影分身

カ「…つまり、影分身を使って同じ修業を2人で行なえば、経験値は単純に2倍って事になるだろ？
言い換えると2人でやれば1人で修行するときにかかる時間を半分に短縮できるって事でもある。それが3人なら3分の1」
ナ「3人なら3分の1」

ナルトがオウム返しすると、ハッとした顔になる。

カ「1000人なら1000分の1だ」
ナ「そっか…」
カ「つまり1人で2日かかる修業は2人なら1日でできてしまうし、1人で20年かかる修業でも1000人なら約1週間でいい」
ナ「すっげー！そんな手があったのかァ！」
カ「ようやく分かってくれたのね…？
これから習得するチャクラの〝性質変化〟の修業は常に多重影分身を使って行う」
ナ「オッス！
カカシ先生が強い理由分かったってばよ！このやり方でいっつも修業してたんだな」
カ「いや、オレは1度もこんなやり方で修業したことはない」
ナ「え！なんで？だってカカシ先生も影分身できるじゃん」
カ「確かにな……。だがオレはお前ほどチャクラを多く持っていないし影分身の持続時間も短い。
なんせチャクラを均等に分散してしまう術だけに、チャクラの少ないオレには不向きな術だからな」
ナ「…そうなの？オレってばカカシ先生よりチャクラ量多いの？」
カ「オレの約4倍だ」
ナ「え！？そんなに！
オレってばけっこースゲーんだな！」
カ「〝九尾〟のチャクラを抑えなければ約100倍だ」
ナ「〝九尾〟のチャクラ…」
ヤ「だからこれは君にしか出来ない修業方法なんだよ。だけど多くのチャクラを必要とするため、〝九尾〟のチャクラを呼び起こしてしまう可能性がある。そこでボクが呼ばれたんだ。〝九尾〟のチャクラをコントロールするためにね」

カカシの後にヤマトはそう説明した。

ナ「頼むってばよ…！」

ヤマトは頷き、カカシが声をかける。

カ「よし！まずはチャクラの〝性質変化〟がより強くなるように訓練する」
ナ「おう！」
カ「木ノ葉を手の平に挟んでチャクラだけで切る。真っ二つになるまでな」
ナ「よーしィ！やるぞォー！」
カ「さっきも言ったが、この修業は常に影分身でやってもらう」
ナ「何人くらいに分身すればいいの？」
カ「んー…。ま、1人木ノ葉1枚として…あれぐらいかな」

そう言ってカカシは左の方を指した。ナルト、ヤマト、アカネはカカシが指した方を見る。カカシが指したのは、1本の木だった。
ナルトは1度、驚いたが気を取り直して、十字の印を結ぶ。

ナ「影分身の術！」

そして、いよいよ修行が始まった。