still(牧)
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『 歌をきかせたかった 愛を届けたかった
想いが伝えられなかった 』
牧 side
「(もし、あの時…。彼女を止めることができたなら…。今頃どんな風になっていたのか…?)」
この季節になると、決まって思い起こすことがある。
高校三年生・冬ー
月一の席替えで、“ 藍川 まどか”という女子と隣になった。
「牧君の隣か…。宜しくね。」
「こちらこそ…。」
彼女はいつも明るくて元気で、みんなのムードメーカー的存在。
1・2年生の頃は離れたクラスだったが、3年生で初めて同じクラスになり、隣の席になってからは頻繁に話すようになった。
「牧君。推薦で大学決まってるから、部活もまだ続けてるんだよね。」
「まあ…。藍川も、もう進路決まったんだろ?何処だっけ?」
「東京の女子大の文学部・英文科。小さい頃から英語習ってるから、大学ではフランス語も副専攻して、いつか海外で働けたら良いなって思ってるの。
牧君は体育大だから、やっぱり実業団入りなんかを目指してるの?」
「まだ分からないな…。」
牧とまどかは次第に仲良くなっていき、3学期に入ってから交際を始めた。
大学は離れてしまっても、頻繁にデートをしていた。
まどかは星が好きで、季節問わず二人は定期的にプログラムが変わる、プラネタリウムによく行っていた。
その後には決まって、地元周辺の海や都内などにドライブへ行って、星を眺めていた。
大学1年生・冬ー
二人はまた、牧の車でドライブへ行った。
場所は新宿。たまに来る東京は良い。
特に新宿御苑の紅葉は格別。
都会のビル街の片隅で、車のサンルーフから星を眺め、「12月の星座が一番素敵。」とまどかが言った。
まどかは、ある歌をよく口ずさんでいた。
「その歌よく歌ってるな。好きなのか?」
「うん。小さい頃に車のラジオでよく聴いてたの。」
星空を堪能する二人。
一方大学生活は…
牧は名門体育大学バスケ部で、1年生ながらもレギュラーの座を射止め、まどかも女子大で英語力をさらに高め副専攻のフランス語も徐々にマスターしていき、イベントサークルに所属して活動を楽しんでいた。
こうして大学生活一年目を終え、2年生へ進級した二人。
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