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その七
夢主の名前
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「送ってくれてありがとう」
奴良家の門の前、夢主は猩影に背を向けたままそう言って、屋敷に向かっていってしまう。
猩影は、声をかける間もない。ここまでの帰路も会話らしい会話はほとんどなかった。
「夢主様」
その様子をたまたま見ていた二人がいた。
「ささ美、トサカ丸」
「猩影殿と、何かあったのか」
「・・・」
二人は思いつめた顔の夢主を見ていられなかった。
場所を変えようということになり、夢主を連れて三羽鴉にあてがわれた部屋へ移動した。
「で、何があったんだよ?ケンカか?」
「トサカ丸、夢主様に失礼だぞ」
「いいの、ささ美。・・・私が、猩くんにワガママだったのよ」
「どういうことだ?」
「猩くんには私を奴良家の娘じゃなくて、ひとりの女の子としてみてほしかった。だけどこんな私に付き合ってくれてたのは所詮、 ”奴良夢主”だからなのよ 」
「そんなことはないと思うが」
端から見ても猩影が夢主に惚れているのは一目瞭然だった。
それは、妖怪任侠を抜きにしてもだ。
「猩影は十分夢主様を好いていると思うぜ」
「どうして?」
「どうしてって言われてもなぁ、見てればわかるんだよ」
「そっか‥‥」
そう言った夢主は、誰も気づかないほど小さく微笑んだ。