決着

ナルトは額当ての紐をきつく締め直すと前へ進み出す。

角「…
(またあのガキで来るか…。念の為、遠距離タイプに変えた方がいいな…)」

すると、角都の姿が変化した。

い「…！」
チ「うわっ…！」
ヤ「体型を変えただけじゃなくチャクラもかなり練りこんでる…」
カ「ナルトの術に対応する為だな」

ナルトは十字の印を結ぶ。

ナ「影分身の術」

ナルトは3体の影分身を出す。そしてオリジナルのナルトを含めた4人のナルトの内3人のナルトは再び螺旋手裏剣を作る。

角「(きたな…)」
ナ「できたァ！」

4人のナルトは角都に向かって駆け出す。そして角都もナルトに向かって駆け出す。そしてその時、角都が空中に飛び上がった。

ナ「！」

チ「とんだ！」

角「(後ろの陽動の影分身は無視だ。狙うはオリジナルただ1人。あの術さえ潰せば怖くない)」

すると角都は沢山の黒い糸の束を螺旋手裏剣をもつナルトに伸ばす。

い「ダメだ！読まれてる！」
カ「やはり遠距離攻撃か！」

黒い糸の束はナルトに迫っていきそのまま直撃する。

ヤ「『！』」
チ「ナルトォ！」

黒い糸の束に貫かれたナルト。しかしそのナルトは〝ボン〟と音を立て煙となって消える。

角「(何！？影分身だと！？)」

すると、角都の背後から螺旋手裏剣による高音が聞こえ、角都はそちらに目を向ける。そこには3人のナルトがおり、真ん中のナルトが螺旋手裏剣を構えていた。

角「！
(こいつ…陽動の中にオリジナルを！)」
ナ「当たりィィ！！」

ナルトの螺旋手裏剣が角都に直撃する。すると角都はものすごい勢いで前方に吹き飛ばされる。そして、爆風がアカネ達に襲いかかる。

ヤ「爆風がくるぞ！」
『くっ…！』

そして螺旋手裏剣を放ったナルトも2体の影分身と共に地面に落下する。影分身は地面に落下した直後に2体同時に消えた。

『！
(アレは…！なんて数の攻撃なの！？)』

アカネは爆風が襲いかかる中、白眼を発動し角都に襲いかかるナルトの放った螺旋手裏剣の攻撃を見て衝撃を受けていた。
そして、ナルトの螺旋手裏剣を受けた角都の両肩にあった仮面は割れる。
爆風が収まると皆は空中で攻撃を受けている角都を見上げる。

カ「(攻撃回数がケタ外れだ…。写輪眼でも見切れなかった)」

カカシは後ろで倒れてハアハア言っているナルトに目を向ける。

カ「(なんて術だ…)」

そして攻撃が止まったと同時に角都は地面に落下する。

チ「す…」
い「すごい…」

チョウジもいのもナルトを驚いた様子で見る。

カ「(ナルト…お前…)」

カカシも驚きで目を見開いてナルトを見る。

カ「(お前…ついに…)」

ナ「へへ、よし…やったぜ…」

いのはふとナルトを見る。ナルトは未だに地面に倒れたままだ。

い「ちょっと、あいつ倒れたままじゃない！」
チ「ナルト！」

チョウジといのはナルトの元に駆け寄っていく。そして2人はナルトを抱き起こす。

チ「ナルト、大丈夫？」
い「オッケー。チョウジ、そのまま支えて」

いのはナルトの背中に手を当てると医療忍術をかけ始める。

い「ここじゃ応急処置だけね。それにしてもまさか…あの陽動の中にオリジナルがいたとはねー」
チ「へへ…シカマルほどじゃないけど…ナルトも頭いい方なんだね」
ナ「シカマルと比べんなってばよ…」
ヤ「しかし…よく3発も作ったね新術…。修業でも2発が限界だったのに…」
カ「…
(失敗してから次を当てる為の機転の速さ…強い自信。ナルトはホントに強くなってきた。あの四代目でもなしえなかった術をここまで物にするとは…。そろそろ世代交代の時代だな、こりゃ。オレを超えやがったか…
感じてるか？ナルトの目の先にいつもいるお前が…ナルトをどんどん強くしていってるんだよ…。なぁ…サスケ)」
ヤ「先輩、そろそろ」
カ「ああ…」

いのの応急処置が済み、ナルトはチョウジの肩を借りながら立ち上がる。

チ「動けそう？」

アカネとヤマトは3人の元に歩み寄る。

ヤ「よし皆、先に木ノ葉に帰るか」
い「カカシ先生は？」
『後始末…』