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その十四
夢主の名前
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「お・・・・・おたすけえええ~~~」
夢主はどこかで助けを求める声を聞いた。
どこからかはわからない。聞こえてしまったのだから、放っておくこともできない。
猩影を伴って、声のするほうへと足を速めた。
開けたところに出ると、一匹の妖怪が池に向かって泣いている。助けを求めたのはこの妖怪のようだ。
「どうかしたの?」
夢主は何の警戒もなしに、妖怪に近づき、そう訊ねた。
その様子に少し遅れてついてきた猩影はハラハラした。気が気じゃない。
「おいらのよめっこがぁ~~池に連れて行かれた~~」
池?二人揃って池を見る。
すると、池の中央付近に別の妖怪が浮かんでいる。
「おいてけ~~~おいてけ~~~」
「助けて~あんたーーー!」
浮いている妖怪の腕の中に、また別の妖怪がいる。
彼女は、おそらく岸の妖怪の”よめっこ”で、助けを求めている。
状況が飲み込めた夢主と猩影は、どうするべきか考えた。
しかし、いい案は浮かばない。実力行使で池の妖怪を倒すにも、そこまでたどり着けない。
「ねえ!お願い、その子を返してあげて!」
夢主は、交渉という手段を選んだ。できる限り大きな声で池の妖怪に呼びかける。
「嫌だね~アタシはここを通る幸せそ~~な奴から大事そうなモンをぶんどるのが楽しいのさ」
簡単には返してくれそうにない。うーんと、夢主はいい方法がないかまた考え始める。
「そうだな~~返して欲しけりゃコレより楽しいモン寄越しなぁ~~~」
「楽しめるもの?」
夢主は自分の持ち物から、池の妖怪に渡せそうなものがないか、思案する。
そうして考え込んでいると、池の妖怪が夢主目掛けて飛んでくる。それを目にした猩影が、彼女の身を守ろうと、夢主の前に立ちはだかった。
「夢主!」
夢主は、目の前の状況が理解できなかった。
池の妖怪が自分を目掛けて飛び込んでくる。
驚いて、動くより先に愛しい人の背中が見えた。
次の瞬間、自分の腕にはさっきまで池の妖怪に捕らわれていた、女の妖怪が飛び込んできていた。
彼の姿はなかった。
「首無、どうしよう。猩くんはきっと、池の中だ」
「落ち着いてください、夢主様。猩影ならきっと大丈夫ですよ」
言いながら、夢主の話から推測される妖怪に見当をつける。
「そいつはきっと、”置行堀”ですよ。通行人の一番大事なものを取ってしまう」