夢見る力
『怪我の手当てをしてもらったこと感謝する、玉依姫。私は、渡り鳥のカミ』
その姿と同じ美しい声が、直接珠紀の頭の中に届く。
『この姿は、成長し成体になったもの。私は怪我をし地上に落ちて、仲間とはぐてしまって困っていたところを、あなた方 に助けられた。それからありがとう、玉依姫。魔法使いになってくれて』
神鳥の言葉に、珠紀は自分の身体を見た。
「あっ、あれえ? わたち、まほーつかいになってる──っ」
今の珠紀は黒いローブに鍔の広い黒い尖り帽子、まさしく魔法使いの衣装を着ていた。
いつの間にか、守護者のみんなも珠紀と同じ衣装を着て、後ろに立っていた。
『さあ、私を元の場所に連れて行って!!』
「うんっ」
珠紀は笑顔で大きく頷いた。
「うっわあ────いっ」
次の瞬間には、珠紀たちは竹箒に跨がり、空を飛んでいた。
──ぱちっ。
勢いよく目が開いた。
珠紀は目をこすりながら、布団からゆっくり身体を起こす。
そこは自分の部屋だった。珠紀はそこで、自分が夢を見ていたのだと知った。
「なんだあ。ゆめかあ……」
珠紀はヒナのベッドの籠を見る。
「とりしゃん、おはよ──って、あれ? いない──」
籠の中を覗くと、ヒナの姿がなかった。
その姿と同じ美しい声が、直接珠紀の頭の中に届く。
『この姿は、成長し成体になったもの。私は怪我をし地上に落ちて、仲間とはぐてしまって困っていたところを、あなた
神鳥の言葉に、珠紀は自分の身体を見た。
「あっ、あれえ? わたち、まほーつかいになってる──っ」
今の珠紀は黒いローブに鍔の広い黒い尖り帽子、まさしく魔法使いの衣装を着ていた。
いつの間にか、守護者のみんなも珠紀と同じ衣装を着て、後ろに立っていた。
『さあ、私を元の場所に連れて行って!!』
「うんっ」
珠紀は笑顔で大きく頷いた。
「うっわあ────いっ」
次の瞬間には、珠紀たちは竹箒に跨がり、空を飛んでいた。
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──ぱちっ。
勢いよく目が開いた。
珠紀は目をこすりながら、布団からゆっくり身体を起こす。
そこは自分の部屋だった。珠紀はそこで、自分が夢を見ていたのだと知った。
「なんだあ。ゆめかあ……」
珠紀はヒナのベッドの籠を見る。
「とりしゃん、おはよ──って、あれ? いない──」
籠の中を覗くと、ヒナの姿がなかった。