第二章 ゲームのはじまり
──見張れ。玉依姫を。守護者を。
「わぁー、見てよ拓磨。猫だよ」
拓磨と通学路のあぜ道で猫を発見した。
「かわいいよねぇ」
珠紀は歩みを止めて、猫を見る。
「あぁ、そうだな……」
返ってくるのは曖昧な返事。振り返ると、拓磨は興味がないのか歩みを止めることなく道を先に進んでいた。
「もぉー。見てない癖に」
小さく不満を呟き、先を進む拓磨の隣に並んだ。
「さっきの白猫も可愛かったけど、今の三毛猫もかわいかったね」
「そうだな……」
やはり返ってくるのは、曖昧な返事だった。
珠紀は拓磨の顔を、横目で盗み見た。
この間の休日に清乃から、愛されていると言われて思わず恥ずかしかったが、今の拓磨の顔を見ていると恥ずかしさが消えた。
拓磨はいつも以上に無愛想な顔をしている。初めて逢った時から無愛想さは拭えないが、最近は少し色んな顔を見せてくれるようになったのが、久しぶりに、こんな深い無愛想さを見た。
朝、顔を合わせてからそのことに気づいた珠紀は話を振ってみるが、拓磨から曖昧な返事しか返ってこなかった。
(もしかして私、知らない間になにかしたかな?)
前方を見て歩く珠紀の脳内に、そんな考えが浮かぶ。
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「わぁー、見てよ拓磨。猫だよ」
拓磨と通学路のあぜ道で猫を発見した。
「かわいいよねぇ」
珠紀は歩みを止めて、猫を見る。
「あぁ、そうだな……」
返ってくるのは曖昧な返事。振り返ると、拓磨は興味がないのか歩みを止めることなく道を先に進んでいた。
「もぉー。見てない癖に」
小さく不満を呟き、先を進む拓磨の隣に並んだ。
「さっきの白猫も可愛かったけど、今の三毛猫もかわいかったね」
「そうだな……」
やはり返ってくるのは、曖昧な返事だった。
珠紀は拓磨の顔を、横目で盗み見た。
この間の休日に清乃から、愛されていると言われて思わず恥ずかしかったが、今の拓磨の顔を見ていると恥ずかしさが消えた。
拓磨はいつも以上に無愛想な顔をしている。初めて逢った時から無愛想さは拭えないが、最近は少し色んな顔を見せてくれるようになったのが、久しぶりに、こんな深い無愛想さを見た。
朝、顔を合わせてからそのことに気づいた珠紀は話を振ってみるが、拓磨から曖昧な返事しか返ってこなかった。
(もしかして私、知らない間になにかしたかな?)
前方を見て歩く珠紀の脳内に、そんな考えが浮かぶ。