泣かない女(清田)
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まどかとのLINEー
清田「まどか先生、お疲れ様。今何してる?」
まどか「お疲れ様、清田君。今日は久々の早番だったから、家でゆっくりお風呂入って、さっきまで少し勉強してたよ。
ところで風邪大丈夫?ちゃんと薬飲んだ?」
清田「飲みましたよ。俺…粉薬苦手なんすよ(涙)」
まどか「偉い偉い(笑)」
清田「あの… まどか先生が今研修医やってる、大学病院の『小児科』って、実際どんな所なんすか?
あと、小児科の前に居たとか言う『救命』って、テレビの特番で見たことあるんすけど…。
あれも実際働いたら、厳しそうな世界っすよね?」
まどか「大学病院の小児科はね…。『小児がん』とか…所謂“◯◯腫瘍”と呼ばれてるような、難しい症例の子供達が多いよ。みんな、小さな体で過酷な治療に耐えてるの。子供達も辛いだろうけど、私達医者や看護師、親御さん達も辛いの。
でも、“治したい”“生きたい”って気持ちが強いほど、治療に前向きになれるの。そういうところが見れたら、この仕事してて良かったって思えるわ。
救命はね…清田君も分かっている通り、医者の仕事の中でも、一番過酷よ。常に“EMERGENCY CALL”が、鳴り響いてるような所で当直ばかりだし…。実際研修受けたら深夜でも鳴り響いて、仮眠できなかったこともあるし、上の先生はとにかく怖かった…。」
清田「医者の仕事って…バスケ一筋の俺にとっては、未知の世界だな…。まあ、まどか先生みたいに強い人には、ぴったりの仕事かもな…。」
まどか「ありがとう♡清田君と話したりLINEしたりしてると…元カレと付き合ってた頃より、楽しいかも…?」
清田「えっ?俺のこと好きなの?♡」
まどか「さあ…。そうそう、私の担当患者でミニバスに入ってる、小学生の男の子が居るんだよ。
今度時間があったら、会いに来て。」
清田「行くよ!シュート出来なくても、ドリブルでも見せてやるよ!」
まどか「じゃあ、都合ついたら又連絡して。おやすみ。」
(俺… まどか先生、バスケ並みに好きだ…♡)
それから三日後ー
まどか先生と連絡がつき、担当患者であるバスケ好きの小学生と会うことになった。
「清田君!こっちこっち!」と中庭で手を振る、まどか先生。
「お兄ちゃんー!」と俺を呼んでる、頭にバンダナを巻きマスクをつけ、点滴をして車椅子に乗ってる、まどか先生の担当患者の男の子と、その後ろには担当看護師が居た。
「清田君。この子が私の担当患者・幸太君。小三で、ミニバスのSG。はい、お兄ちゃんに挨拶して!」
「お兄ちゃん、初めまして!幸太です!」
「こちらこそ初めまして!まどか先生から、話聞いたよ。俺は清田信長!よろしくな!」と挨拶を交わす。
この日、清田君は海南バスケ部のジャージを着ていた。
「制服と同じで…バスケ部のジャージも、あの頃と変わってなくて懐かしい。」
とまどか先生が言った。
「まどか先生。お兄ちゃんと同じ高校だったの?」と幸太君に聞かれて、
「そうよ。お兄ちゃんは先生の後輩。それで、バスケ部強い高校で、一年生ながらもレギュラーなの!」と答える先生。
「お兄ちゃん格好良い!まどか先生よりも、身長高い!」
「当たり前よ(笑)先生もね、お兄ちゃんに初めて会った時、背も足も小さいって言われたんだから。」と無邪気な様子。
「よし!俺の華麗なドリブル、見せてやるよ!」と言いながらジャージの上を脱ぎ、海南の10番のユニフォームを身につけ、ヘアバンドで髪をとめた清田君は、巧みなドリブルを披露して、私や幸太君はもちろん…担当看護師や中庭にいた他の人達も、その華麗さに目を奪われていた。
「凄いわね!さすが、王者・海南の一年生レギュラー!」と拍手するまどか先生に、
「お兄ちゃん、格好良い!あと、お兄ちゃんのそれも格好良い!」と、清田君のヘアバンドを指さした。
「…これか?これな、俺のお守りみたいなもんなんだよ。練習の時も試合の時も、欠かさずつけてんだ。
これしてるとな、『強くなれる』『勝てる』って気持ちになるんだよ!」と言い、清田君はスポーツバッグの中から何かを取り出した。
それは、今つけているのと同じヘアバンドだった。
「ほら、幸太。お前にもやるよ。これで、『病気なんかぶっ飛ばしてやる』って、気合入るぜ!」と言って、幸太君のバンダナにヘアバンドを付けてあげた清田君。
「ありがとう!お兄ちゃん!退院したら、バスケ教えて!それから、僕も大きくなったらお兄ちゃんとまどか先生と同じ学校に行って、お兄ちゃんみたいに、バスケ部に入る!そのユニフォーム着たい!」と大喜びで自信に満ち溢れている。
「おう!俺と幸太の…男同士の約束だな!海南入りたいってのも、お前なら絶対出来るぜ!まどか先生、俺らの後輩増えるな!」と清田君も、嬉しそうな様子。
私はこの光景を見て…清田君は高一とは言え、去年まで中学生だった、まだまだヤンチャな男子というイメージがあったけど…。幸太君への接し方を見て、『とても優しくて頼もしいお兄ちゃん』という印象を持った。
「じゃあ、そろそろ病室に戻りましょうか?」と看護師が言い、みんなで病室に向かう。
病室に向かう途中ー
俺は他の病室をチラッと見たら… まどか先生が言った通り、小さな体で過酷な治療に耐えている子供達を数人見かけて、そして処置室からは尋常ではない泣き声が聞こえてきたのを、自分の目と耳で感じ、まがいなりにも『小児病棟の現実』が分かったような気がした…。
幸太君が個室の病室に戻った後ー
「今日は忙しいところ、本当ありがとう。幸太君のあんなに楽しそうな顔、私が担当してから初めて見たかも…。お揃いのヘアバンドとか、とても喜んでたわね。」と嬉しそうなまどか先生が、可愛い♡
「今日はさ…先生にも、渡したい物があるんだよ。」
「私にも?何?」
と聞くまどかに、清田はビニール袋を差し出した。
中身は、初めてまどかと出会った日に、「学食のメロンパンが好き。」と言ったのを覚えていたので…その通りに、メロンパンが二個入っていた。
「これ⁉︎海南の学食で売ってるメロンパンじゃないの!清田君…そんな話まで覚えててくれたの⁉︎」と驚いているまどか。
「美味そうに飯食いながら、『学食のメロンパン好き』って言ってただろ?だから、昼休みダッシュで買いに行った!それ人気だから、すぐ売り切れるよな?」と言う清田。
「嬉しい♡今夜当直だから、夜食にする。」と更にニコニコするまどかが、愛おしくて仕方のない清田。
清田「まどか先生、お疲れ様。今何してる?」
まどか「お疲れ様、清田君。今日は久々の早番だったから、家でゆっくりお風呂入って、さっきまで少し勉強してたよ。
ところで風邪大丈夫?ちゃんと薬飲んだ?」
清田「飲みましたよ。俺…粉薬苦手なんすよ(涙)」
まどか「偉い偉い(笑)」
清田「あの… まどか先生が今研修医やってる、大学病院の『小児科』って、実際どんな所なんすか?
あと、小児科の前に居たとか言う『救命』って、テレビの特番で見たことあるんすけど…。
あれも実際働いたら、厳しそうな世界っすよね?」
まどか「大学病院の小児科はね…。『小児がん』とか…所謂“◯◯腫瘍”と呼ばれてるような、難しい症例の子供達が多いよ。みんな、小さな体で過酷な治療に耐えてるの。子供達も辛いだろうけど、私達医者や看護師、親御さん達も辛いの。
でも、“治したい”“生きたい”って気持ちが強いほど、治療に前向きになれるの。そういうところが見れたら、この仕事してて良かったって思えるわ。
救命はね…清田君も分かっている通り、医者の仕事の中でも、一番過酷よ。常に“EMERGENCY CALL”が、鳴り響いてるような所で当直ばかりだし…。実際研修受けたら深夜でも鳴り響いて、仮眠できなかったこともあるし、上の先生はとにかく怖かった…。」
清田「医者の仕事って…バスケ一筋の俺にとっては、未知の世界だな…。まあ、まどか先生みたいに強い人には、ぴったりの仕事かもな…。」
まどか「ありがとう♡清田君と話したりLINEしたりしてると…元カレと付き合ってた頃より、楽しいかも…?」
清田「えっ?俺のこと好きなの?♡」
まどか「さあ…。そうそう、私の担当患者でミニバスに入ってる、小学生の男の子が居るんだよ。
今度時間があったら、会いに来て。」
清田「行くよ!シュート出来なくても、ドリブルでも見せてやるよ!」
まどか「じゃあ、都合ついたら又連絡して。おやすみ。」
(俺… まどか先生、バスケ並みに好きだ…♡)
それから三日後ー
まどか先生と連絡がつき、担当患者であるバスケ好きの小学生と会うことになった。
「清田君!こっちこっち!」と中庭で手を振る、まどか先生。
「お兄ちゃんー!」と俺を呼んでる、頭にバンダナを巻きマスクをつけ、点滴をして車椅子に乗ってる、まどか先生の担当患者の男の子と、その後ろには担当看護師が居た。
「清田君。この子が私の担当患者・幸太君。小三で、ミニバスのSG。はい、お兄ちゃんに挨拶して!」
「お兄ちゃん、初めまして!幸太です!」
「こちらこそ初めまして!まどか先生から、話聞いたよ。俺は清田信長!よろしくな!」と挨拶を交わす。
この日、清田君は海南バスケ部のジャージを着ていた。
「制服と同じで…バスケ部のジャージも、あの頃と変わってなくて懐かしい。」
とまどか先生が言った。
「まどか先生。お兄ちゃんと同じ高校だったの?」と幸太君に聞かれて、
「そうよ。お兄ちゃんは先生の後輩。それで、バスケ部強い高校で、一年生ながらもレギュラーなの!」と答える先生。
「お兄ちゃん格好良い!まどか先生よりも、身長高い!」
「当たり前よ(笑)先生もね、お兄ちゃんに初めて会った時、背も足も小さいって言われたんだから。」と無邪気な様子。
「よし!俺の華麗なドリブル、見せてやるよ!」と言いながらジャージの上を脱ぎ、海南の10番のユニフォームを身につけ、ヘアバンドで髪をとめた清田君は、巧みなドリブルを披露して、私や幸太君はもちろん…担当看護師や中庭にいた他の人達も、その華麗さに目を奪われていた。
「凄いわね!さすが、王者・海南の一年生レギュラー!」と拍手するまどか先生に、
「お兄ちゃん、格好良い!あと、お兄ちゃんのそれも格好良い!」と、清田君のヘアバンドを指さした。
「…これか?これな、俺のお守りみたいなもんなんだよ。練習の時も試合の時も、欠かさずつけてんだ。
これしてるとな、『強くなれる』『勝てる』って気持ちになるんだよ!」と言い、清田君はスポーツバッグの中から何かを取り出した。
それは、今つけているのと同じヘアバンドだった。
「ほら、幸太。お前にもやるよ。これで、『病気なんかぶっ飛ばしてやる』って、気合入るぜ!」と言って、幸太君のバンダナにヘアバンドを付けてあげた清田君。
「ありがとう!お兄ちゃん!退院したら、バスケ教えて!それから、僕も大きくなったらお兄ちゃんとまどか先生と同じ学校に行って、お兄ちゃんみたいに、バスケ部に入る!そのユニフォーム着たい!」と大喜びで自信に満ち溢れている。
「おう!俺と幸太の…男同士の約束だな!海南入りたいってのも、お前なら絶対出来るぜ!まどか先生、俺らの後輩増えるな!」と清田君も、嬉しそうな様子。
私はこの光景を見て…清田君は高一とは言え、去年まで中学生だった、まだまだヤンチャな男子というイメージがあったけど…。幸太君への接し方を見て、『とても優しくて頼もしいお兄ちゃん』という印象を持った。
「じゃあ、そろそろ病室に戻りましょうか?」と看護師が言い、みんなで病室に向かう。
病室に向かう途中ー
俺は他の病室をチラッと見たら… まどか先生が言った通り、小さな体で過酷な治療に耐えている子供達を数人見かけて、そして処置室からは尋常ではない泣き声が聞こえてきたのを、自分の目と耳で感じ、まがいなりにも『小児病棟の現実』が分かったような気がした…。
幸太君が個室の病室に戻った後ー
「今日は忙しいところ、本当ありがとう。幸太君のあんなに楽しそうな顔、私が担当してから初めて見たかも…。お揃いのヘアバンドとか、とても喜んでたわね。」と嬉しそうなまどか先生が、可愛い♡
「今日はさ…先生にも、渡したい物があるんだよ。」
「私にも?何?」
と聞くまどかに、清田はビニール袋を差し出した。
中身は、初めてまどかと出会った日に、「学食のメロンパンが好き。」と言ったのを覚えていたので…その通りに、メロンパンが二個入っていた。
「これ⁉︎海南の学食で売ってるメロンパンじゃないの!清田君…そんな話まで覚えててくれたの⁉︎」と驚いているまどか。
「美味そうに飯食いながら、『学食のメロンパン好き』って言ってただろ?だから、昼休みダッシュで買いに行った!それ人気だから、すぐ売り切れるよな?」と言う清田。
「嬉しい♡今夜当直だから、夜食にする。」と更にニコニコするまどかが、愛おしくて仕方のない清田。