はじまり

次は地下から行こう。ビルヂングの提案で、名古屋駅の地下を進む。
「ここもセントラルタワーズの縄張りだ。名古屋駅は地下街が発達してるだろう?」
たしかに。しかし考えたことがなかった。
東京や大阪、他の都市もそうだからだろうか。
「実はこの地下街の文化をつくったのもセントラルタワーズなんだ。そこからもあの二人の力が分かるよな」
そうだったのか。
「>ビルの歴史って面白いんですね」
「! はは、そうだよな。ビルそれぞれの物語があるな」


「さて、来たはいいが.......いるかな」
名古屋駅周辺で一番派手な見た目をしているビル。遠目で見てもすぐにどこにあるか分かる。
「>近づくと意外と太いんですね」
「ははは、分かるぞ。遠くから見ているとかなり細く見えるもんな。まあ、実際俺やミッドランドスクエアよりもずっと細いわけだが」
ここに来る途中、大名古屋ビルヂングとミッドランドスクエアがあった。ミッドランドスクエアとは距離が近いビルである。
「気まぐれなヤツだからなあ。会えるといいが」
「ビルヂング」
声をかけてきたのは、昨日会った美形の男だった。
「>あっ」
「ミッドランドスクエア!え、珍しいな」
「.....人聞きの悪いことを言うな」
「悪い悪い。あまりこの辺を歩いてるところを見ないから、」
それには答えずに、じっと目の前のビルを見上げている。
「スパイラルタワーズに用があるのか」
「あ、ああそうなんだ。どこにいるか分かるか?」
「.....」
暫し、沈黙。ミッドランドスクエアが目を閉じている。長い睫毛に縁取られた切れ長の目が美しい。
「Spiral.....ボクを呼ぶ声.....」
「うお!?」
「>!?」
音もなく現れたのは、細身の青年。腰まである髪を風に揺らし、長い袖を口元に当てている。
「Connect.....繋がったよ。ふふ、新しいオーナーさん.....」
「ミッドランドスクエアが呼んだのか?って、もういない」
「うん。ミッドランドスクエアが呼んでくれた。Cosmos.....Square.....ふふ、ボクたちはいつでも繋がっている。ビルヂング、君も。そしてオーナーさんも」
長い袖を揺らしながら、囁くように喋る。
(ふ、不思議な魅力のある子だなあ。何故か分からないけど、目が離せない)
スパイラルタワーズを背に立っているのが、なんとも映える。スパイラルタワーズのビル擬人はこの青年しかいないだろう。
「ボクたちはSpiral towers。よろしく、ね.....」
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