2.万事屋、業務提携編
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銀時の睨むような視線に、男は怯えながらも銀時が手にしている封筒を指さしながら弁明をしていた。
「その封筒が昨日うちのポストに投函されていたんですよ! 別に盗撮なんかしちゃいない! 個々の場所だって、その封筒の中にある手紙に書いてあったんだ!」
銀時は男の話を聞きながらも、芳野の様子を探っていた。写真を見てから黙ったままであることが気になっていたのだ。封筒内から3つ折りにされている紙を取り出しつつ、芳野へと声をかけた。
「大丈夫か?」
「……いやごめん。ちょっといろいろまさかすぎた。うん、大丈夫」
「ならいいけどよ」
銀時が紙を開けば、芳野も隣から覗き込むように顔を寄せた。
開かれた紙は案の定手紙の用で、手書きで書かれていた。内容といえば芳野の情報屋の概要と、攘夷戦争時代の恨みつらみが書かれていた。銀時と芳野はただ無表情で文章に目を滑らせることしかできなかった。そして最後に『この写真、右端に写っている者を探せ。それがアンタの兄の仇だ』の一文で締めくくられていた。
芳野は改めて写真を見た。『右端に写っている者』はピントがぶれているのか顔がよく見えなかったのだが、芳野には覚えがあったのだ。それは間違いなく、芳野飛鳥自身だ。
――芳野飛鳥視点――
あの日は誰が写真屋なんて呼んだのだったのだろうか。誰かが「いつ死ぬのかわからないのだから、せめて写真を撮ろう」なんて、戦時中、しかも前線に位置するこの場所で提案したのは覚えている。
私は自身のしている活動上、遠慮しておくからなんて、撮影をしている場所から去ろうとしたのだったけれど、写真屋が気を利かせてなのか何なのか、誰も予期していなかったタイミングで撮ったのだった。
不幸中の幸いとでもいうべきか、私が振り向いたちょうどのタイミングだったらしく、私の顔だけがぶれしまったらしい。皆が「残念だ」と笑っていたような気がする。
この客人が持ってきた写真には、坂田くんは写っていない。なにせ撮ったって無駄だと突っぱねていたから、少し遅れて撮影場所に来たのだから、私と一緒に写っている当時の写真は1枚もないはずだ。
それなのに、どうやら坂田君はこの右端のぶれている人物が私だと分かっているようなそぶりを見せていた。またまたどうして、奇妙なものだ。
私は突然なことに息を忘れそうな体に深呼吸をして無理やり酸素を通した後、男に最後の一文について尋ねた。
「この『兄』の仇というのは?」
男は話しにくそうに膝の上に置いていた拳をギュッと固く握りしめた。
「その写真、えっとそう。左から2番目の人が僕の兄なのです。戦争で亡くなりましたが……」
「そう、ですか」
「正直なところ、どうして右端の人物が兄の仇になるのかさえ分からないのです。当時の政府や天人であれば仇であることも理解できるのですが、この写真に写っている兄は笑っているように見えます。だからこそでしょうか。なぜ仇なのか、僕は会って何があったのか聞いてみたい」
あぁ、真っすぐで眩しくて、鋭く突き刺さるな。
私はおそらくこの『兄』を知っている。そしてなぜ私が仇とされるのかも十分に理解できる。
「どうかこの人物がどこにいるのか、探してはくれないでしょうか」
男は私と坂田くんに頭を下げた。男がかけていたショルダーバックは体につぶされてぐしゃりと形を変えていた。
――芳野飛鳥視点 終了――
「その封筒が昨日うちのポストに投函されていたんですよ! 別に盗撮なんかしちゃいない! 個々の場所だって、その封筒の中にある手紙に書いてあったんだ!」
銀時は男の話を聞きながらも、芳野の様子を探っていた。写真を見てから黙ったままであることが気になっていたのだ。封筒内から3つ折りにされている紙を取り出しつつ、芳野へと声をかけた。
「大丈夫か?」
「……いやごめん。ちょっといろいろまさかすぎた。うん、大丈夫」
「ならいいけどよ」
銀時が紙を開けば、芳野も隣から覗き込むように顔を寄せた。
開かれた紙は案の定手紙の用で、手書きで書かれていた。内容といえば芳野の情報屋の概要と、攘夷戦争時代の恨みつらみが書かれていた。銀時と芳野はただ無表情で文章に目を滑らせることしかできなかった。そして最後に『この写真、右端に写っている者を探せ。それがアンタの兄の仇だ』の一文で締めくくられていた。
芳野は改めて写真を見た。『右端に写っている者』はピントがぶれているのか顔がよく見えなかったのだが、芳野には覚えがあったのだ。それは間違いなく、芳野飛鳥自身だ。
――芳野飛鳥視点――
あの日は誰が写真屋なんて呼んだのだったのだろうか。誰かが「いつ死ぬのかわからないのだから、せめて写真を撮ろう」なんて、戦時中、しかも前線に位置するこの場所で提案したのは覚えている。
私は自身のしている活動上、遠慮しておくからなんて、撮影をしている場所から去ろうとしたのだったけれど、写真屋が気を利かせてなのか何なのか、誰も予期していなかったタイミングで撮ったのだった。
不幸中の幸いとでもいうべきか、私が振り向いたちょうどのタイミングだったらしく、私の顔だけがぶれしまったらしい。皆が「残念だ」と笑っていたような気がする。
この客人が持ってきた写真には、坂田くんは写っていない。なにせ撮ったって無駄だと突っぱねていたから、少し遅れて撮影場所に来たのだから、私と一緒に写っている当時の写真は1枚もないはずだ。
それなのに、どうやら坂田君はこの右端のぶれている人物が私だと分かっているようなそぶりを見せていた。またまたどうして、奇妙なものだ。
私は突然なことに息を忘れそうな体に深呼吸をして無理やり酸素を通した後、男に最後の一文について尋ねた。
「この『兄』の仇というのは?」
男は話しにくそうに膝の上に置いていた拳をギュッと固く握りしめた。
「その写真、えっとそう。左から2番目の人が僕の兄なのです。戦争で亡くなりましたが……」
「そう、ですか」
「正直なところ、どうして右端の人物が兄の仇になるのかさえ分からないのです。当時の政府や天人であれば仇であることも理解できるのですが、この写真に写っている兄は笑っているように見えます。だからこそでしょうか。なぜ仇なのか、僕は会って何があったのか聞いてみたい」
あぁ、真っすぐで眩しくて、鋭く突き刺さるな。
私はおそらくこの『兄』を知っている。そしてなぜ私が仇とされるのかも十分に理解できる。
「どうかこの人物がどこにいるのか、探してはくれないでしょうか」
男は私と坂田くんに頭を下げた。男がかけていたショルダーバックは体につぶされてぐしゃりと形を変えていた。
――芳野飛鳥視点 終了――
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