🎻『虹色の書簡』
少しでも、彼女に届けばいいと願いながら──。
高鳴る鼓動が、強く脈打つ。
蓮は手紙を握り締め、エントランスを抜けて外に出た。
連日降り続けた雨がようやく止み、雨上がり特有の匂いが鼻を突く。
清々しい冬の冷たい風が、火照る頬を優しく撫でる。
蓮は、日本のある方角の遠い空を見上げた。
確かめるように手紙を、胸に抱く。
ほんのりと温かさを感じた。
受験生の香穂子は受験勉強に追われている。
やっと両親を説得して、大学の音楽部に進む許可をもらった。
そして、勉強とヴァイオリンの練習の日々だとこの間きた手紙に書かれていた。
ゆっくりとだが、一歩一歩、音楽への道を踏んでいく香穂子。
──いつか、同じ舞台で。
そう考えて望む。
「がんばれ、香穂子」
微笑みながら、思いを込めて遠い空に向かって呟く。
すると、分厚い雲間から一条の光が漏れる。
そこに、七色の虹の橋が空に懸かる。
二人の未来の祝福を願うように。
高鳴る鼓動が、強く脈打つ。
蓮は手紙を握り締め、エントランスを抜けて外に出た。
連日降り続けた雨がようやく止み、雨上がり特有の匂いが鼻を突く。
清々しい冬の冷たい風が、火照る頬を優しく撫でる。
蓮は、日本のある方角の遠い空を見上げた。
確かめるように手紙を、胸に抱く。
ほんのりと温かさを感じた。
受験生の香穂子は受験勉強に追われている。
やっと両親を説得して、大学の音楽部に進む許可をもらった。
そして、勉強とヴァイオリンの練習の日々だとこの間きた手紙に書かれていた。
ゆっくりとだが、一歩一歩、音楽への道を踏んでいく香穂子。
──いつか、同じ舞台で。
そう考えて望む。
「がんばれ、香穂子」
微笑みながら、思いを込めて遠い空に向かって呟く。
すると、分厚い雲間から一条の光が漏れる。
そこに、七色の虹の橋が空に懸かる。
二人の未来の祝福を願うように。
──終わり。