FF編

「白峰さん!今日の放課後、バレー部のほうに助っ人にきてくれない?今日練習試合なんだけどセッターの子が風邪ひいちゃって、、、」
「白峰!テニス部の後輩のやつがペアの片方が怪我して練習をしばらくできないらしいんだ。少しでいいから一緒に練習してやってくんねぇか?」

廊下を歩く白峰と呼ばれた少女は振り返る。制服のスカートを着ていなければ少年とも言えるようなそんな雰囲気を持つ少女は女子にしては短い白銀の髪を揺らし、凛々しい眉を垂れさせた。

「ごめんなっ、今日は近所の子供達と遊ぶ約束してたんだ。バレー部の練習試合は無理だ。
テニス部の後輩の子の件なら今日は無理だけど来週木曜なら放課後空いてるからいけるよって言っといてよ。私も久々にテニスやりたいしさー。」

そう言って足早にかけていく彼女を呼びかけた2人は眺める。

「来週木曜って、、、他の日は予定あんのかよ。相変わらず忙しいやつ。」
「えぇ〜試合無理かぁ。相手けっこー強い学校だから白峰さんが入れば百人力なのになぁ。」

「そりゃあ、ほぼ毎日いろんな部活の助っ人にでてるんだもん光のやつ。この前なんて水泳部の試合に出て賞とったって話よ。」

教室の扉から顔を出した女子生徒が言う。

「うげぇ、あいつ水泳もできるのか。この前のテストも、順位一桁だったよな。文武両道ってやつかよ。」
「おまけにあのルックスだもんねぇ。私白峰さんを初めて見た時ジャージ姿だったからこんなにかっこいい男の子いるんだってはしゃいじゃったもん。」
「なんならファンクラブあるしね。」
「まじかっ?!くぅー〜生意気なやつっ。神は二物も三物も与えんのかよ。」

盛り上がる3人の生徒にだんだんと人が集まり、気づいたら白峰光という人物についてだいぶ盛り上がっていた。とにかく白峰光という少女はマンモス校で全員と顔見知りになるのが難しい雷門中でもかなりの有名人なのだ。


「(やばいなぁ、、、待ち合わせに遅れちゃいそうだ。)」

校内を抜け、グラウンドをつっきって光は走る。最近できた小さなお友達と今日は公園で一緒に遊ぶ約束をしているのだ。
1人は少し泣き虫のきらいがあるので待ち合わせに遅れるわけにはいかない。光は全速力で走り抜ける。それはそれはグラウンドで練習している陸上部をも唸らせるほどの走りで。

「光のやつ相変わらず速いな、、、、、というかっ!!ぶつかるだろ!!おい光!グラウンドをそのスピードで横切るな!!!!」

少し先で陸上部の先輩とぶつかりそうになっている光をみて同じく陸上部の風丸一郎太は怒鳴る。

「っ一郎太?!ごめんなーー!!気をつける!」

光は一瞥よこし、軽く謝罪した。心なしかスピードを緩めて走り去る。

「あれが噂の白峰光先輩ですか?うわぁ、、、速い。確か3年生でしたよね。風丸さん学年も違うのに仲が良いんですね。」
「まぁな。小学校からの腐れ縁さ。それにあんまり年上みたいな感じがしないんだよな。」
「それ、うちのクラスの女子かなり羨ましがりますよ?運動も勉強もできて、冷静で頼りになるって、ファンクラブ会員多いんですから。
幼馴染なんてそんなの憧れですよ憧れ。」

後輩の宮坂の言葉に風丸は信じられないと言う。

「冷静?、、、あいつが?どれだけ俺たちが手綱握って制御してると思ってるんだ、、、。」
「大丈夫ですか?風丸さん。」
「あぁ、、、。それより宮坂、あと周回4周残ってるぞ。早く走ろう。」
「はいっ!!今日こそ風丸さんのタイムに追いつきますからねー!」
「ははっ俺も負けてられないな。」

「(光のやつそういやサッカー部の件は知ってんのかな、、、)」

光が来る前、もう1人の幼馴染の少年がさまざまな人をサッカー部に勧誘していた。廃部の危機だとかなんとか言っていたが、光にこそ声をかけるべきだと思う。
だか、あの様子だとまだ知らなさそうだ。なにより相変わらず忙しそうで助っ人になるにも時間がなさそうではある。

「(、、、あとで円堂のところに行ってみるか。どうせあそこにいるだろうし。)」

風丸は先程は勧誘を断ってはいたが、やはり大切な友人のことだ。少し気にしていた。光に関しても声をかけてみることを提案してみよう。
そう考えながら風丸は安定したペースで駆けていった。

まさか自分がサッカーをやることになるとは知らずに。















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