1.紅桜編
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桂は刀を構え、啖呵を切った。
「貴様ら野蛮な輩に揺り起こされたのでは江戸も目覚めが悪かろうて。朝日をみずして眠るがいい」
曇天の空の下、桂の構えた刀が鈍く光ったかと思えば、神楽が桂の背後からがっしりと体を捕まえていた。
「え」
「眠んのは てめェだァァ‼」
「ふごを‼」
そしてそのままジャーマンスープレックスを仕掛け、桂は頭から甲板へとめり込んでいった。
まさかの光景に、芳野も鬼兵隊もみな呆然としていた。
続いて新八が、神楽が縛り付けられていた丸太をずるずると引きずり桂に近寄る。
「てめ~~人に散々心配かけといて、エリザベスの中に入っていただァ~~?」
「し、志村くん?」
「ふざけんのも大概にしろォォ‼」
振りかぶったかと思えば、そのままバッティングセンターのように桂をふっとばした。
大きくふっとばされた桂の体は、そのまま囲って様子を見ていた鬼兵隊を巻き込み数人なぎ倒していった。
新八と神楽が青筋を立てながら桂に迫る。
「いつからエリザベスん中入ってた あん? いつから俺達だましてた?」
「ちょっ待て。今はそういうこと言ってる場合じゃないだろう。ホラ見て、今にも襲い掛かってきそうな雰囲気だよ?」
「うるせーんだよ‼ こっちも襲い掛かりそうな雰囲気!」
桂、が新八と神楽に攻めたてられている中、鬼兵隊の隊員が攻撃の好機を逃すまいと斬りかかろうとアイコンタクトを取っていた。芳野はすかさず刀を手に取り、三人を守るようにして構えた。
「今は攻撃するタイミングじゃなくない?ほら、ヒーローの変身シーンは手を出したらいけないてきな?」
「なにがヒーローだ!貴様ごと叩っ斬ってやる!」
「あーもう!」
問答無用で聞きかかってきた隊員をどうしようかと考えていた芳野だった、背後から新八と神楽の声とともに嫌な予感がしてその場から飛びのけば、桂が両足を二人に持たれた振り回されていた。
「えぇ……」
芳野は振り回されている桂にあたり吹き飛ばされていく鬼兵隊隊員に、心の中で合掌をした。
これ以上桂をボロボロにされると、この後の行動に困るかもしれないと、怒りの治まらない二人へ声をかけようとしたとき、一隻の戦艦がこちらに向かって進んできていることに気が付いた。
その戦艦はスピードを落とすことなくそのまま芳野たちのいる艦へと頭から突っ込んできた。そしてその艦からは攘夷浪士、桂の仲間たちがエリザベスとともに流れ込んできた。
芳野はできるだけ殺さぬよう、向かってきた敵を殴り飛ばしていた。できる限り三人に敵が近づかないようあたりを蹴散らしながらも、視界の端では混乱の中から立ち去る高杉の背中を確認していた。
船上が多少桂側が優位をとっていると判断した芳野は、桂へと声をかける
「桂くん、先行ってるから!」
「おい芳野‼」
「ちゃんと追いついてきなよね‼」
芳野はそのまま、高杉の後を追おうと駆け出した。しかし、武市半平太と来島また子が行く手をふさいでいたため、別のルートへと進んだ。
先ほど船戦艦が突っ込んできた衝撃や爆発の影響で、この艦はあちらこちらに穴が開いてしまっている状態だ。多少危険だったが進めないことはなかった。
すれ違う隊員を倒しつつ、芳野は歩みを止めなかった。
高杉と桂を二人きりにさせてしまっては、今の状態だと殺し合いになってもおかしくない。それだけは防ぎたい、その一心で芳野は高杉の背中を追っていた。
「たぶん志村くんも神楽ちゃんも、桂くんについてきちゃうよなぁ……って、あ!」
芳野は、ハッと自身の落ち度に気が付いてしまった。
「あのままだとあの三人と、鬼兵隊のあの二人が戦うことになるんじゃ……やば、戻らなっ⁉」
「ほォ」
踵を返し、三人のもとへと向かおうと進行方向に背を向けた時、芳野の背後から貫くような殺気とともに刀が振り下ろされていた。
間一髪のところで芳野は攻撃を防ぎ、相手を見た。
「た、かすぎくん……っ‼」
「腕は鈍っちゃいねェな」
「それはどう、も‼」
ギリギリと力で押し込められていた刀を、横に滑らせ、そのまま高杉へと蹴りを入れて距離をとった。
芳野の蹴りは腕で防がれてしまったが、高杉の体も軽く飛んだ。このまま戦闘が始まってしまうのかと芳野は思ったが、高杉は刀をおさめ芳野に背を向けて歩き出した。
「来いよ、特等席に案内してやらァ」
「……随分贅沢なお誘いじゃん」
周りに他の人やものの気配がないことを確認したうえで芳野も刀を収めた。
そしてそのまま高杉の後を静かについていくのであった。
「貴様ら野蛮な輩に揺り起こされたのでは江戸も目覚めが悪かろうて。朝日をみずして眠るがいい」
曇天の空の下、桂の構えた刀が鈍く光ったかと思えば、神楽が桂の背後からがっしりと体を捕まえていた。
「え」
「眠んのは てめェだァァ‼」
「ふごを‼」
そしてそのままジャーマンスープレックスを仕掛け、桂は頭から甲板へとめり込んでいった。
まさかの光景に、芳野も鬼兵隊もみな呆然としていた。
続いて新八が、神楽が縛り付けられていた丸太をずるずると引きずり桂に近寄る。
「てめ~~人に散々心配かけといて、エリザベスの中に入っていただァ~~?」
「し、志村くん?」
「ふざけんのも大概にしろォォ‼」
振りかぶったかと思えば、そのままバッティングセンターのように桂をふっとばした。
大きくふっとばされた桂の体は、そのまま囲って様子を見ていた鬼兵隊を巻き込み数人なぎ倒していった。
新八と神楽が青筋を立てながら桂に迫る。
「いつからエリザベスん中入ってた あん? いつから俺達だましてた?」
「ちょっ待て。今はそういうこと言ってる場合じゃないだろう。ホラ見て、今にも襲い掛かってきそうな雰囲気だよ?」
「うるせーんだよ‼ こっちも襲い掛かりそうな雰囲気!」
桂、が新八と神楽に攻めたてられている中、鬼兵隊の隊員が攻撃の好機を逃すまいと斬りかかろうとアイコンタクトを取っていた。芳野はすかさず刀を手に取り、三人を守るようにして構えた。
「今は攻撃するタイミングじゃなくない?ほら、ヒーローの変身シーンは手を出したらいけないてきな?」
「なにがヒーローだ!貴様ごと叩っ斬ってやる!」
「あーもう!」
問答無用で聞きかかってきた隊員をどうしようかと考えていた芳野だった、背後から新八と神楽の声とともに嫌な予感がしてその場から飛びのけば、桂が両足を二人に持たれた振り回されていた。
「えぇ……」
芳野は振り回されている桂にあたり吹き飛ばされていく鬼兵隊隊員に、心の中で合掌をした。
これ以上桂をボロボロにされると、この後の行動に困るかもしれないと、怒りの治まらない二人へ声をかけようとしたとき、一隻の戦艦がこちらに向かって進んできていることに気が付いた。
その戦艦はスピードを落とすことなくそのまま芳野たちのいる艦へと頭から突っ込んできた。そしてその艦からは攘夷浪士、桂の仲間たちがエリザベスとともに流れ込んできた。
芳野はできるだけ殺さぬよう、向かってきた敵を殴り飛ばしていた。できる限り三人に敵が近づかないようあたりを蹴散らしながらも、視界の端では混乱の中から立ち去る高杉の背中を確認していた。
船上が多少桂側が優位をとっていると判断した芳野は、桂へと声をかける
「桂くん、先行ってるから!」
「おい芳野‼」
「ちゃんと追いついてきなよね‼」
芳野はそのまま、高杉の後を追おうと駆け出した。しかし、武市半平太と来島また子が行く手をふさいでいたため、別のルートへと進んだ。
先ほど船戦艦が突っ込んできた衝撃や爆発の影響で、この艦はあちらこちらに穴が開いてしまっている状態だ。多少危険だったが進めないことはなかった。
すれ違う隊員を倒しつつ、芳野は歩みを止めなかった。
高杉と桂を二人きりにさせてしまっては、今の状態だと殺し合いになってもおかしくない。それだけは防ぎたい、その一心で芳野は高杉の背中を追っていた。
「たぶん志村くんも神楽ちゃんも、桂くんについてきちゃうよなぁ……って、あ!」
芳野は、ハッと自身の落ち度に気が付いてしまった。
「あのままだとあの三人と、鬼兵隊のあの二人が戦うことになるんじゃ……やば、戻らなっ⁉」
「ほォ」
踵を返し、三人のもとへと向かおうと進行方向に背を向けた時、芳野の背後から貫くような殺気とともに刀が振り下ろされていた。
間一髪のところで芳野は攻撃を防ぎ、相手を見た。
「た、かすぎくん……っ‼」
「腕は鈍っちゃいねェな」
「それはどう、も‼」
ギリギリと力で押し込められていた刀を、横に滑らせ、そのまま高杉へと蹴りを入れて距離をとった。
芳野の蹴りは腕で防がれてしまったが、高杉の体も軽く飛んだ。このまま戦闘が始まってしまうのかと芳野は思ったが、高杉は刀をおさめ芳野に背を向けて歩き出した。
「来いよ、特等席に案内してやらァ」
「……随分贅沢なお誘いじゃん」
周りに他の人やものの気配がないことを確認したうえで芳野も刀を収めた。
そしてそのまま高杉の後を静かについていくのであった。
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