鳴海探偵事務所

この日、鳴海探偵事務所には所長である鳴海亜樹子、探偵である左翔太郎、その相棒であるフィリップが揃っていた。そこに事務所の扉が開き、風都署の超常犯罪捜査課の課長である警視・照井竜が入ってきた。

亜「竜くん！」
翔「照井？」
フ「？」
竜「左、お前に協力してもらいたい事がある」
翔「協力してもらいたい事？」
竜「うちの課の部下の捜索をしてもらいたい」
翔「照井の部下？…って、ジンさんとマッキーに何かあったのか？」
竜「俺に質問をするな。
……刃野刑事と真倉刑事ではなく、最近配属された女性刑事だ。彼女が突然姿を消し、連絡もつかない」
翔「任せな。風都は俺の庭だ。人探しだってお手のもんだ」
亜「それで、その探してる部下ってどんな人なの？」

亜樹子に問われた竜はいつものセリフは言わずに懐から写真を取り出す。

竜「彼女が探している部下の佐倉愛弥だ」
翔「佐倉愛弥だと？」

竜が取り出した写真を手にした翔太郎はその次に聞こえた名に反応する。

亜「翔太郎くんの知ってる人？」
翔「ああ…。俺の幼馴染みだ」
竜「…それと、佐倉がいなくなったと思われる場所にこれが落ちていた」

そう言って竜が取り出したのはチャック付きの透明の袋に入った金属。翔太郎はそれを受け取る。

翔「この形…鎖か何（なん）かか？」
フ「翔太郎、検索するかい？」
翔「ああ、頼む」

フィリップはその場で片手に本を持ちながら両手を広げる。
すると、フィリップの精神は真っ白な背景に沢山の本棚が並ぶ空間へと移る。

フ「検索を始めよう。
知りたい項目は〝佐倉愛弥の居場所〟
キーワードは？」

翔「まずは〝佐倉愛弥〟だ」

翔太郎の言ったキーワードに本棚が動いていき、本が絞られていく。

フ「かなり減ったよ。次は？」

翔「〝鎖〟を入れてみろ」

2つ目のキーワードを入力され、さらに本が絞り込まれていく。しかし、決め手とはならない。

フ「ダメだ。まだ何かキーワードが必要みたいだ」

翔「そうか…」

あまり有力な情報が得られず翔太郎は一瞬気落ちするが、翔太郎はトレードマークの帽子を被りながら言う。

翔「愛弥の事ならサンタちゃんかウォッチャマンに聞いた方が早いかもな」

翔太郎に続いて、竜、亜樹子と出ていき、それを見送ったフィリップはガレージへと入っていった。