1.紅桜編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
似蔵が自身の背後にいる芳野を斬ろうと紅桜を銀時から抜こうとするも、いくら力をかけても刃は動かなかった。
銀時が自らを刺す紅桜を絶対に話すものかと抱え込んでいたのだ
「剣ならまだあるぜ、とっておきのがもう一本」
「(抜けな――)」
銀時が不敵に笑った。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
芳野の体がぐらりと横に倒れたその時、刀を持った新八が雄たけびを上げながら橋の穴から飛び降り、その勢いのまま似蔵の右腕、紅桜の生えている腕を切り落とした。
似蔵の右腕は人の形を取り戻し、少し離れたところに飛んだ。
「アララ、腕がとれちまったよ。ひどいことするね僕」
「それ以上来てみろォォ‼次は左手をもらう‼」
震える体を隠し切れない新八だが、銀時を背に似蔵を睨み叫びつけた。勝てない相手、それも人を殺すことにためらいのない相手に対峙するには、新八はまだ若すぎた。
似蔵が方をつけてようと一歩踏み出そうとしたとき、芳野がふらふらと立ち上がる。
「そこの僕よりかはまだ戦れそうだが……、紅桜にとっては意味がないね」
「なに、やってみる?」
芳野は肩で息をしつつ、先ほど似蔵に壊された木刀の切っ先のかけらを手に持ち戦闘態勢を取ろうとする。すると、川辺の上流、上の道からピィーという笛の音が聞こえ、そちらに目を凝らすと複数の提灯の光が見えた。
「オイ!そこで 何をやっている‼」
「チッ、うるさいのが来ちまった。勝負はお預けだな」
瞬く間に奉行所の役人たちが川岸を囲むのを確認しながら、似蔵は紅桜を拾い上げるとやれやれと肩をすくめた。
「勝負はお預けだな、まァまた機会があったらやりあおうや」
似蔵は銀時と芳野に目線をやると、負傷しているとは思えない速さでその場を走り去っていった。奉行所の人たちも似蔵を追いかけていき、提灯の光が離れていった。
芳野は似蔵の姿が見えなくなるまで、走り去っていた方向を眺めていたが新八の悲壮な声にハッとして銀時たちに駆け寄った。
「銀さん、銀さん‼」
「落ち着け少年、坂田くんは死なないよ。刺されたくらいで死ぬようなやつじゃない」
「でも血が‼」
芳野は銀時を抱えている新八を引きはがすと、死にかけている銀時の脈をとる。通常時とは異なる強さだが、それでも何とか生きている。それにこの男、坂田銀時が守るものを前にして死ぬような男でないことを、芳野はよく知っていた。
「休ませられるところ、知ってる?」
「よ、万事屋なら」
「万事屋……さっきも坂田くん言ってたな。肩をかしてくれ、移動させよう。逃げなかった君への説教もその後だね」
「あの‼」
芳野が銀時の体を持ち上げると、二人の体からは血液があふれだしてくる。芳野は痛みに顔をしかめるが、銀時を引きずるように歩み始めた。そしてすぐ、新八が芳野が支えるのとは反対側から銀時を支えながら、問いただしてきた。
「あなたは一体……?それに銀さんと同じように血が!」
「そうだなぁ。万事屋についた後、私のことについて話そうか」
ぼたぼたと落ちる二人分の血が川の水に流されて、流れに沿って長く伸びていた。
銀時が自らを刺す紅桜を絶対に話すものかと抱え込んでいたのだ
「剣ならまだあるぜ、とっておきのがもう一本」
「(抜けな――)」
銀時が不敵に笑った。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
芳野の体がぐらりと横に倒れたその時、刀を持った新八が雄たけびを上げながら橋の穴から飛び降り、その勢いのまま似蔵の右腕、紅桜の生えている腕を切り落とした。
似蔵の右腕は人の形を取り戻し、少し離れたところに飛んだ。
「アララ、腕がとれちまったよ。ひどいことするね僕」
「それ以上来てみろォォ‼次は左手をもらう‼」
震える体を隠し切れない新八だが、銀時を背に似蔵を睨み叫びつけた。勝てない相手、それも人を殺すことにためらいのない相手に対峙するには、新八はまだ若すぎた。
似蔵が方をつけてようと一歩踏み出そうとしたとき、芳野がふらふらと立ち上がる。
「そこの僕よりかはまだ戦れそうだが……、紅桜にとっては意味がないね」
「なに、やってみる?」
芳野は肩で息をしつつ、先ほど似蔵に壊された木刀の切っ先のかけらを手に持ち戦闘態勢を取ろうとする。すると、川辺の上流、上の道からピィーという笛の音が聞こえ、そちらに目を凝らすと複数の提灯の光が見えた。
「オイ!そこで 何をやっている‼」
「チッ、うるさいのが来ちまった。勝負はお預けだな」
瞬く間に奉行所の役人たちが川岸を囲むのを確認しながら、似蔵は紅桜を拾い上げるとやれやれと肩をすくめた。
「勝負はお預けだな、まァまた機会があったらやりあおうや」
似蔵は銀時と芳野に目線をやると、負傷しているとは思えない速さでその場を走り去っていった。奉行所の人たちも似蔵を追いかけていき、提灯の光が離れていった。
芳野は似蔵の姿が見えなくなるまで、走り去っていた方向を眺めていたが新八の悲壮な声にハッとして銀時たちに駆け寄った。
「銀さん、銀さん‼」
「落ち着け少年、坂田くんは死なないよ。刺されたくらいで死ぬようなやつじゃない」
「でも血が‼」
芳野は銀時を抱えている新八を引きはがすと、死にかけている銀時の脈をとる。通常時とは異なる強さだが、それでも何とか生きている。それにこの男、坂田銀時が守るものを前にして死ぬような男でないことを、芳野はよく知っていた。
「休ませられるところ、知ってる?」
「よ、万事屋なら」
「万事屋……さっきも坂田くん言ってたな。肩をかしてくれ、移動させよう。逃げなかった君への説教もその後だね」
「あの‼」
芳野が銀時の体を持ち上げると、二人の体からは血液があふれだしてくる。芳野は痛みに顔をしかめるが、銀時を引きずるように歩み始めた。そしてすぐ、新八が芳野が支えるのとは反対側から銀時を支えながら、問いただしてきた。
「あなたは一体……?それに銀さんと同じように血が!」
「そうだなぁ。万事屋についた後、私のことについて話そうか」
ぼたぼたと落ちる二人分の血が川の水に流されて、流れに沿って長く伸びていた。