第二章 ゲームのはじまり
透き通るような物静かな声と共に、美鶴が居間に入ってきた。
手には、鈴が付いた紅い紐を持っていた。
「これで、よろしいでしょうか」
珠紀に紅い紐を手渡す。
「うん。ありがとう」
珠紀は美鶴から紅い紐を受け取る。
膝に乗せた三毛猫の首に、その紅い紐を首輪として着ける。
鈴が揺れて、ちりんっと小さく音を立てて鳴った。
美鶴と話し合って、三毛猫を飼うこととなった。
「うん! 似合ってる」
首輪を着けた三毛猫を見て珠紀は満足げに頷き、次に名前を考える。
「『こころ』なんて、どうかな? 美鶴ちゃんは、どう思う?」
三毛猫の身体にハート型の模様があり、それを見つけ珠紀はこころと考えた。
少し、単純過ぎかもしれないが──。
「私もそれでいいです」
微笑む美鶴を見て、珠紀は頷いて三毛猫を抱き上げて見た。
宇賀谷に新しい家族が出来た。
「夕食のご用を致しますね」
「私も手伝うよ」
珠紀は三毛猫を畳の上に置き、美鶴と共に台所に向かった。
まだ珠紀は、自分が罠の一つにかかったとは予想もしなかった。
こうして珠紀の知らない水面下で、罠が仕かけれていることに気づかなかった。
夢を見る。最近見はじめた、ただ悲しい夢を。
手には、鈴が付いた紅い紐を持っていた。
「これで、よろしいでしょうか」
珠紀に紅い紐を手渡す。
「うん。ありがとう」
珠紀は美鶴から紅い紐を受け取る。
膝に乗せた三毛猫の首に、その紅い紐を首輪として着ける。
鈴が揺れて、ちりんっと小さく音を立てて鳴った。
美鶴と話し合って、三毛猫を飼うこととなった。
「うん! 似合ってる」
首輪を着けた三毛猫を見て珠紀は満足げに頷き、次に名前を考える。
「『こころ』なんて、どうかな? 美鶴ちゃんは、どう思う?」
三毛猫の身体にハート型の模様があり、それを見つけ珠紀はこころと考えた。
少し、単純過ぎかもしれないが──。
「私もそれでいいです」
微笑む美鶴を見て、珠紀は頷いて三毛猫を抱き上げて見た。
宇賀谷に新しい家族が出来た。
「夕食のご用を致しますね」
「私も手伝うよ」
珠紀は三毛猫を畳の上に置き、美鶴と共に台所に向かった。
まだ珠紀は、自分が罠の一つにかかったとは予想もしなかった。
こうして珠紀の知らない水面下で、罠が仕かけれていることに気づかなかった。
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夢を見る。最近見はじめた、ただ悲しい夢を。