escape(流川)
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10月上旬の某日ー
この日は9月半ばを思わせるような、晴天だった。
湘北高校の屋上には、バスケ部1年生エース・流川楓の姿があった。
4時間目開始のチャイムが鳴ったが、当たり前のように無視をしている。
「(だりぃ…。眠ぃ…。)」
寝ること好きの彼にとっては、部活をしに学校に来てるも同然。
だが、アメリカ留学を本格的に考え、英語の授業のみはしっかり受けていて、それ以外の教科は教室か屋上で寝ている。
この時間の1年10組は数学だが、当然受ける気はなく屋上で一眠りしようとしていた。
すると、一人の女生徒の姿が見えた。
「(先客か…?あれは…?)」
同じく屋上に居たのは、ライバル・桜木花道と同じ1年7組の藍川まどかだった。
「…ウス。お前、確か…どあほうと同じクラスだったな?」
「流川君。そうだよ。私は、1年7組の藍川まどか。
英語以外の授業は、相変わらず受ける気ないんだね?」
「お前もここでサボりか…?」
「まぁ…。そんなとこかな?」
この藍川まどかは、中学受験で大学までエスカレーター式の難関私立を受けたが失敗し、高校受験で再チャレンジするも失敗。
渋々、湘北高校に通っているという生徒。
「流川君。中学時代バスケで大活躍してて、陵南とかからスカウト来てたんでしょ?何で湘北にしたの?」
「近いから。」
「そう。私も同じだわ。本当は私立のエリート校行きたかったんだけど、落ちちゃってさ…。他の私立に、お金と時間かけて行くくらいなら、湘北のが近くて学費も安くて、自分にも親にもあんまり負担かかんないって思ってさ…。」
「どあほう…。今日から1週間、学校来るんだって?クラスの連中が話してるのが、聞こえた…。」
「桜木君?うん。容態が安定してきて、ちょっとしたリハビリ兼ねて、病院から学校通うことになったよ。まだ激しい運動は駄目らしいけど、部活にも少し顔出すって言ってた。」
花道とは…インターハイ・山王工業戦で、初めてライバル・仲間として認め合えた流川。
顔を合わせれば喧嘩ばかりの二人だが、久しぶりに学校に来るとなると…怪我はどこまで回復し、またバスケに対する熱意はどうなっているのかなどが、気になっているようだった。
「桜木君居るとさ、クラスの雰囲気が一気に明るくなるね。あの子、本当ムードメーカーだよね。
久しぶりに来た学校だから、クラスの皆や取り巻きの水戸君達に会えて嬉しそうにしてる。
何よりも、マネージャーの晴子ちゃんに会えるのが、かなり嬉しいようだけど…。」
「ところで、7組はこの時間何の授業だ?」
「国語。他の子達には悪いって思ってるんだけど…。私にとっては、湘北の授業退屈なんだよね…。」
「何で?」
「私…。小学校の頃から成績、常に学年で5番以内から外れたこと無くてね。常に先を行って勉強してたから、この学校で習う事とか、みんな分かり切ってるから…。『もっと難しい勉強教えてよ。』って思うことがしょっちゅうだし…。
ま、偉そうなこと言っちゃったかもだけど、中学受験も見事滑っちゃったんだよね…。」
「んなこと言うなら…。授業中に他の問題集でも、やってりゃいーだろ?」
「この間、“六大学の過去問”やってたよ。
そしたら、小池に『勝手な勉強するな!そんなに私の授業がつまらないのか⁉』って説教されて、取り上げられたよ。この時間の10組、小池の数学でしょ?
流川君。屋上まで来たってことは、眠り妨げられるのが尚更嫌だからでしょ?」
無言で小さく頷く流川。まどかはそんな流川に、共感できるようだった。
まどかは長い髪をかき上げ、晴天の空を見上げながら、
「今日はすごい良い天気だね!『秋晴れ』って日が、これほど似合う日は、そうそう無いかもね!こんなに空が澄んでるのに…。何で、つまらない授業なんか受けなきゃいけないんだって感じ⁉
一度しかない青春…。他にもっとやるべきことがあるだろって、思わない⁉流川君?」
と言い放った。
「(藍川って…。プライドの高い優等生かと思いきや…。案外、天真爛漫なところがあるんだな…。)」
まどかは校庭を眺め、楽しそうに体育の授業をしているクラスを見て同時に、この時期は閉鎖されているプールが目に留まり、
「流川君。こんなところでぶつぶつ言ってても、時間の無駄だし何にも始まらないから…。他のところ行かない?」と言いながら、ゆっくりと立ち上がった。
一方の流川は、校舎内の階段だと見回りの生活指導とかに見つかったら面倒だろうと言って、非常階段を使おうとまどかに言った。
この日は9月半ばを思わせるような、晴天だった。
湘北高校の屋上には、バスケ部1年生エース・流川楓の姿があった。
4時間目開始のチャイムが鳴ったが、当たり前のように無視をしている。
「(だりぃ…。眠ぃ…。)」
寝ること好きの彼にとっては、部活をしに学校に来てるも同然。
だが、アメリカ留学を本格的に考え、英語の授業のみはしっかり受けていて、それ以外の教科は教室か屋上で寝ている。
この時間の1年10組は数学だが、当然受ける気はなく屋上で一眠りしようとしていた。
すると、一人の女生徒の姿が見えた。
「(先客か…?あれは…?)」
同じく屋上に居たのは、ライバル・桜木花道と同じ1年7組の藍川まどかだった。
「…ウス。お前、確か…どあほうと同じクラスだったな?」
「流川君。そうだよ。私は、1年7組の藍川まどか。
英語以外の授業は、相変わらず受ける気ないんだね?」
「お前もここでサボりか…?」
「まぁ…。そんなとこかな?」
この藍川まどかは、中学受験で大学までエスカレーター式の難関私立を受けたが失敗し、高校受験で再チャレンジするも失敗。
渋々、湘北高校に通っているという生徒。
「流川君。中学時代バスケで大活躍してて、陵南とかからスカウト来てたんでしょ?何で湘北にしたの?」
「近いから。」
「そう。私も同じだわ。本当は私立のエリート校行きたかったんだけど、落ちちゃってさ…。他の私立に、お金と時間かけて行くくらいなら、湘北のが近くて学費も安くて、自分にも親にもあんまり負担かかんないって思ってさ…。」
「どあほう…。今日から1週間、学校来るんだって?クラスの連中が話してるのが、聞こえた…。」
「桜木君?うん。容態が安定してきて、ちょっとしたリハビリ兼ねて、病院から学校通うことになったよ。まだ激しい運動は駄目らしいけど、部活にも少し顔出すって言ってた。」
花道とは…インターハイ・山王工業戦で、初めてライバル・仲間として認め合えた流川。
顔を合わせれば喧嘩ばかりの二人だが、久しぶりに学校に来るとなると…怪我はどこまで回復し、またバスケに対する熱意はどうなっているのかなどが、気になっているようだった。
「桜木君居るとさ、クラスの雰囲気が一気に明るくなるね。あの子、本当ムードメーカーだよね。
久しぶりに来た学校だから、クラスの皆や取り巻きの水戸君達に会えて嬉しそうにしてる。
何よりも、マネージャーの晴子ちゃんに会えるのが、かなり嬉しいようだけど…。」
「ところで、7組はこの時間何の授業だ?」
「国語。他の子達には悪いって思ってるんだけど…。私にとっては、湘北の授業退屈なんだよね…。」
「何で?」
「私…。小学校の頃から成績、常に学年で5番以内から外れたこと無くてね。常に先を行って勉強してたから、この学校で習う事とか、みんな分かり切ってるから…。『もっと難しい勉強教えてよ。』って思うことがしょっちゅうだし…。
ま、偉そうなこと言っちゃったかもだけど、中学受験も見事滑っちゃったんだよね…。」
「んなこと言うなら…。授業中に他の問題集でも、やってりゃいーだろ?」
「この間、“六大学の過去問”やってたよ。
そしたら、小池に『勝手な勉強するな!そんなに私の授業がつまらないのか⁉』って説教されて、取り上げられたよ。この時間の10組、小池の数学でしょ?
流川君。屋上まで来たってことは、眠り妨げられるのが尚更嫌だからでしょ?」
無言で小さく頷く流川。まどかはそんな流川に、共感できるようだった。
まどかは長い髪をかき上げ、晴天の空を見上げながら、
「今日はすごい良い天気だね!『秋晴れ』って日が、これほど似合う日は、そうそう無いかもね!こんなに空が澄んでるのに…。何で、つまらない授業なんか受けなきゃいけないんだって感じ⁉
一度しかない青春…。他にもっとやるべきことがあるだろって、思わない⁉流川君?」
と言い放った。
「(藍川って…。プライドの高い優等生かと思いきや…。案外、天真爛漫なところがあるんだな…。)」
まどかは校庭を眺め、楽しそうに体育の授業をしているクラスを見て同時に、この時期は閉鎖されているプールが目に留まり、
「流川君。こんなところでぶつぶつ言ってても、時間の無駄だし何にも始まらないから…。他のところ行かない?」と言いながら、ゆっくりと立ち上がった。
一方の流川は、校舎内の階段だと見回りの生活指導とかに見つかったら面倒だろうと言って、非常階段を使おうとまどかに言った。
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