🌸『相容れる者』
『逢瀬』
呼ばれた……。
呼んだのは誰?
あなた?
『外へ』
──外?
『河原院へ』
その甘い声に誘われ、私は外を駆ける……。
低く甘い声に導かれ、
着いた場所は荒れ果てた屋敷だった。
そしてあなたは現れた。
私はあなたに近づいた。
『このように鬼の傍にいて恐ろしくはないのか』
と美しい男 は言った。
彼は京の人間ならざるもの。
『怖くない。怖かったら来ないよ』
『──ふ』
すると、あなたは戯れに私を抱き寄せる。
美しい鬼は私の耳元で、妖艶に、囁く。
『そなたをこのまま連れて行 きたいが、それでは少しつまらぬ。しばらく遊んでいるがいい。──怨霊相手な』
そしたら、
『今日もう戻りなさい。逢瀬というのも悪くないからな』
そう言って、美しい鬼は去って行った。
その後ろ姿を見続けた……。
呼ばれた……。
呼んだのは誰?
あなた?
『外へ』
──外?
『河原院へ』
その甘い声に誘われ、私は外を駆ける……。
低く甘い声に導かれ、
着いた場所は荒れ果てた屋敷だった。
そしてあなたは現れた。
私はあなたに近づいた。
『このように鬼の傍にいて恐ろしくはないのか』
と美しい
彼は京の人間ならざるもの。
『怖くない。怖かったら来ないよ』
『──ふ』
すると、あなたは戯れに私を抱き寄せる。
美しい鬼は私の耳元で、妖艶に、囁く。
『そなたをこのまま連れて
そしたら、
『今日もう戻りなさい。逢瀬というのも悪くないからな』
そう言って、美しい鬼は去って行った。
その後ろ姿を見続けた……。