2.万事屋、業務提携編
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「元はと言えば、手前ェが会いに来なかったのが悪いじゃねーか! 不当な請求だろうが!」
「それはそれだし、これはこれ‼」
「そういや紅桜の後も勝手に消えやがって、万事屋にも顔出してねーしよ‼」
「あ、あのー…」
芳野と銀時が言い合いをしていると、穴のあけられた扉の向こうから戸惑ったような揺れた声で声がかけられた。穴が開いているため扉向こうとは思えないほど声はよく通っていたるはずなのだが、二人に届いている様子は全くない。言い争いは加速していくばかりだった。
「大体なんで紅桜なんて追ってたんだよ、今もまだ危ねぇことしてんの」
「戦時中 に比べたら危なくなんか」
「屁理屈ばっかいう子に育てた覚えはありません‼」
「坂田くんに育てられた覚えはないよ、偽物のお母さん」
言い争いはだんだんヒートアップし、いよいよお互い立ち上がり胸倉をつかみそうな勢いになったときのことだった。
「あの‼‼」
「うわぁ、声デカ⁉」
扉の穴から顔を覗かせてる男性の声に、芳野の体は大きく跳ねた。
芳野は声の下方へと目をやると、来客の存在をようやく認識して慌てて玄関へと走り扉を開けた。深く謝罪の礼をした。
「いっ、依頼に来たのですが入ってもいいでしょうか……?」
「すいません、どうぞどうぞ!」
突如訪問した男は穴の開いた扉を不審に思いながらも芳野に続いて部屋に入った。
玄関から続く客間に入ると、銀時の姿を見て迷惑そうに眼を細めた。銀時はその様子に気が付いたものの帰る様子は一切見せるどころか、ソファー深く座りなおした。
「お一人でやられていると聞いたのですが」
「ただのバイトなんで、お気になさらず」
銀時は声の調子は軽く、右手をひらひらと振った。
一方芳野は自身の信頼問題にもかかわりそうな状況をどう打開するかに、目が回っていた。客の男は自称バイトを名乗る銀時を不審に思っているようで、不安げに視線を揺らしていた。銀時はといえば、帰る気はさらさらない様子だ。しかもご丁寧に芳野が座るスペースを自身の隣にしっかりと開けていた。
頭を抱えたくなる状況なのだが、ひとまず来客の対応をと渋々芳野は客人に向かいのソファーへ座るよう誘導したのち、銀時の隣に腰かけた。
「隣の男も十分に口の堅い……男なので。何かあれば私が保証いたしますので、ご容赦を」
「はぁ……」
客人の男はちらちらと銀時を見てはいるものの、芳野の言葉を無理やり飲み込んだ。
ようやく落ち着いたところで、改めて突然訪れた客人を怪しまれないように観察した。
年齢はおそらく芳野と同年代か少し上。中肉中背の男性。荷物は斜めにかけられた黒のショルダーバッグのみで、服装もいたって普通の和服だった。少なくとも芳野へ依頼が必要な人種には見えず、珍しく思えた。
「まず依頼内容を確認する前に1点確認なのですが」
「はい」
「なぜ、私へ依頼を?」
「なぜ、というのは」
「……答えられないのであればお引き取りを」
「て、手紙に書いてあったんです。ここの情報屋に聞け、と」
男はかけていたショルダーバッグの中から茶封筒を取り出し、芳野との間にあるテーブルの上に置いた。
芳野はその茶封筒を手に取った。封筒のどこにも宛名のようなものは書かれておらず、郵便局の消印も見られなかった。おそらく誰かが客人のポスト内に直接入れたのだろう。
隣に座っている銀時が芳野の手からひょいと封筒を取り上げ、中に入っているものを取り出した。そして入っていたものを見て銀時は声を低く、男にじろりと目線をやった。
「お客人」
「なっなんですか」
「こいつはどこで手に入れた」
芳野が銀時から封筒の中身を取り上げ確認すると、一瞬息が詰まるような錯覚に襲われるのだった。
茶封筒に入っていたものは1枚の写真。それも攘夷戦争時代、芳野が唯一端に写ってしまっていたとある日の集合写真だった。
「それはそれだし、これはこれ‼」
「そういや紅桜の後も勝手に消えやがって、万事屋にも顔出してねーしよ‼」
「あ、あのー…」
芳野と銀時が言い合いをしていると、穴のあけられた扉の向こうから戸惑ったような揺れた声で声がかけられた。穴が開いているため扉向こうとは思えないほど声はよく通っていたるはずなのだが、二人に届いている様子は全くない。言い争いは加速していくばかりだった。
「大体なんで紅桜なんて追ってたんだよ、今もまだ危ねぇことしてんの」
「
「屁理屈ばっかいう子に育てた覚えはありません‼」
「坂田くんに育てられた覚えはないよ、偽物のお母さん」
言い争いはだんだんヒートアップし、いよいよお互い立ち上がり胸倉をつかみそうな勢いになったときのことだった。
「あの‼‼」
「うわぁ、声デカ⁉」
扉の穴から顔を覗かせてる男性の声に、芳野の体は大きく跳ねた。
芳野は声の下方へと目をやると、来客の存在をようやく認識して慌てて玄関へと走り扉を開けた。深く謝罪の礼をした。
「いっ、依頼に来たのですが入ってもいいでしょうか……?」
「すいません、どうぞどうぞ!」
突如訪問した男は穴の開いた扉を不審に思いながらも芳野に続いて部屋に入った。
玄関から続く客間に入ると、銀時の姿を見て迷惑そうに眼を細めた。銀時はその様子に気が付いたものの帰る様子は一切見せるどころか、ソファー深く座りなおした。
「お一人でやられていると聞いたのですが」
「ただのバイトなんで、お気になさらず」
銀時は声の調子は軽く、右手をひらひらと振った。
一方芳野は自身の信頼問題にもかかわりそうな状況をどう打開するかに、目が回っていた。客の男は自称バイトを名乗る銀時を不審に思っているようで、不安げに視線を揺らしていた。銀時はといえば、帰る気はさらさらない様子だ。しかもご丁寧に芳野が座るスペースを自身の隣にしっかりと開けていた。
頭を抱えたくなる状況なのだが、ひとまず来客の対応をと渋々芳野は客人に向かいのソファーへ座るよう誘導したのち、銀時の隣に腰かけた。
「隣の男も十分に口の堅い……男なので。何かあれば私が保証いたしますので、ご容赦を」
「はぁ……」
客人の男はちらちらと銀時を見てはいるものの、芳野の言葉を無理やり飲み込んだ。
ようやく落ち着いたところで、改めて突然訪れた客人を怪しまれないように観察した。
年齢はおそらく芳野と同年代か少し上。中肉中背の男性。荷物は斜めにかけられた黒のショルダーバッグのみで、服装もいたって普通の和服だった。少なくとも芳野へ依頼が必要な人種には見えず、珍しく思えた。
「まず依頼内容を確認する前に1点確認なのですが」
「はい」
「なぜ、私へ依頼を?」
「なぜ、というのは」
「……答えられないのであればお引き取りを」
「て、手紙に書いてあったんです。ここの情報屋に聞け、と」
男はかけていたショルダーバッグの中から茶封筒を取り出し、芳野との間にあるテーブルの上に置いた。
芳野はその茶封筒を手に取った。封筒のどこにも宛名のようなものは書かれておらず、郵便局の消印も見られなかった。おそらく誰かが客人のポスト内に直接入れたのだろう。
隣に座っている銀時が芳野の手からひょいと封筒を取り上げ、中に入っているものを取り出した。そして入っていたものを見て銀時は声を低く、男にじろりと目線をやった。
「お客人」
「なっなんですか」
「こいつはどこで手に入れた」
芳野が銀時から封筒の中身を取り上げ確認すると、一瞬息が詰まるような錯覚に襲われるのだった。
茶封筒に入っていたものは1枚の写真。それも攘夷戦争時代、芳野が唯一端に写ってしまっていたとある日の集合写真だった。
