1.紅桜編
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「オイオイ、なんの騒ぎでェ?」
川に沿った道の途中にできている人だかりに気が付いた男が、なにごとかと尋ねた。
「また死体が上がったらしいよ」
「なんでィ、また辻斬りかィ。もうこれで何人目だ?」
川辺を見ると警察複数人がしゃがみ込んでいた。その中心にはムシロをかけられている人間が横たわっていて、はみ出ている脚からは生気を感じられず、すぐに死体だと分かった。
ガヤのように取り巻く人の声からは、恐怖と同時に「またか」といった少しの諦めのようなものが混じっているようだった。
「ちょいとお兄さん」
「あ?なんでィ」
「これはいったい何があったんだい?」
笠をかぶり、青い男物の着物の上にレースの肩掛けを羽織った者が男に尋ねた。
「なんでも、また『辻斬り』が出たらしい」
「……周りの人の会話から聞こえる限り、これまで結構な人数が被害にあってそうだね」
「ったくおちおち夜遊びだってできねェときた! ま、狙われてるのは浪人ばっかだって噂だけどよ」
「浪人、か」
「兄ちゃんも気ィつけな」
そういうと男は怖い怖いと群集を抜けて離れていった。
「これはもう間違いないかな」
胸元からメモ帳とペンを取り出し、メモのとあるページと大きく丸で印をつける。
その印がつけられた場所には、雑な文字でこう書かれていた。
『紅桜』
川に沿った道の途中にできている人だかりに気が付いた男が、なにごとかと尋ねた。
「また死体が上がったらしいよ」
「なんでィ、また辻斬りかィ。もうこれで何人目だ?」
川辺を見ると警察複数人がしゃがみ込んでいた。その中心にはムシロをかけられている人間が横たわっていて、はみ出ている脚からは生気を感じられず、すぐに死体だと分かった。
ガヤのように取り巻く人の声からは、恐怖と同時に「またか」といった少しの諦めのようなものが混じっているようだった。
「ちょいとお兄さん」
「あ?なんでィ」
「これはいったい何があったんだい?」
笠をかぶり、青い男物の着物の上にレースの肩掛けを羽織った者が男に尋ねた。
「なんでも、また『辻斬り』が出たらしい」
「……周りの人の会話から聞こえる限り、これまで結構な人数が被害にあってそうだね」
「ったくおちおち夜遊びだってできねェときた! ま、狙われてるのは浪人ばっかだって噂だけどよ」
「浪人、か」
「兄ちゃんも気ィつけな」
そういうと男は怖い怖いと群集を抜けて離れていった。
「これはもう間違いないかな」
胸元からメモ帳とペンを取り出し、メモのとあるページと大きく丸で印をつける。
その印がつけられた場所には、雑な文字でこう書かれていた。
『紅桜』
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