fate(三井)
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まどかが旅立ったのは、湘北高校卒業式の10日前…。
早急に告別式が執り行われた。
バスケ部・クラス全員・他校部員…沢山の弔問客が居た。
彩子は涙を流しながら、宮城に支えられ友人代表で弔辞を担当した。
「こんなに沢山、涙を流してくれる人が居るなんて…。まどか、三井先輩以外からも愛されていた証拠ね…。」
まどかを天国へ見送った後…
湘北高校卒業式が挙行された。
会場にまどかの姿はない…。
あるのは、彩子が手に持っているまどかの写真のみ…。
三井は既に第二ボタンの無い学生服で、出席した。
卒業証書を受け取った時に、
『人の役に立てて大切な事を教えられる仕事に就きたい。』という、まどかの言葉が脳裏を過り、「大学に進学したら、教職課程を履修して教員免許を取得し、まどかが果たせなかった夢を自分が果たす。」と心に決めたのだった。
更に月日が流れ、大学4年生・春…
三井の教育実習がやってきた。
受け持つクラスは『2年1組』。
懐かしくて、今にも湘北高校の制服を着たまどかが、何処からか出てきそうな雰囲気がしていた。
三井は初日から生徒達と打ち解けられ、お互いに毎日楽しい様子。
実習3日目ー
朝の予鈴が鳴り、教師達が移動し始める中…
男子①「もうすぐ来るぞ。」
女子①「あっ!見えた!」
女子②「本当だ!」
男子②「せーの…!」
「「「「三井先生ー‼︎」」」」
四人で一斉に三井に駆け寄る。
「お前ら、小学生じゃねーんだぞ!もう少し大人しく出来ねーのか⁉︎」
こんなやりとりを見るのを、1組も他クラスも楽しんでいた。
「ちょっと、あんた達。三井先生困るでしょ?早く教室入ろうよ?」
一人の女生徒が声をかけた。
いつも予鈴ギリギリに教室に入る、2年1組“冴木絵梨香”。
実習初日に見た時、まどか瓜二つの容姿だった為、三井にも印象づいてる。
でも、少しツンとした雰囲気もある女子。
「冴木。お前も、もう少し早く来たらどうなんだ?」
「三井先生。私はいつも、この時間に廊下を歩いて教室に入るのが日課なの。」
「まったく…。よし!出席取るから、全員教室入れ!」
三井のいる間は、小学校並みの賑やかさと謳われるクラス。
実習最終日の前日…三井は担任の承諾を得て、ホームルームで“ある話”をすることに決めた。
それは、自分の高校時代の話。
中でも、まどかとの出会い・付き合いをメインにした。
生前に撮った写真を生徒達に見せながら、話をしていった。
まどかが絵梨香とそっくりなことに、みんな驚いていた。
三井は、「人を好きになり、愛するということはどういうことか?」「自分の生きられる時間が限られているとなったら、残りの人生をどれだけ大切に過ごすか?」「愛する人を失うのはどれほど辛いか?」と生徒達に問い掛け、考えさせた。
担任と生徒全員、涙を流していた。
一番泣いていたのは、まどかと瓜二つの絵梨香。
そして迎えた、教育実習最終日ー
帰りのホームルームで…
『三井先生 ありがとう!』と中央に大きく書かれ、クラス全員からのコメント入りのカラフルな色紙と花束を、サプライズでプレゼントされた。
ちなみに、色紙も花束も絵梨香が中心になって準備したと話すと、照れていた。
教室で記念写真を撮り、2週間の教育実習は終わった。
学校を後にして、帰ろうとした時…。
「三井先生!」
絵梨香から呼び止められた。
「何だ?冴木?」
「昨日、先生が話してくれた高校時代の恋人の話…。感動しました。
私、ついこの前までは『大学卒業したら、何処かしらに就職して普通に働いて…。』みたいにしか思ってなかったけど…。
まどかさんの話を聞いて…。
私も大学行ったら、教職課程履修して教員免許取得して、将来は教師になりたいって目標が出来ました。
三井先生から教わったこと、いつか私も生徒達に教えたいです。
先生がうちのクラスの実習生で、本当に良かったです。
ありがとうございました。」
頭を下げて、絵梨香は帰っていった。
早急に告別式が執り行われた。
バスケ部・クラス全員・他校部員…沢山の弔問客が居た。
彩子は涙を流しながら、宮城に支えられ友人代表で弔辞を担当した。
「こんなに沢山、涙を流してくれる人が居るなんて…。まどか、三井先輩以外からも愛されていた証拠ね…。」
まどかを天国へ見送った後…
湘北高校卒業式が挙行された。
会場にまどかの姿はない…。
あるのは、彩子が手に持っているまどかの写真のみ…。
三井は既に第二ボタンの無い学生服で、出席した。
卒業証書を受け取った時に、
『人の役に立てて大切な事を教えられる仕事に就きたい。』という、まどかの言葉が脳裏を過り、「大学に進学したら、教職課程を履修して教員免許を取得し、まどかが果たせなかった夢を自分が果たす。」と心に決めたのだった。
更に月日が流れ、大学4年生・春…
三井の教育実習がやってきた。
受け持つクラスは『2年1組』。
懐かしくて、今にも湘北高校の制服を着たまどかが、何処からか出てきそうな雰囲気がしていた。
三井は初日から生徒達と打ち解けられ、お互いに毎日楽しい様子。
実習3日目ー
朝の予鈴が鳴り、教師達が移動し始める中…
男子①「もうすぐ来るぞ。」
女子①「あっ!見えた!」
女子②「本当だ!」
男子②「せーの…!」
「「「「三井先生ー‼︎」」」」
四人で一斉に三井に駆け寄る。
「お前ら、小学生じゃねーんだぞ!もう少し大人しく出来ねーのか⁉︎」
こんなやりとりを見るのを、1組も他クラスも楽しんでいた。
「ちょっと、あんた達。三井先生困るでしょ?早く教室入ろうよ?」
一人の女生徒が声をかけた。
いつも予鈴ギリギリに教室に入る、2年1組“冴木絵梨香”。
実習初日に見た時、まどか瓜二つの容姿だった為、三井にも印象づいてる。
でも、少しツンとした雰囲気もある女子。
「冴木。お前も、もう少し早く来たらどうなんだ?」
「三井先生。私はいつも、この時間に廊下を歩いて教室に入るのが日課なの。」
「まったく…。よし!出席取るから、全員教室入れ!」
三井のいる間は、小学校並みの賑やかさと謳われるクラス。
実習最終日の前日…三井は担任の承諾を得て、ホームルームで“ある話”をすることに決めた。
それは、自分の高校時代の話。
中でも、まどかとの出会い・付き合いをメインにした。
生前に撮った写真を生徒達に見せながら、話をしていった。
まどかが絵梨香とそっくりなことに、みんな驚いていた。
三井は、「人を好きになり、愛するということはどういうことか?」「自分の生きられる時間が限られているとなったら、残りの人生をどれだけ大切に過ごすか?」「愛する人を失うのはどれほど辛いか?」と生徒達に問い掛け、考えさせた。
担任と生徒全員、涙を流していた。
一番泣いていたのは、まどかと瓜二つの絵梨香。
そして迎えた、教育実習最終日ー
帰りのホームルームで…
『三井先生 ありがとう!』と中央に大きく書かれ、クラス全員からのコメント入りのカラフルな色紙と花束を、サプライズでプレゼントされた。
ちなみに、色紙も花束も絵梨香が中心になって準備したと話すと、照れていた。
教室で記念写真を撮り、2週間の教育実習は終わった。
学校を後にして、帰ろうとした時…。
「三井先生!」
絵梨香から呼び止められた。
「何だ?冴木?」
「昨日、先生が話してくれた高校時代の恋人の話…。感動しました。
私、ついこの前までは『大学卒業したら、何処かしらに就職して普通に働いて…。』みたいにしか思ってなかったけど…。
まどかさんの話を聞いて…。
私も大学行ったら、教職課程履修して教員免許取得して、将来は教師になりたいって目標が出来ました。
三井先生から教わったこと、いつか私も生徒達に教えたいです。
先生がうちのクラスの実習生で、本当に良かったです。
ありがとうございました。」
頭を下げて、絵梨香は帰っていった。