2つの手がつなぐ奇跡
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5年前の…
暫くして、お昼を買いに出ていた四宮が病院の近くで彼の患者である木村法子が激痛に襲われているところを通りかかり、緊急搬送してきた。
激痛の原因は、喫煙による子宮から胎盤が剥がれてしまう〝胎盤早期剥離〟の疑いがあり、母子ともに危険な状態だった。
優香は鴻鳥、下屋らと共に手術室の中に入る。
鴻「四宮、どう?」
四「子宮口はほぼクローズド。胎盤がかなり分厚くなってる。後ろの方に大きな血腫がありそうだ。やはり、早剥だな」
鴻・下「『……』」
四宮は再び木村にエコーを当てる。
四「バイタルは?」
船「血圧104/ 55。脈は120でかなり早いです」
四宮の問いに麻酔科医の船越拓也が答える。
四「胎児の心拍落ちてきてるな…。
緊急帝王切開 だ!ご家族に連絡入れて」
「はい!」
四「NICU にも連絡して!」
「はい!」
四宮の指示で看護師達が動いていく。
木「先生、赤ちゃんを…助けて…」
四「……」
四宮は木村に目を向ける。
四「手術台に移すよ」
──────────────────────────
胎児は無事に取り出す事ができ、今は今橋、白川、小松が「頑張れ」と声をかけながら、今橋が必死に背を摩っている。そして、やっと胎児が産声をあげる。
その様子に木村の手術を行っている鴻鳥、四宮、下屋、優香の顔もほっとしたような表情になる。その後、胎児は保育器に入れられ、先に手術室から運び出される。
鴻「子宮の収縮が悪いなぁ…」
四「出血が多すぎる。…ダメだ。圧迫じゃ止まらない…」
『バイタルは』
「出血1500超えました」
船「血圧99/66。心拍数120。輸血と子宮収縮薬の投与を続けます」
鴻「ガーゼで重点を抑えよう」
下「はい」
四「そんなんじゃ無理だ!
サクラ、子宮を取るぞ」
鴻「ちょっと待て、四宮」
四「迷ってる場合じゃない。子宮を残したまま止血するのは無理だ。全摘でいく」
鴻「いや、B-Lynchで圧迫縫合だ」
鴻鳥が看護師に指示を出す。
四「バカか?!」
『…!』
四「そんな事したらかけた針穴からも出血して逆効果になるぞ!」
鴻「いや、輸血で暫く時間が稼げる。上手くいけば、子宮も残せる」
看護師が差し出した道具を手に取ろうとした鴻鳥の手を四宮が掴んで止める。
四「諦めろ、サクラ!5年前の事を忘れたのか?あの時もっと早く子宮を取っていれば、患者は助かったかもしれない」
鴻「お前だって、あの時は子宮を残そうとしただろ?」
四「だから死んだんだ!」
鴻鳥と四宮が判断での言い合いをしていると、パルスオキシメータが鳴る。
鴻鳥、四宮、下屋、優香はそちらを見る。
船「出血2500。血圧下がってます!79/46」
鴻「B-Lynchだ、急ごう!」
器具を受け取った鴻鳥の手首を四宮が掴む。
四「サクラ!全摘でいく!」
鴻「四宮!木村さんは5年前の患者とは違うよ?」
四「………」
鴻「赤ちゃんは無事に産まれた。オペは間に合ったんだ。四宮…」
四宮はいつもの冷静さを欠いており、判断を迷っているようだった。
暫くして、お昼を買いに出ていた四宮が病院の近くで彼の患者である木村法子が激痛に襲われているところを通りかかり、緊急搬送してきた。
激痛の原因は、喫煙による子宮から胎盤が剥がれてしまう〝胎盤早期剥離〟の疑いがあり、母子ともに危険な状態だった。
優香は鴻鳥、下屋らと共に手術室の中に入る。
鴻「四宮、どう?」
四「子宮口はほぼクローズド。胎盤がかなり分厚くなってる。後ろの方に大きな血腫がありそうだ。やはり、早剥だな」
鴻・下「『……』」
四宮は再び木村にエコーを当てる。
四「バイタルは?」
船「血圧104
四宮の問いに麻酔科医の船越拓也が答える。
四「胎児の心拍落ちてきてるな…。
緊急
「はい!」
四「
「はい!」
四宮の指示で看護師達が動いていく。
木「先生、赤ちゃんを…助けて…」
四「……」
四宮は木村に目を向ける。
四「手術台に移すよ」
──────────────────────────
胎児は無事に取り出す事ができ、今は今橋、白川、小松が「頑張れ」と声をかけながら、今橋が必死に背を摩っている。そして、やっと胎児が産声をあげる。
その様子に木村の手術を行っている鴻鳥、四宮、下屋、優香の顔もほっとしたような表情になる。その後、胎児は保育器に入れられ、先に手術室から運び出される。
鴻「子宮の収縮が悪いなぁ…」
四「出血が多すぎる。…ダメだ。圧迫じゃ止まらない…」
『バイタルは』
「出血1500超えました」
船「血圧99/66。心拍数120。輸血と子宮収縮薬の投与を続けます」
鴻「ガーゼで重点を抑えよう」
下「はい」
四「そんなんじゃ無理だ!
サクラ、子宮を取るぞ」
鴻「ちょっと待て、四宮」
四「迷ってる場合じゃない。子宮を残したまま止血するのは無理だ。全摘でいく」
鴻「いや、B-Lynchで圧迫縫合だ」
鴻鳥が看護師に指示を出す。
四「バカか?!」
『…!』
四「そんな事したらかけた針穴からも出血して逆効果になるぞ!」
鴻「いや、輸血で暫く時間が稼げる。上手くいけば、子宮も残せる」
看護師が差し出した道具を手に取ろうとした鴻鳥の手を四宮が掴んで止める。
四「諦めろ、サクラ!5年前の事を忘れたのか?あの時もっと早く子宮を取っていれば、患者は助かったかもしれない」
鴻「お前だって、あの時は子宮を残そうとしただろ?」
四「だから死んだんだ!」
鴻鳥と四宮が判断での言い合いをしていると、パルスオキシメータが鳴る。
鴻鳥、四宮、下屋、優香はそちらを見る。
船「出血2500。血圧下がってます!79/46」
鴻「B-Lynchだ、急ごう!」
器具を受け取った鴻鳥の手首を四宮が掴む。
四「サクラ!全摘でいく!」
鴻「四宮!木村さんは5年前の患者とは違うよ?」
四「………」
鴻「赤ちゃんは無事に産まれた。オペは間に合ったんだ。四宮…」
四宮はいつもの冷静さを欠いており、判断を迷っているようだった。