すべての夢小説で共通です。
その十六
夢主の名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「夢主・・・」
自分を呼ぶ声がして、夢主は顔を上げる。今までただ白いだけの空間だったのに、そこに淡い光が現れた。
それは次第に、人の形を持った。そうしてまた聞こえた呼び声。今度は目の前の“人”から、確かに聞こえた。
「夢主、はじめましてですね」
着物を着た美しい女性が夢主の前に立っていた。
「あなたは、だれ?」
「私はあなたの祖母です」
「祖母・・・珱姫様!?」
「珱姫様だなんて、妖様をおじいちゃんと呼ぶように、おばあちゃんと呼んでください」
珱姫は花の飛ぶような笑顔で夢主に言う。
夢主は困り果てた。目の前の珱姫はとても若い容姿をしている。そんな人相手に、おばあちゃんだなんて呼びにくい。渋っていると、さあ!と夢主を促す珱姫。
「お、おばあちゃん・・・?」
しぶしぶ呼んだが、抵抗を感じる。そんな夢主に、珱姫はとても嬉しそうに笑う。夢主もつられて笑う。
「やっと、笑いましたね。夢主は笑顔が可愛い子です。ずっと笑っていてください」
ずっとという言葉に夢主はひっかかりを感じる。
「でも、おばあちゃん・・・私、死んじゃったんじゃないの?」
ここが死後の世界なら、珱姫と会ったこともうなずける。死んでしまったのに、笑顔でいろだなんて。
「いいえ、夢主は生きていますよ。陰陽師の攻撃で夢主の妖怪の部分がひどい怪我を負ってしまったんです」
夢主は珱姫の言葉に安堵する。
「回復には相当の時間がかかるでしょう。今の奴良組に私やあなたのように治癒の能力をもった方がいればいいのですが・・・」
「そう、なんだ・・・。また、心配をかけてしまう」
「大丈夫、私もできる限りにことはしましょう。ただ、その間、あなたに少し聞いてほしいお話があります」
珱姫は一度目を閉じるとゆっくりと開いて、夢主をまっすぐに見た。