「リクオ様、お待ちください！」

「カラス天狗、どうしたの？」

「夢主様まで！」

「リクオ、朧車を使おう」

「うん、そうしよう」

「ええーい、こうなったらわしも付いていきます！」



「お二人とも、もうすぐ着きますよ」

「ん、羽？」

なぜか一枚の羽が舞ってる。

「なんで？」

「あ、あれは！屋敷が燃えている！おおーい！火事ですよーーーーー！」

「どうしよう・・・」

「そ、そのまま・・つっこんでーーーー！」

リクオの言葉通り朧車は鴆の屋敷に突っ込んだ。


「ごほごほっ」

「な、なんだ本家か？！」

「・・・リクオ？それに夢主
も！」



屋敷の中は表よりも激しく燃えていて、鴆はその煙に巻かれむせていた。

「鴆くん、大丈夫？」

すかさず夢主が鴆を支える。

「お前らお供はどうした！俺じゃ・・・お前らは守れねぇってのに」

「カラス天狗、こいつらは？」

「おそらく鴆一派の幹部のものかと」

「これって裏切り？」

「ちょうどいい、ぬらりひょんの孫共、殺して俺のハクがつくってもんだ！」




夢主とリクオがぬらりひょんの孫だと知れるや否や蛇太夫は夢主たちにも刃を向ける。




「許せねぇ」

リクオは蛇太夫に向き合った。

「リクオ？」

「どけ！リクオ、お前に何ができる」

「リクオ、ここは私が！」

夢主がリクオの前に出ようとするのを手で制すリクオ。


「下がってろ」

そういうと、リクオは夜の姿へと変化した。流れるような銀髪、切れ長の赤い目。その姿を見た夢主は微笑んだ。



「（リクオ、あなたなら立派な三代目になれるわ）」