約束(流川)
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私、藍川まどか。
中学から都内の私立一貫校に通う、高校1年生。
流川楓とは、家が近所で小学校6年間同じクラスだった。
小学校時代、ミニバスで一緒だったこともあったけど…
私は中学受験をきっかけにやめて、中学も別々になってからは会う回数が減っていった。
でも、今年の夏…地元の友達に誘われて、IH予選決勝リーグ観戦をして、久しぶりに楓のバスケを見た。
ミニバスでも富ヶ丘中学校のバスケ部でも活躍していた楓は、強豪校に進学したのかと思いきや、無名校の湘北高校へ進学し、そこでも大活躍して一躍有名人となっていた。
夏休み前…学校へちょっとした用事があり、都内へ行った帰り道、なんとなく見覚えがある長身の男の子を見つけた。
「あの…?もしかして、流川楓君…?」
「…あぁ…。」
声を掛けてみたら、やっぱり本人だった。
「やっぱり!私、藍川まどか。覚えてる?小学校でずっと同じクラスで、ミニバスでも少し一緒だった…。」
「藍川か…。その制服…小学校卒業してから、東京の私立行ったんだよな?」
覚えててくれた。
「そうだよ。この前ね、6年生の頃の女の子の友達に久々に会って、IH予選のバスケの決勝リーグ観に行ったんだよ!流川君が湘北に行って、あんなに大活躍してるなんてびっくりしたよ!凄く格好良かったよ!」
久しぶりに話ができて嬉しくて、試合の感想などを話したが、なんとなく流川君は元気がないようだ。
「流川君。どうしたの?何か元気なくない?」
と問いかけると…
「…もっと上手くなりたい。ただそれだけなのに…。」
と言った。何だろう??
「ねぇ…立ち話じゃあれだから、私の家ここから近いし、うちでお茶でもしながら話さない?」
と言って、家に連れて行った。
藍川の家…。
なんとなく懐かしい感じがする。そういや、小学校低学年くらいの頃、誕生日会かなんかで、1・2回くらいは来たことがあったような…。
「お待たせ。アイスハーブティー淹れてきたの。今日は暑いし、気持ちも落ち着くよ。」
出されたアイスハーブティーを一口飲むと、藍川の言う通り、少し気持ちが落ち着いた気がした。
「あのさ…。さっき言ってた、『…もっと上手くなりたい。ただそれだけなのに…。』って、あれ一体何なの?どういうこと?」
と流川君に聞くと、
「藍川…。俺、バスケ上手くなりたくて、アメリカ行きたいんだ。で、今日監督の家に行ってその話したら…。」
(※安西家回想シーン…
「私は反対だ。陵南戦のビデオを見たが、君はまだ仙道君には及ばない。
今アメリカに行く…と言うのは、それは逃げじゃないのかね?」)
流川君はバスケの技術を向上させたい一心で、アメリカ留学を懇願し、
安西先生に相談をしたそうだが、あっさりと反対をされたそうだ。
バスケ経験が少ない私だが、陵南戦での流川君は、天才プレイヤー・仙道さんにも劣らないと思っていたのに…やはりプロが見る目は違うと、あらためて実感した。
その直後、安西先生の奥様から先生の昔の教え子の…悲しい話などを聞かされたそうだ。
私もそれを聞いた時は、彼に何と言ってあげればいいのか、わからなかった…。
「ふーん…。流川君、そんなことがあったんだ。私もさ…。学校でちょっとあってね…。」
と自分の話をしようとしてみたら、
「藍川。何かあったって、何だ?」
無口で大人しい彼が、珍しく聞いてこようとしている。
「私、中学から私立の一貫校行ってるでしょ?偏差値もまあ高くて、特に英語に力入れてる学校で…高校に上がってからは、文系特進コースに在籍しててね…。
1学期の模試・中間&期末試験の成績・現時点で取得済みの語学検定・課題etc…一定条件をクリアした生徒に、提携してるアメリカの学校への留学が認められる制度があってね…。
小さい頃から、“通訳”の仕事に就きたくて…それで、今回の留学の切符、どうしても手に入れたくて、今の学校に入ってから…多分一番必死に勉強したの。でも、駄目だったんだ…。」
自分の近況を、我ながら残念に語った。
「ふーん…。藍川にも、そんなことがあったのか…。」
流川君はしっかり聞いていてくれたようだ。
「本当…。悔しいよ…。都心にある学校で、放課後遊ぶのも我慢して、必死に必死に…中学受験の時以上に勉強したのに…。
小学校の途中でやめちゃったバスケも、中学で少し再開させたけど…。
勉強と上手く両立できなくて、中2の秋に辞めちゃったし…。」
ほんの少し、涙を流してしまった。
「今回の留学の切符手に入れた子…中学時代からずっと同じクラスの男子で、いつも私より成績下だった子なのに…。何で私じゃないの?
今日だって悔しくてたまらなくて納得できなくて、それで学校に行って先生に抗議みたいなことをしてきたの。」
「…ふーん。抗議して、それでどーなったんだ?」
流川君の問いかけに対して、
「先生が言ったことはさ…。『今回条件をクリアできなかったのは、藍川自身の中に何か“迷い”や“邪念”があるんじゃないのか?
それが自分自身でわからないで尚且つ解決もできない限り、留学なんて到底無理だ。』みたいなこと言われたんだよ。」
先生に言われたことを、流川君にもそのまま言った。
「流川君はさ…安西先生にアメリカ行き反対された時、仙道さんと比較されたこと以外に何か言われたりしなかったの?」
と聞いてみると、
「『日本一の高校生になれ。アメリカはそれからでも遅くない。』って…。
藍川がさ、学校の先生に言われたっていう、“迷い”とか“邪念”って…なんかお前自身に何かあったんじゃねぇの?」
と返答されて、
「もっと正直に言うとね…中学に入学したときに一目惚れしてずっと片思いだった、当時高校1年生で今大学1年生の彼にね…。思い切って告白したんだけど、呆気なくフラれちゃったの…。
それがさぁ、ちょうど中間試験の1週間前だったんだよね。
結構ショック大きかったんだよね。その彼にはさ、中3の頃からずっと付き合ってる、お嬢様学校に通う美人な彼女が居たんだよ。」
失恋話まで、切り出してしまった。
その後、何故か涙が止まらなくなり、流川君の胸に縋り付いてしまった。
「私も…アメリカ留学をしたかったの…もしかしたら、彼にフラれた傷を癒やす、逃げ場が欲しかっただけだったのかもしれない…。
駄目だよね…。もっと強く意志を持たなきゃ…。」
泣いている私をそっと抱きしめてくれた流川君、とても優しくて温かく感じた。
「まどか。俺、高校バスケで絶対日本一になる。もう誰にも負けねぇ。」
流川君は私をじっと見つめて、意志を強く固めて言った。
「まどか。約束しようぜ。俺はバスケで、まどかは英語の勉強でトップ目指して、目標達成させる。お互いに日本での目標が果たせたとき…一緒にアメリカ行こうぜ。」
「ねぇ、流川君…。今の言葉ってまさか…??」
「楓って呼べ。小学校高学年の頃から、まどかが好きだった。
中学離れちまって、正直寂しかった。でも今日久々に腹を割って話せて、俺のまどかに対する正直な想いが伝えられた。今の俺の言葉、忘れるな。」
私の涙は止まり、楓と唇を重ねる。
夢の為に、二人で自分の道を信じよう。
楓とまどかはそう誓ったのだった。
♪どんな風に笑えば
いいかなんてわからない
元気を出すための
スイッチがあるはず
夢はまだ 遠い?近い?とどかない?
ほんとうは泣いたって
いいかもしれない
今日のぶんの約束
誰にも話せず
今日のぶんの約束
わたししか知らない
uh
ウソはウソのままじゃなくく
ホントになるかも
退屈って大人に
なった証拠じゃなくて
勝手にあきらめた
あしたのぬけがら
やめるのも やめない事も勇気なら
もうちょっと もうちょっと
大事にしたい
今日のぶんの約束
守れないとね
遠くなっちゃうみたい
あしたのわたしが
ねぇ きっととどくよね
やめないでいれば
ねぇ きっととどくね
夢なんてすぐに
今日のぶんの約束
誰にも話せず
今日のぶんの約束
わたししか知らない
LaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLa♪
中学から都内の私立一貫校に通う、高校1年生。
流川楓とは、家が近所で小学校6年間同じクラスだった。
小学校時代、ミニバスで一緒だったこともあったけど…
私は中学受験をきっかけにやめて、中学も別々になってからは会う回数が減っていった。
でも、今年の夏…地元の友達に誘われて、IH予選決勝リーグ観戦をして、久しぶりに楓のバスケを見た。
ミニバスでも富ヶ丘中学校のバスケ部でも活躍していた楓は、強豪校に進学したのかと思いきや、無名校の湘北高校へ進学し、そこでも大活躍して一躍有名人となっていた。
夏休み前…学校へちょっとした用事があり、都内へ行った帰り道、なんとなく見覚えがある長身の男の子を見つけた。
「あの…?もしかして、流川楓君…?」
「…あぁ…。」
声を掛けてみたら、やっぱり本人だった。
「やっぱり!私、藍川まどか。覚えてる?小学校でずっと同じクラスで、ミニバスでも少し一緒だった…。」
「藍川か…。その制服…小学校卒業してから、東京の私立行ったんだよな?」
覚えててくれた。
「そうだよ。この前ね、6年生の頃の女の子の友達に久々に会って、IH予選のバスケの決勝リーグ観に行ったんだよ!流川君が湘北に行って、あんなに大活躍してるなんてびっくりしたよ!凄く格好良かったよ!」
久しぶりに話ができて嬉しくて、試合の感想などを話したが、なんとなく流川君は元気がないようだ。
「流川君。どうしたの?何か元気なくない?」
と問いかけると…
「…もっと上手くなりたい。ただそれだけなのに…。」
と言った。何だろう??
「ねぇ…立ち話じゃあれだから、私の家ここから近いし、うちでお茶でもしながら話さない?」
と言って、家に連れて行った。
藍川の家…。
なんとなく懐かしい感じがする。そういや、小学校低学年くらいの頃、誕生日会かなんかで、1・2回くらいは来たことがあったような…。
「お待たせ。アイスハーブティー淹れてきたの。今日は暑いし、気持ちも落ち着くよ。」
出されたアイスハーブティーを一口飲むと、藍川の言う通り、少し気持ちが落ち着いた気がした。
「あのさ…。さっき言ってた、『…もっと上手くなりたい。ただそれだけなのに…。』って、あれ一体何なの?どういうこと?」
と流川君に聞くと、
「藍川…。俺、バスケ上手くなりたくて、アメリカ行きたいんだ。で、今日監督の家に行ってその話したら…。」
(※安西家回想シーン…
「私は反対だ。陵南戦のビデオを見たが、君はまだ仙道君には及ばない。
今アメリカに行く…と言うのは、それは逃げじゃないのかね?」)
流川君はバスケの技術を向上させたい一心で、アメリカ留学を懇願し、
安西先生に相談をしたそうだが、あっさりと反対をされたそうだ。
バスケ経験が少ない私だが、陵南戦での流川君は、天才プレイヤー・仙道さんにも劣らないと思っていたのに…やはりプロが見る目は違うと、あらためて実感した。
その直後、安西先生の奥様から先生の昔の教え子の…悲しい話などを聞かされたそうだ。
私もそれを聞いた時は、彼に何と言ってあげればいいのか、わからなかった…。
「ふーん…。流川君、そんなことがあったんだ。私もさ…。学校でちょっとあってね…。」
と自分の話をしようとしてみたら、
「藍川。何かあったって、何だ?」
無口で大人しい彼が、珍しく聞いてこようとしている。
「私、中学から私立の一貫校行ってるでしょ?偏差値もまあ高くて、特に英語に力入れてる学校で…高校に上がってからは、文系特進コースに在籍しててね…。
1学期の模試・中間&期末試験の成績・現時点で取得済みの語学検定・課題etc…一定条件をクリアした生徒に、提携してるアメリカの学校への留学が認められる制度があってね…。
小さい頃から、“通訳”の仕事に就きたくて…それで、今回の留学の切符、どうしても手に入れたくて、今の学校に入ってから…多分一番必死に勉強したの。でも、駄目だったんだ…。」
自分の近況を、我ながら残念に語った。
「ふーん…。藍川にも、そんなことがあったのか…。」
流川君はしっかり聞いていてくれたようだ。
「本当…。悔しいよ…。都心にある学校で、放課後遊ぶのも我慢して、必死に必死に…中学受験の時以上に勉強したのに…。
小学校の途中でやめちゃったバスケも、中学で少し再開させたけど…。
勉強と上手く両立できなくて、中2の秋に辞めちゃったし…。」
ほんの少し、涙を流してしまった。
「今回の留学の切符手に入れた子…中学時代からずっと同じクラスの男子で、いつも私より成績下だった子なのに…。何で私じゃないの?
今日だって悔しくてたまらなくて納得できなくて、それで学校に行って先生に抗議みたいなことをしてきたの。」
「…ふーん。抗議して、それでどーなったんだ?」
流川君の問いかけに対して、
「先生が言ったことはさ…。『今回条件をクリアできなかったのは、藍川自身の中に何か“迷い”や“邪念”があるんじゃないのか?
それが自分自身でわからないで尚且つ解決もできない限り、留学なんて到底無理だ。』みたいなこと言われたんだよ。」
先生に言われたことを、流川君にもそのまま言った。
「流川君はさ…安西先生にアメリカ行き反対された時、仙道さんと比較されたこと以外に何か言われたりしなかったの?」
と聞いてみると、
「『日本一の高校生になれ。アメリカはそれからでも遅くない。』って…。
藍川がさ、学校の先生に言われたっていう、“迷い”とか“邪念”って…なんかお前自身に何かあったんじゃねぇの?」
と返答されて、
「もっと正直に言うとね…中学に入学したときに一目惚れしてずっと片思いだった、当時高校1年生で今大学1年生の彼にね…。思い切って告白したんだけど、呆気なくフラれちゃったの…。
それがさぁ、ちょうど中間試験の1週間前だったんだよね。
結構ショック大きかったんだよね。その彼にはさ、中3の頃からずっと付き合ってる、お嬢様学校に通う美人な彼女が居たんだよ。」
失恋話まで、切り出してしまった。
その後、何故か涙が止まらなくなり、流川君の胸に縋り付いてしまった。
「私も…アメリカ留学をしたかったの…もしかしたら、彼にフラれた傷を癒やす、逃げ場が欲しかっただけだったのかもしれない…。
駄目だよね…。もっと強く意志を持たなきゃ…。」
泣いている私をそっと抱きしめてくれた流川君、とても優しくて温かく感じた。
「まどか。俺、高校バスケで絶対日本一になる。もう誰にも負けねぇ。」
流川君は私をじっと見つめて、意志を強く固めて言った。
「まどか。約束しようぜ。俺はバスケで、まどかは英語の勉強でトップ目指して、目標達成させる。お互いに日本での目標が果たせたとき…一緒にアメリカ行こうぜ。」
「ねぇ、流川君…。今の言葉ってまさか…??」
「楓って呼べ。小学校高学年の頃から、まどかが好きだった。
中学離れちまって、正直寂しかった。でも今日久々に腹を割って話せて、俺のまどかに対する正直な想いが伝えられた。今の俺の言葉、忘れるな。」
私の涙は止まり、楓と唇を重ねる。
夢の為に、二人で自分の道を信じよう。
楓とまどかはそう誓ったのだった。
♪どんな風に笑えば
いいかなんてわからない
元気を出すための
スイッチがあるはず
夢はまだ 遠い?近い?とどかない?
ほんとうは泣いたって
いいかもしれない
今日のぶんの約束
誰にも話せず
今日のぶんの約束
わたししか知らない
uh
ウソはウソのままじゃなくく
ホントになるかも
退屈って大人に
なった証拠じゃなくて
勝手にあきらめた
あしたのぬけがら
やめるのも やめない事も勇気なら
もうちょっと もうちょっと
大事にしたい
今日のぶんの約束
守れないとね
遠くなっちゃうみたい
あしたのわたしが
ねぇ きっととどくよね
やめないでいれば
ねぇ きっととどくね
夢なんてすぐに
今日のぶんの約束
誰にも話せず
今日のぶんの約束
わたししか知らない
LaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLa♪
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