🎻・🎼『とある御夫人の想い出話』

■おまけ・その日の夜


 双子を寝かしつけた、夜のリビング。
「ねえねえ、蓮くん」
 香穂子はソファーに座る蓮の隣に、声をかけながら座る。
「どうした? 香穂子」
「あ……あのね……」
 手をもじもじさせて香穂子はソファーの上を、膝で詰め寄る。
「今度、雨が降ったらあいあい傘、しよ?」
 そして、蓮の耳に唇を寄せ、そう囁いた。
「ああ、しようか」
 かわいい妻からのデートのお誘いに、蓮は微笑み、照れる香穂子に唇を重ね合わせた。


──今度こそ、おしまい。
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