第二章 ゲームのはじまり
不躾なほど、少女をじいっと見つめてしまっていた。
「えっ、あ、ごめんなさい。はい、これ」
珠紀が差し出した生徒手帳を、「ありがとうございます」とお礼を言って受け取った。
「私、2―Bの塚猫架穂と申します」
転校生──架穂は笑みを浮かべて自己紹介をした。
「私は、2―Aの春日珠紀です」
続き、珠紀も自己紹介した。
架穂はもう一回お礼を言って、軽く会釈して去って行った。
珠紀は少し架穂が去って行った方を見つめていたが、遅刻しそうなのを思い出した。
急いで廊下を走り、理科室の前まで辿り着いたが、前を歩いていた男子の背中に激突する。
勢いよくぶつかり、珠紀の身体は弾き、後ろに傾いた。目を瞑り、来る痛み備えた。
ぶつかる──そう思った瞬間、誰かに力強く右手首を掴まれたので身体が止まった。
恐る恐る、目を開けると金糸が映った。
「──あの、大丈夫? 春日さん」
柔らかい声に顔を上げると、心配そうに茶色の瞳が珠紀を覗き込んでいた。
綺麗な顔立ちをした金髪の少年、同じクラスのすでに人気者の螢斗だった。
螢斗は握っている珠紀の手をゆっくりと引いて垂直に立たせ、手を放した。
「ごめんなさい!」
珠紀は少し後ろに下がり、ペコリと頭を下げる。
「それより、怪我ない?」
「だ、大丈夫っ。猫沢君のおかげでっ」
珠紀は胸の前で両手を振って、無事を示す。
「それは、よかった」
「えっ、あ、ごめんなさい。はい、これ」
珠紀が差し出した生徒手帳を、「ありがとうございます」とお礼を言って受け取った。
「私、2―Bの塚猫架穂と申します」
転校生──架穂は笑みを浮かべて自己紹介をした。
「私は、2―Aの春日珠紀です」
続き、珠紀も自己紹介した。
架穂はもう一回お礼を言って、軽く会釈して去って行った。
珠紀は少し架穂が去って行った方を見つめていたが、遅刻しそうなのを思い出した。
急いで廊下を走り、理科室の前まで辿り着いたが、前を歩いていた男子の背中に激突する。
勢いよくぶつかり、珠紀の身体は弾き、後ろに傾いた。目を瞑り、来る痛み備えた。
ぶつかる──そう思った瞬間、誰かに力強く右手首を掴まれたので身体が止まった。
恐る恐る、目を開けると金糸が映った。
「──あの、大丈夫? 春日さん」
柔らかい声に顔を上げると、心配そうに茶色の瞳が珠紀を覗き込んでいた。
綺麗な顔立ちをした金髪の少年、同じクラスのすでに人気者の螢斗だった。
螢斗は握っている珠紀の手をゆっくりと引いて垂直に立たせ、手を放した。
「ごめんなさい!」
珠紀は少し後ろに下がり、ペコリと頭を下げる。
「それより、怪我ない?」
「だ、大丈夫っ。猫沢君のおかげでっ」
珠紀は胸の前で両手を振って、無事を示す。
「それは、よかった」