合を想定して離れた位置にでもマーキングを施しておくべきでした…』
カ「いや…オレも想定していなかったからな…。お前が気にする事じゃない。だが、赤丸が脱出路を見つけてくれなければ危なかった」

一行は洞窟が崩れ、勢いよく流れる水の中の岩の上に避難していた。

赤「ワン！！」
キ「へへ…良くやったぞ、赤丸！だが、罠を張ってやがったとはな」
ｼﾉ「そうとは思えないな」
キ「ん？」
ｼﾉ「オレ達の接近を敵が気づいていたとは考えられない。あのトラップは情報を残さないよう、アジトそのものを消去する為」
ヒ「まだ生きてる人もいたのに…！」
カ「ああ…酷いやり方だ」
キ「許せねえな…大蛇丸の野郎！」
赤「ワン！！」

そして、水が引いたのを見てアカネ達は話し合う事にした。