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その十六
夢主の名前
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「花開院さん?やっぱり・・・こっちにいたのか・・・」
「奴良・・・くん・・・?」
リクオは清十字団とは分かれて花開院ゆらを探していた。
そしてたどり着いた町外れの廃墟で、ゆらは一人で修行をしていた。
ゆらは、リクオが妖怪ではないかという疑念を抱いていた。
しかしそれを払拭しようとしている。
リクオは、姉を瀕死に追い込んだ犯人とゆらの関係を探りたかった。
そして犯人がゆらの一族でないことを祈っていた。
互いが互いに相手の真実を知りたがっている。
リクオの行動が、リクオの祖父を彷彿とさせる。
そしてその祖父は、なぜかムチや四国の妖怪の現れるところに現れたのだ。
「(奴良くんに正直に聞いてみたい。答えてくれるかもわからん)」
「花開院さん、聞きたいことがあるんだけど・・・」
ゆらは陰陽師だというが、リクオは彼女を脅威と思ったことはまだなかった。
実際、ゆらが妖怪を滅したのは、清継の家でみた呪いの人形の件だけだ。どうか、ゆらとは関係がありませんように。
(もし、花開院さんが夢主姉と青田坊を襲った犯人の血縁であったら?)
(もし、奴良くんが妖怪だったら?)
・・・――戦わなければならないかもしれない・・・
「ゆら、やっと見つけたぜ。ゆらぁ・・・」
そこへ現れたのはゆらの兄たち、彼らもまた陰陽師である。
竜二はリクオの正体を瞬時に見抜き、滅しようとする。それに対し、ゆらは確信がないままにはリクオを滅することはできない。
ゆらは“人間”のリクオを守るため竜二の前に立ちはだかる。
リクオは竜二の攻撃を避けるうちに確信する。水の式神を操る竜二、するともう一人の長身の男は雷使いなのだろう。
実兄の容赦ない攻撃を受けるゆらを、ついにリクオは見ていられなくなる。夜の姿に変化したリクオは竜二に真っ向から戦いを臨むのだった。
「陰陽師だか花開院だか知らねぇが・・・仲間に手を出す奴ぁ・・・許しちゃおけねぇ!!」
竜二の持つ筒から放たれた水は花の形を成した。それはただの水ではない。金生水の花に触れればたとえ妖怪でも溶けてしまう。ただし、3分が限度だという。
リクオは祢々切丸を構えて八方からの攻撃に耐える。浮かぶ金生水の花も残りが少なくなる。このまま耐え切れば、リクオの勝ち――ではなかった・・・。
「3分間ごくろうさん・・・異形のものよ、闇に散れ」
花は陣を作るための目隠しにすぎなかった。リクオを中心に陣が浮かび上がる。そして、水はリクオの居た場所を粉砕する。
「俺は才能がないのでね・・こいつを作るのに時間がかかるんだ。3分な・・・」
決着は、まだ付いていなかった。竜二は背後に気配を感じて、先ほどリクオを滅したはずの場所を見る。しかし、そこには羽織が一枚落ちているだけだった。
肩に置かれる刃。
「何故気づいた・・・?」
「てめぇの言葉は”ウソだらけ”・・・そもそもてめぇみてぇな悪人面の言うこと・・・誰が信じんだ」
リクオは竜二が次の行動をするより早く、彼の肩口を斬った。
崩れる竜二に、悲鳴を上げるゆら。
「生憎、これしか刀を持っちゃいねぇんだ」
竜二はハッとする。斬られたはずの肩には切り傷はない。まるで峰打ちされたようだった。
「姉を襲ったてめぇは許すわけにはいかねぇ」
「姉…?ハッそうか、昨日のあの女はお前の姉だったのか。どうりで」
どうりで、そこまで言って竜二は口を噤んだ。
そこへ今まで傍観していた魔魅流が符を持ってリクオに突撃した。さすがのリクオも突然のことに避けきることができなかった。
魔魅流の雷を受けて動けないリクオ。そこに重ねて攻撃をすべく魔魅流の手がリクオに伸びる。しかし、寸でのところで何かに拘束されて魔魅流の動きが止まる。
「はい――そこまでだ。その手を引っ込めるんだ、浮世の人よ」
現れたのは冷徹な表情の首無だった。