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その九
夢主の名前
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「散れ、カス犬」
その言葉と共に、犬神は木の葉と化した。
「お前、今――その犬を・・・」
「おや、奴良リクオくん・・・久しぶりだね。まさか君がそんな立派な・・・・・・姿になるとはね」
夢主の失踪から3日目、リクオの通う中学校では生徒会長立候補者による演説会が開かれていた。
この日も例に漏れず、リクオには、雪女、青田坊、黒田坊、首無、河童、毛倡妓の6人の護衛がつき、ともに学校に来ている。
組が大変なこんな時にまで、どうして学校に行くのか、護衛を利用して生徒たち全員を守ろうとしているのではないか。
つららはリクオの考えが全くわからないでいた。
そんな中、生徒たち全員が集まった体育館で、護衛の者とは違う妖気が漂った。
リクオと首無の作戦で四国妖怪、犬神をあぶりだすことに成功。
憎悪に狂う犬神を、暗幕の作り出した闇によって夜の姿へと変化したリクオが一矢報いたその時、壇上に玉章が現れた。
玉章は犬神を消した。
大将が部下を、味方を消したところを目の当たりにしたリクオは、信じられないという顔をする。
そんなリクオを一瞥して、玉章は初めてリクオに名を告げたのだった。
「僕は――四国八十八鬼夜行を束ねる者、そして八百八狸の長を父に持つ者」
妖怪・隠神刑部狸、名を――玉章
「君の”畏”をうばい、僕の八十八鬼夜行の後ろに並ばせてやろう」
「それは、こっちのセリフだぜ・・・豆狸」
敵の宣戦布告にニヤリとするリクオ。
「そうだ、忘れるところだったよ」
玉章はさも忘れていたかのように、言葉を並べる。
「?」
「君のお姉さんも僕が手に入れるから」
「な、姉貴!?どういうことだ」
「愚かだと思わないか、奴良組のシマから手を引くことをチラつかせたら簡単に着いてきたよ」
「おいまさか・・・!夢主は、」
リクオの顔が険しいものになる。
「利用されることを考えなかったのかな」
はははっと玉章は鼻で嘲笑う。
「『返して欲しくば、シマと交換』とかね。それでも構わないが、僕はどちらも手に入れたいから、彼女を道具にするつもりはないよ」