帰還

火影室の扉がノックされる。

綱「入れ」
『失礼します』
綱「(…こいつは誰だ？)」

火影室に入ってきたのは、茶髪に鬱金色の瞳をしていて、首元に木ノ葉隠れの里の額当てを巻いているくノ一だった。

『噂には聞いていましたが、本当にヒルゼン様は亡くなってしまったんですね…。
そして綱手様、まさか伝説の三忍のひとりである貴女が五代目火影になるとは思いませんでした』
綱「お前の名は？」

綱手が問うと、そのくノ一は答えた。

『失礼しました…。
三代目火影・ヒルゼン様に命じられ、長期任務に就いておりました。紅葉アカネです』
綱「(紅葉…？紅葉一族の者か…)
…そうか。三代目から命じられた任務とは何だ？三代目に代わり五代目の私がその任務の報告を受けよう」

綱手がそう言うとくノ一、紅葉アカネは報告し始めた。

『私の任務は元暗部のある者とは別のルートからの〝暁〟の調査。
調査の結果、〝暁〟の狙いはやはり〝人柱力〟を攫い、その〝人柱力〟から〝尾獣〟を抜き取ること。
そして〝尾獣〟を9匹揃え、十尾を復活させること。
その他の報告は後ほど、報告書に上げさせて頂きます。それからもうひとつヒルゼン様から命じられており、任務終了後は暗部を抜け、第七班・カカシ班に就くように言われております』
綱「そうか、わかった。
(三代目はなぜアカネをカカシ班に…？)」
『綱手様、カカシ班は今は何方に？』
綱「今は〝暁〟に連れ去られた一尾の〝人柱力〟である五代目風影・我愛羅の救出任務に行っている。数日後には帰ってくるだろう」
『(もう動いていたのね…あの人は何も言ってなかったけど…)
…了解しました。それではカカシ班が帰還した頃にまた参ります』

そう言って、アカネは火影室を去っていった。