一緒に…(清田)
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『 今度逢える時は もっと素直になりたい
12月この街で 肩寄せて笑ってたい 』
ある二人の感情が交錯していた。
清田信長 side
「(あいつと…。まさか、こんな風にまた会うなんて…。)」
藍川まどか side
「(ノブくんに…。また会えた…♡)」
二人の小学校時代を遡って…
まどかと信長は幼稚園でずっと同じクラスで、小学校に上がってからもそれは続いていた。
家も比較的近く、母親同士仲も良く、互いの家に時折遊びに行ったりしていた。
小学校四年生・冬ー
信長は一年生から続けてきたミニバスで、力を付け始めていた。
まどかも、「ノブくんがやるなら私も…。」という流れで興味本位で入っていたが、塾通いを機に辞めた。
ある日の学校帰り…
「ノブくん。この前の試合、かなり点取ったよね。最近熱入ってるね。」
「俺は中学行ったら、もっと本格的にバスケして、高校は神奈川No. 1の海南に行きたいからさ。
藍川さ、三年生の終わりから塾通いしてて…。やっぱり、中学受験すんのか?」
「うん。女子校に行きたいんだ。絶対志望校に入りたいから、頑張る。」
「他のクラスで、塾行ってる奴らに聞いたけど…。中学受験ってかなり大変なんだろ?特に六年生の夏なんか、殆ど休みなしで勉強漬けなんだろ?」
「そうだね。だから今のうちから基礎的な勉強して、遊べる時は遊んで六年生に備える感じかな?
小学校最後の夏休みは、朝から晩までお弁当持ちで塾だから。」
「俺には、そんなの耐えられねぇな。あとさ、何で女子校行きたいの?」
「ノブくんなら分かると思うけど…。私、幼稚園でも低学年の頃も、よく男の子に揶揄われて泣いたりしてたでしょ?そういうのもあったりとか、知り合いのお姉さんが女子校行ってて、お嬢様っぽい雰囲気に憧れて…。
お母さんと入塾面談した時も、先生から『女子校の方が、自分らしくのびのびと過ごせるだろう。』って言われたから。制服もどうせなら、可愛いの着たいし。」
胸を弾ませながら話すまどか。
「(私立に合格したら…。もうこんな風に、一緒に帰れなくなるんだな…。)」
物寂しさを感じる信長。
「ノブくんはさ…。好きな子居るの?この前塾でね、『隣町の小学校のミニバスの流川君て子が格好良い。』って話してたんだ♡」
「何だよ?藍川、流川のこと好きなのか?」
「ち、違うよ…。そんなんじゃないよ。ノブくんこそ何?やっぱり好きな子居るんでしょ?」
ふざけあう放課後の二人。
北風が吹く三叉路で別れる前に…
「すっかり冬だね。冷えるね。」
「そのマフラー、可愛いな。藍川に…。似合ってるよ…。」
まどかの真っ赤なチェックのマフラーを見て、照れ臭そうにする信長。
「ありがとう。今年のお誕生日プレゼントに買って貰ったんだ。結構高かったから、中学・高校でも使うよ。」
「それなら、制服にも似合うな。
(おい…。他にもっと言いたいこと、あるんじゃないのかよ…?)」
心の中で、自分に問いかける清田。
「今日も塾だから、早く帰らなきゃ。じゃあね、ノブくん。」
「おう。頑張れよ。また明日、学校でな。」
まどかは三叉路の平な道を、信長は坂道を上り自宅へと向かった。
信長 side
「(俺…。本当はあいつのこと…。“ 藍川”じゃなくて、“ まどか”って名前で呼びてぇのに…。何で素直になれないんだ⁇)」
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