🌸『子供の巻』
天真に問いかけられた詩紋は答える。
「この茸は昨日、イノリ君とあかねちゃんが採ってきた中に入っていたんだよ」
天真は腕を組み、少し考え込んだ。
イノリが、そんな作用がある茸を採ることはまずあり得ない。
だとしたら……。
八葉たちが一斉に、あかねの方を見た。視線が、あかねに突き刺さる。
全員の視線を受けた瞬間に、あかねは目を逸らす。
「お前……まさか……」
あかねは人差し指で頬をポリポリと掻きながら、冷や汗をかきはじめる。
「えーと……ですねぇ……。嗅いでみても、別に変な匂いがしなかったから……食べられると思って……」
これ以上言葉がないあかねは、子供になってしまった友雅と頼久の方に身体ごと向く。
「ごめんなさいっ!」
頭を下げて謝る。
「いいえ、神子殿。頭をお上げてください」
「そうだよ。神子殿は悪気を持ってやったことではないし」
顔を上げたあかねは「ありがとうございます」と、その二人の気遣いに感謝した。
すると、友雅と頼久を見ていた永泉が口を開く。
「しかし、あの二人が子供の頃は、こんな顔をしてたんですね」
「ええ、そうですね」
あかねがふいに、二人を真剣に見た。
「子供の頃の二人が、こんなにかわいかったなんて」
なにを真剣な顔で言うのやら。天真とイノリはズッコケた。
詩紋、鷹通、永泉は、ぽかんと口を開けてあかねを見るのだった。
そして一日目──。
「この茸は昨日、イノリ君とあかねちゃんが採ってきた中に入っていたんだよ」
天真は腕を組み、少し考え込んだ。
イノリが、そんな作用がある茸を採ることはまずあり得ない。
だとしたら……。
八葉たちが一斉に、あかねの方を見た。視線が、あかねに突き刺さる。
全員の視線を受けた瞬間に、あかねは目を逸らす。
「お前……まさか……」
あかねは人差し指で頬をポリポリと掻きながら、冷や汗をかきはじめる。
「えーと……ですねぇ……。嗅いでみても、別に変な匂いがしなかったから……食べられると思って……」
これ以上言葉がないあかねは、子供になってしまった友雅と頼久の方に身体ごと向く。
「ごめんなさいっ!」
頭を下げて謝る。
「いいえ、神子殿。頭をお上げてください」
「そうだよ。神子殿は悪気を持ってやったことではないし」
顔を上げたあかねは「ありがとうございます」と、その二人の気遣いに感謝した。
すると、友雅と頼久を見ていた永泉が口を開く。
「しかし、あの二人が子供の頃は、こんな顔をしてたんですね」
「ええ、そうですね」
あかねがふいに、二人を真剣に見た。
「子供の頃の二人が、こんなにかわいかったなんて」
なにを真剣な顔で言うのやら。天真とイノリはズッコケた。
詩紋、鷹通、永泉は、ぽかんと口を開けてあかねを見るのだった。
そして一日目──。