2.万事屋、業務提携編
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紅桜の一件から数日、芳野はすっかり『情報屋』としての生活に戻っていた。
鬼兵隊の船の大爆発や、その船から飛び降りた謎の侍3人の姿はテレビ番組で取り上げられていたものの、運よく逆行となっていて顔が割れることはなかった。
情報屋という仕事をしている都合上、芳野自身が公に出ることはあまり良いことではないため、胸をなでおろしていた。
芳野の傷はといえば、ほぼほぼ治っていた。胸にできていた傷のツッパリも消え傷跡が残ることもなかった。
「これで、全部終わったー!」
芳野はノートパソコンを勢い良くバタンと閉じると、椅子に座ったまま大きく伸びをした。
紅桜の件で溜まってしまった作業や仕事は最低でも三日分。期日がぎりぎりなものから1つずつ片付け、怪我が治ったばかりの体に鞭を打ち、芳野はなんとか通常業務に戻れるほどまでに整理し終えたのだった。その間、情報屋に訪れる来客対応も、従業員なんてものは雇っていないため自身で行ってた。
パソコンのある作業机の上にはエナジードリンクの缶が数本、これから郵便局へ出しに行かなければならない封筒の山が散乱していた。
そして芳野の目の下にはしっかりとして隈が見て取れた。
「これでも一応、江戸の危機を救ったばっかで体はボロボロだってのに。これを機に休業日でも設けてみようかな……」
芳野がぐっと背中をそらせば、椅子の背もたれがぎしっと音を立てた。
ピンポーン――
「……空気が読めないお客様だこと」
芳野が上体を重そうに起こして立ち上がった。そして立ち上がった勢いのまま玄関までふらふらと歩いて聞き、扉についている覗き穴を除いた。
「うわ」
覗き穴から見えたのは、つい数日前まで一緒に戦っていた知人、坂田銀時の姿だった。胸元にはまだ包帯が巻かれていて完治はしていないようだが、問題なく歩けるくらいには回復しているらしい。
芳野はゆっくりとカギを閉めると扉から1歩、2歩と後ろへと下がっていった。
というのも、紅桜の事件が治まってから芳野は万事屋へと顔を出していない。もちろん自身の居場所も教えていないため、しばらくは顔を合わすことはないだろうと思っていたのだが、どうやってか坂田銀時は仕事場にまで訪ねてきているのだ。
ピンポーン――
「……」
ピンポーン――
「……」
――――
しばらくチャイムが鳴らされていたが、突然ピタリと音が止まった。芳野はすうっと息を潜ませ扉向こうの気配を確かめるも、立ち去ってはいないようだった。
「これは……」
「芳野ちゃーん‼」
扉向こうにいる銀時が大声で名前を呼んだ。
「待っ‼」
「遊びましょぉぉぉ‼‼」
「だぁもうっ‼‼」
芳野が急いで玄関の鍵を開けようと手を伸ばした時、扉が銀時の蹴りによってぶち破られた。頑丈とは言えない薄い扉には銀時の脚が貫通しており、のぞき窓の下あたりから黒いブーツが生えているようだった。
扉を壊されていることに芳野が頭を抱えていると、生えいてた黒いブーツが惹かれていきぽっかりと穴が開いた状態になった。そしてその穴に銀時は腕を差し込むと扉の鍵を開き、扉としてはもう機能しないであろうそれを開けた。
「よォ、野球しようや」
「お生憎様インドアなもので」
「そんじゃあ宇野 だな、邪魔すんぜ」
「えぇー…」
銀時はブーツを脱ぐと真っすぐ部屋へと入っていった。その場に残されたのは穴の開いた扉と、これからをどう乗り切るか頭を悩ませている芳野だけだった。
鬼兵隊の船の大爆発や、その船から飛び降りた謎の侍3人の姿はテレビ番組で取り上げられていたものの、運よく逆行となっていて顔が割れることはなかった。
情報屋という仕事をしている都合上、芳野自身が公に出ることはあまり良いことではないため、胸をなでおろしていた。
芳野の傷はといえば、ほぼほぼ治っていた。胸にできていた傷のツッパリも消え傷跡が残ることもなかった。
「これで、全部終わったー!」
芳野はノートパソコンを勢い良くバタンと閉じると、椅子に座ったまま大きく伸びをした。
紅桜の件で溜まってしまった作業や仕事は最低でも三日分。期日がぎりぎりなものから1つずつ片付け、怪我が治ったばかりの体に鞭を打ち、芳野はなんとか通常業務に戻れるほどまでに整理し終えたのだった。その間、情報屋に訪れる来客対応も、従業員なんてものは雇っていないため自身で行ってた。
パソコンのある作業机の上にはエナジードリンクの缶が数本、これから郵便局へ出しに行かなければならない封筒の山が散乱していた。
そして芳野の目の下にはしっかりとして隈が見て取れた。
「これでも一応、江戸の危機を救ったばっかで体はボロボロだってのに。これを機に休業日でも設けてみようかな……」
芳野がぐっと背中をそらせば、椅子の背もたれがぎしっと音を立てた。
ピンポーン――
「……空気が読めないお客様だこと」
芳野が上体を重そうに起こして立ち上がった。そして立ち上がった勢いのまま玄関までふらふらと歩いて聞き、扉についている覗き穴を除いた。
「うわ」
覗き穴から見えたのは、つい数日前まで一緒に戦っていた知人、坂田銀時の姿だった。胸元にはまだ包帯が巻かれていて完治はしていないようだが、問題なく歩けるくらいには回復しているらしい。
芳野はゆっくりとカギを閉めると扉から1歩、2歩と後ろへと下がっていった。
というのも、紅桜の事件が治まってから芳野は万事屋へと顔を出していない。もちろん自身の居場所も教えていないため、しばらくは顔を合わすことはないだろうと思っていたのだが、どうやってか坂田銀時は仕事場にまで訪ねてきているのだ。
ピンポーン――
「……」
ピンポーン――
「……」
――――
しばらくチャイムが鳴らされていたが、突然ピタリと音が止まった。芳野はすうっと息を潜ませ扉向こうの気配を確かめるも、立ち去ってはいないようだった。
「これは……」
「芳野ちゃーん‼」
扉向こうにいる銀時が大声で名前を呼んだ。
「待っ‼」
「遊びましょぉぉぉ‼‼」
「だぁもうっ‼‼」
芳野が急いで玄関の鍵を開けようと手を伸ばした時、扉が銀時の蹴りによってぶち破られた。頑丈とは言えない薄い扉には銀時の脚が貫通しており、のぞき窓の下あたりから黒いブーツが生えているようだった。
扉を壊されていることに芳野が頭を抱えていると、生えいてた黒いブーツが惹かれていきぽっかりと穴が開いた状態になった。そしてその穴に銀時は腕を差し込むと扉の鍵を開き、扉としてはもう機能しないであろうそれを開けた。
「よォ、野球しようや」
「お生憎様インドアなもので」
「そんじゃあ
「えぇー…」
銀時はブーツを脱ぐと真っすぐ部屋へと入っていった。その場に残されたのは穴の開いた扉と、これからをどう乗り切るか頭を悩ませている芳野だけだった。
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