チャクラ性質

ナルトは紙にチャクラを流し込む。
辺りに風が吹き始める。

ナ「ハッ！」

ナルトがさらにチャクラを込めると、ビリッと音がする。見れば紙が切れていた。

ナ「…！」
カ「お前のチャクラの性質は〝風〟だ」
ナ「(〝風〟…)」
カ「あらゆるものを斬り裂き断ち切る。戦闘力抜群のチャクラだ」
ナ「おー！オレってばすげー！」

カカシの言葉にナルトはテンションが上がっている。

カ「いや、まだまだ分かっただけだから…。
さて、いよいよ〝風〟の〝性質変化〟を身につける修行だが…」
ナ「オッス！」
カ「しかし、そのテクニックを会得するには膨大な時間がかかる。
で、その時間を大幅に短縮する方法をオレが思いついてしまったというわけだなァ」
ナ「すげー！」
カ「で、その方法は…」

カカシが方法を言おうとしたところでナルトが右を向く。

ナ「ヤマト隊長、アカネ！」

ナルトが右を向いた理由は、ヤマトとアカネが来たからだった。

ナ「あれ？
どうして？どうして？」
ヤ「この修業はボクも協力するようカカシさんに頼まれたんだ」
『私はただ面白そうだからヤマト先輩について来た。暇だったし』
ヤ「すみません、カカシ先輩。話の腰を折って」
カ「いやいや。でだな…」
ナ「あのさ！あのさ！」
カ「ハァー…」

カカシが話そうとして、ナルトが思いっきり遮った。カカシはナルトを呆れたような目で見ている。

ナ「ヤマト隊長の〝木遁〟ってば、どの〝性質変化〟になんの？」

このナルトの言葉に、カカシは今度こそ思いっきり呆れ、落胆、溜息をこぼす。ヤマトはカカシに目を向ける。カカシが寄って来てヤマトに耳打ちする。

カ「ま、アイツの興味がそっちに移っちゃったから、パッと教えてやってよ」
ヤ「はあ…」

カカシが離れる。

ヤ「じゃ…」

ヤマトは寅の印を組む。

ヤ「土遁・土流城壁（どりゅうじょうへき）！！」

すると、ヤマトが立っている足下から、地面が垂直に隆起した。そして、ヤマトは次に戌の印を組む。

ヤ「水遁・滝壺（たきつぼ）の術！！」

すると、今度はヤマトの後ろから湧き水が起き、滝を作った。
これを見たナルトは唖然とする。

ナ「滝が出来た…」

ヤマトは水面から右に飛び移る。

ヤ「ボクは〝土〟と〝水〟の2つの〝性質変化〟を持ってるんだよ」
ナ「え！じゃあヤマト隊長も2つ持ってんの！？」
カ「上忍クラスになると皆大体2つ以上は持ってる。
オレも〝雷〟以外にも扱えるしな」
ナ「そんじゃあヤマト隊長は〝木遁〟も含めて3つ持ってんのか！？」
『いや、そうじゃないわよ』
ナ「？」
ヤ「ボクは〝土〟と〝水〟の2つしか使えない。
そもそも〝木〟なんていう基本性質はないんだよ」
ナ「じゃあどうやって？」

ヤマトの言葉にナルトは問う。その問いにアカネが答えた。

『同時にやる（・・・・・）のよ』