escape(流川)
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非常階段を使いながら、一階まで降りる流川とまどか。
こっそり裏庭に出て、再び校庭に目をやると、相変わらず楽しそうな体育の授業。
「流川君の好きな教科は、英語と体育かな?」
と聞くまどかに対し、「あたりめーだ。」と答える流川。
「流川君。こっちこっち…。」
と手招きするまどかに導かれるがままに、着いた先は閉鎖中のプール。
「(何でプールなんか来るんだ…?)」
10月のプールは、勿論閑散としている状態。
「流川君。良いこと思いついた。」
「(何するんだ…?)」
未だに頭から、“?”が消えない流川に対し、まどかはプールのフェンスを攀じ登り始めた。
「流川君もやりなよ!」とフェンスを乗り越え、プールサイドに勢いよく着地したまどか。
言われるがままに、流川もフェンスを乗り越える。
プールサイドで二人並んで、話を始める。
晴天の秋晴れと、輝くプールの水面のコントラストは抜群。
「おい…。こんなとこ来て、何なんだ?テメー…?」
「さっき屋上から、校庭を眺めてたら…。このプールが、私の目に留まってね…。
屋上でのサボりも全然良いと思うんだけど…。
滅多にない秋の晴天だから、こういうところで過ごすのも良いかなって思ったの。」
とあまり見せることのない、笑顔を振り撒きながら言った。
「(藍川…。ツンとしたイメージが強かったけど、こうやって笑ったら、可愛いじゃねーか…。)」
「プールも…。夏までは、水泳部やら授業やらでよく使ってたから、賑やかだったけど、秋になると静かになっちゃうよね…。」
夏…流川が思い出すことは、初のインターハイ出場、アメリカ留学を決意するも反対されたこと、それを機にこれまで以上に気迫溢れる練習に励むようになったこと…。
まどかは、またゆっくり立ち上がった。
制服の上着を脱いで、飛び込み台に上がり、なんとプールに飛び込んでしまった。
水の中から、
「気持ち良いー‼流川君もおいでよ‼」
と笑顔で叫んでいた。
流石に流川も、この行動にはびっくりしている。
しかし、心の中のもやもやをすっきりさせたい一心があった流川も、プールに飛び込んだ。
プールの中での二人ー
「ねっ⁉気持ち良いでしょ⁉私以外の人には、到底思いつかないことだよ⁉」
「(あたりめーだろ…。このじゃじゃ馬が…。)」
まどかは、冷たい水の中で飛沫を上げ、流川に水をかけ互いに水をかけ合い、無我夢中ではしゃぐ二人。
そんな二人の姿に、教室で授業中のクラスが徐々に気づき出していく。
1年1組ー
松井「晴子!あれ見て!流川君じゃない⁉」
晴子「本当だ!一緒に居るの…。」
藤井「7組の藍川さんよ!桜木君と同じクラスの…。」
1年7組ー
洋平「おい、花道!プール見ろよ!」
花道「ぬぉっ!うちのクラスのまどかさんに…。キツネ…⁉」
洋平「まどかちゃん、居ねーと思ったら…。あんなとこに居たのかよ…。」
2年1組ー
リョータ「彩ちゃん!流川がプール入ってる!」
彩子「もう…。何やってんのよ⁉あの子は…。」
3年3組ー
三井「流川…。何やってんだ⁉あいつが何考えてんだか、全然わからねー…。」
3年6組ー
木暮「あぁ…。俺達は引退したって言うのに…。」
赤木「まったく…。問題児は健在だな…。」
引退した二人も、当然見ていた。
各クラスの親衛隊は、胸中穏やかではなく、どのクラスも授業どころではなくなっていた。
まどかははしゃぎ続け、全校生徒に向かって「出来るものなら、やってみろよ‼」と大声で叫んだ。
あっという間に、4時間目終了のチャイムが鳴った。
「授業、終わっちゃったね…。ハックション…‼」
くしゃみをしたまどか。
「おい…。部室行くぞ。俺の替えのジャージとタオル貸してやる…。」
二人はプールから上がり、ずぶ濡れで震えながら、バスケ部部室まで向かった。
昼休みが始まるので、沢山の生徒達の注目を浴びる二人。
びしょびしょの足跡を残して歩くが、教師達は「1年生の問題児達には、何も言っても意味がない。」と言う感じで、この二人のこの出来事に対しても、何も言わない状態。
その代わりに、バスケ部や桜木軍団達が雑巾とバケツを持ってきて、後始末を始める。
「ふぬー‼久しぶりに学校に来たと思えば…。何でこの天才が、キツネの尻拭いをしなければいけないんだ⁉」
不満たらたらの花道。
「まぁ、良いじゃねーか。これで、あいつら二人も吹っ切れたんじゃねぇの?」
と割り切る洋平。
部室にてー
「ほら。風邪引くから、早く体拭いて着替えろ。」
とタオルとジャージを手渡す流川。
「ありがとう。天気良くても…。やっぱり、10月のプールは寒かったね…。でも、楽しかった。流川君も楽しそうだったし、嫌な事忘れられたよね?また天気良い日があったら、やらない⁉」
と懲りないまどか。
そんなまどかをそっと抱き締め、「寒いから…。暫くこうしていよう…。」と、不器用ながらに言う流川であった。
♪10月のプールに飛び込んだ僕を笑うがいい
制服のまま泳いで何を叱られるのか
そして冷たい水の中で わざと飛沫(しぶき)を上げて
誰にも邪魔をされない本当の自由 確かめたかった♪
こっそり裏庭に出て、再び校庭に目をやると、相変わらず楽しそうな体育の授業。
「流川君の好きな教科は、英語と体育かな?」
と聞くまどかに対し、「あたりめーだ。」と答える流川。
「流川君。こっちこっち…。」
と手招きするまどかに導かれるがままに、着いた先は閉鎖中のプール。
「(何でプールなんか来るんだ…?)」
10月のプールは、勿論閑散としている状態。
「流川君。良いこと思いついた。」
「(何するんだ…?)」
未だに頭から、“?”が消えない流川に対し、まどかはプールのフェンスを攀じ登り始めた。
「流川君もやりなよ!」とフェンスを乗り越え、プールサイドに勢いよく着地したまどか。
言われるがままに、流川もフェンスを乗り越える。
プールサイドで二人並んで、話を始める。
晴天の秋晴れと、輝くプールの水面のコントラストは抜群。
「おい…。こんなとこ来て、何なんだ?テメー…?」
「さっき屋上から、校庭を眺めてたら…。このプールが、私の目に留まってね…。
屋上でのサボりも全然良いと思うんだけど…。
滅多にない秋の晴天だから、こういうところで過ごすのも良いかなって思ったの。」
とあまり見せることのない、笑顔を振り撒きながら言った。
「(藍川…。ツンとしたイメージが強かったけど、こうやって笑ったら、可愛いじゃねーか…。)」
「プールも…。夏までは、水泳部やら授業やらでよく使ってたから、賑やかだったけど、秋になると静かになっちゃうよね…。」
夏…流川が思い出すことは、初のインターハイ出場、アメリカ留学を決意するも反対されたこと、それを機にこれまで以上に気迫溢れる練習に励むようになったこと…。
まどかは、またゆっくり立ち上がった。
制服の上着を脱いで、飛び込み台に上がり、なんとプールに飛び込んでしまった。
水の中から、
「気持ち良いー‼流川君もおいでよ‼」
と笑顔で叫んでいた。
流石に流川も、この行動にはびっくりしている。
しかし、心の中のもやもやをすっきりさせたい一心があった流川も、プールに飛び込んだ。
プールの中での二人ー
「ねっ⁉気持ち良いでしょ⁉私以外の人には、到底思いつかないことだよ⁉」
「(あたりめーだろ…。このじゃじゃ馬が…。)」
まどかは、冷たい水の中で飛沫を上げ、流川に水をかけ互いに水をかけ合い、無我夢中ではしゃぐ二人。
そんな二人の姿に、教室で授業中のクラスが徐々に気づき出していく。
1年1組ー
松井「晴子!あれ見て!流川君じゃない⁉」
晴子「本当だ!一緒に居るの…。」
藤井「7組の藍川さんよ!桜木君と同じクラスの…。」
1年7組ー
洋平「おい、花道!プール見ろよ!」
花道「ぬぉっ!うちのクラスのまどかさんに…。キツネ…⁉」
洋平「まどかちゃん、居ねーと思ったら…。あんなとこに居たのかよ…。」
2年1組ー
リョータ「彩ちゃん!流川がプール入ってる!」
彩子「もう…。何やってんのよ⁉あの子は…。」
3年3組ー
三井「流川…。何やってんだ⁉あいつが何考えてんだか、全然わからねー…。」
3年6組ー
木暮「あぁ…。俺達は引退したって言うのに…。」
赤木「まったく…。問題児は健在だな…。」
引退した二人も、当然見ていた。
各クラスの親衛隊は、胸中穏やかではなく、どのクラスも授業どころではなくなっていた。
まどかははしゃぎ続け、全校生徒に向かって「出来るものなら、やってみろよ‼」と大声で叫んだ。
あっという間に、4時間目終了のチャイムが鳴った。
「授業、終わっちゃったね…。ハックション…‼」
くしゃみをしたまどか。
「おい…。部室行くぞ。俺の替えのジャージとタオル貸してやる…。」
二人はプールから上がり、ずぶ濡れで震えながら、バスケ部部室まで向かった。
昼休みが始まるので、沢山の生徒達の注目を浴びる二人。
びしょびしょの足跡を残して歩くが、教師達は「1年生の問題児達には、何も言っても意味がない。」と言う感じで、この二人のこの出来事に対しても、何も言わない状態。
その代わりに、バスケ部や桜木軍団達が雑巾とバケツを持ってきて、後始末を始める。
「ふぬー‼久しぶりに学校に来たと思えば…。何でこの天才が、キツネの尻拭いをしなければいけないんだ⁉」
不満たらたらの花道。
「まぁ、良いじゃねーか。これで、あいつら二人も吹っ切れたんじゃねぇの?」
と割り切る洋平。
部室にてー
「ほら。風邪引くから、早く体拭いて着替えろ。」
とタオルとジャージを手渡す流川。
「ありがとう。天気良くても…。やっぱり、10月のプールは寒かったね…。でも、楽しかった。流川君も楽しそうだったし、嫌な事忘れられたよね?また天気良い日があったら、やらない⁉」
と懲りないまどか。
そんなまどかをそっと抱き締め、「寒いから…。暫くこうしていよう…。」と、不器用ながらに言う流川であった。
♪10月のプールに飛び込んだ僕を笑うがいい
制服のまま泳いで何を叱られるのか
そして冷たい水の中で わざと飛沫(しぶき)を上げて
誰にも邪魔をされない本当の自由 確かめたかった♪
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