第二章 ゲームのはじまり
珠紀は急いでいた。
授業で使った教材を直して教材室の鍵を職員室に戻しにいったところ、担任に所用で引き留められて以外と話が長引いてしまった。
早くしないと、次の授業のはじまりの鐘が鳴る。
こういう時に限って、移動授業だ。
自然と、廊下を進む足が早足になる。
(急げっ。急げっ。いっそげ──!)
足を進める速度を速め、角を曲がった。
曲がった瞬間、誰かと正面衝突した。
衝突した勢いで、相手の生徒手帳が開いた状態で床に落ちた。
「あっ、ごめんなさい!」
珠紀は慌てて謝り、生徒手帳を拾う。
拾った時に、見えた開いたページに名前とクラスが書かれてあった。
『2―B組。塚猫架穂』と記入されていた。
「いえ、こちらこそ、すみません」
鈴を転がしたような声で謝られた。
顔を上げると珠紀は驚いた。
目の前にいたのは、長い茶色の髪にくりっとした大きな青い瞳をした清楚な美少女だった。
(かわいい。こんな美少女、二年にいたっけ?)
珠紀は考え、すぐに答えを見つけた。
(ひょっとして、この人が隣のクラスの転校生?)
噂では、その転校生は美少女だと耳にしていた。
確かに、美少女だと珠紀は思った。
こんなかわいい少女にお目にかけたのは、美鶴以来だ。
「あの……」
「──!」
転校生の声で我に返る。彼女が少し、困惑した表情で珠紀を見ている。
授業で使った教材を直して教材室の鍵を職員室に戻しにいったところ、担任に所用で引き留められて以外と話が長引いてしまった。
早くしないと、次の授業のはじまりの鐘が鳴る。
こういう時に限って、移動授業だ。
自然と、廊下を進む足が早足になる。
(急げっ。急げっ。いっそげ──!)
足を進める速度を速め、角を曲がった。
曲がった瞬間、誰かと正面衝突した。
衝突した勢いで、相手の生徒手帳が開いた状態で床に落ちた。
「あっ、ごめんなさい!」
珠紀は慌てて謝り、生徒手帳を拾う。
拾った時に、見えた開いたページに名前とクラスが書かれてあった。
『2―B組。塚猫架穂』と記入されていた。
「いえ、こちらこそ、すみません」
鈴を転がしたような声で謝られた。
顔を上げると珠紀は驚いた。
目の前にいたのは、長い茶色の髪にくりっとした大きな青い瞳をした清楚な美少女だった。
(かわいい。こんな美少女、二年にいたっけ?)
珠紀は考え、すぐに答えを見つけた。
(ひょっとして、この人が隣のクラスの転校生?)
噂では、その転校生は美少女だと耳にしていた。
確かに、美少女だと珠紀は思った。
こんなかわいい少女にお目にかけたのは、美鶴以来だ。
「あの……」
「──!」
転校生の声で我に返る。彼女が少し、困惑した表情で珠紀を見ている。